痛みは、私たちの身体に何か異常が起きていることを知らせる重要な警報です。もし、痛みを無視すれば、その異常は益々大きくなり、最悪の場合は命さえも脅かすことでしょう。 ですから、全身には痛みを感じるセンサー(侵害受容器)が張り巡らされています。活動によってケガをしたり、感染症で炎症が起これば、センサーが異常を痛みという形で脳に届けます。これが、急性痛です。 一般的な鎮痛薬(痛み止め)は、このセンサーの部分で働きます。ケガが治ったり、炎症が治まれば、痛みという異常も必要ありませんので、鎮痛薬も使う必要がなくなります。 ところが、急性痛が治りきらずに慢性化すると、痛みはセンサーとは無関係に脳に届けられ…