ある大学の講師控室で、国文学者F先生と雑談をしていた。 F「やれやれ、やっとあったかくなってきましたねぇ。桜も散ってしまったけれど、これからの季節は百花繚乱だからねぇ・・・」 私「『つつじ、さつき』っていうところですかねぇ」 F「それもあるけれど、 『立てば芍薬、座居(とい)すりゃ牡丹、歩きすがたは百合の花』ってね。 知ってますか?」 私「ええ・・・子供の頃、『とい』じゃなくって、『座れば』ってフレーズでなら、 よく聞きましたけど・・・ それって美人のたとえを花にあらわしたものじゃないんですか?」 F「そうですね。だけどこの芍薬、牡丹、百合はだいたい4月から5月に咲き出す艶やかな花で、開花時期…