近年、テレビやラジオ、そして書籍、あるいはインターネットにおいて、「脳科学者」の露出が著しく増加している。 「幸福は脳内物質で決まる」 「意志決定は前頭前野の活動である」 「恋愛も信仰も錯覚である」 といった言説が、あたかも人間の内面や精神をすべて「脳のメカニズム」で解明できるかのように語られている。 たしかに、脳科学の発展によって人間理解が進み、医療や教育などの実践領域に多大な貢献がなされてきたことは疑いない。 しかしながら、昨今の「脳科学万能主義」とも言うべき風潮には、ある種のステレオタイプな・・・いや暴力性すら感じずにはいられない。 🟢 🟢 🟢 🟢 🟢 人間とは、果たして「脳」だけで説明…