——前の説話の續きで、男が禁止を破ることによつて、別離になることを語る。この種の説話の常型である。—— ここに#海神 の女、#豊玉姫 が御自身で出ておいでになつて申しますには、 「わたくしは以前から妊娠しておりますが、今御子を産むべき時になりました。 これを思うに天の神の御子を海中でお生み申し上ぐべきではございませんから出て參りました」 と申し上げました。 そこでその海辺のなぎさに鵜《う》の羽を屋根にして産室を造りましたが、 その産室がまだ葺き終らないのに、御子が生まれそうになりましたから、 産室におはいりになりました。 その時夫の君に申されて言うには 「すべて他國の者は子を産む時になれば、そ…