「適当」という言葉が、私を293という地獄へ叩き落とした。 ハイボールを飲む時、目分量で注ぐ。 つまみを食べる時、袋のまま口に運ぶ。 その「わずかな甘え」の積み重ねが、15kgの脂肪と、悲鳴を上げる内臓を作り上げた。 だから今、私のキッチンには0.1g単位で計測できるデジタルスケールが鎮座している。 これが、私の理性を守る最後の砦だ。 毎日、夜勤に向かう前、あるいは帰宅した後の静寂の中で、私は儀式を行う。 コップをスケールに乗せ、風袋引き(ゼロ表示)をする。 そこに、塩化マグネシウムを正確に「3.0g」測り取る。 2.8gでは足りない。3.2gでは多すぎる。 デジタルの数字が「3.0」を示すま…