こみあげる、ということ こみあげる。 この言葉を口にしてみると、不思議と身体の奥のほうから、何かが静かに上がってくるような感覚がある。涙のようでもあり、思考のようでもあり、感情とも呼びきれない、もっと曖昧で正体の分からない何か。 こみあげるものは、いつも前触れもなくやってくる。意図して呼び出せるものではないし、押さえつけようとしても押さえきれない。気がついたときには、すでにそこにある。そして次の瞬間には、過ぎ去っていく。 湧き出る、こみあげる、過ぎ去る、無くなる。この四つの動詞だけで、人間の内側に起こる出来事のかなりの部分が説明できてしまうのではないかと、ふと思う。 地球以外に生命はいないらし…