★★★☆☆ あらすじ 余生を過ごしていた男は、富士山麓の精神病院で、演習学生として過ごした若き日々の手記を書き始める。 表紙画は片岡球子の「富士」。 ミュージアム甲斐ネットワーク公式サイト:【イベント】「山々に魅せられた画家たち」 感想 戦時下の精神病院で働く若い演習学生が主人公だ。自分を皇室の人間だと言い張る男や黙りこくる少年、色情狂の女など、様々な患者たちとのやり取りが描かれていく。 そこで浮き彫りになってくるのは、正常とは何か?ということだ。患者たちの自信に満ちた言動を見ていると、もしかしたらおかしいのはこちら側なのかもしれないと不安になってくる。それにそもそも、戦時下の異常事態に平然と…