Aurelius Augustinus 紀元4世紀(354年生〜430没)のキリスト教ラテン教父。 青年時代、マニ教を信仰するが、後にそれを批判し、カトリック教会の信仰の基礎を作る。 古代の哲学(特にプラトンの思想)をキリスト教に取り入れた。異教・異端との論争も有名。 著書『告白』『神の国』『三位一体』『自由意思論』『創世記注解』『詩篇注解』 後世のキリスト教形成に大きな影響を与えた。
『二つの国を作りしは二つの愛なり。地の国をつくりしは、神をさげすむほど己れ自身を愛する愛であり、天の国をつくりしは、己れ自身をさげすむほどすでに神を愛する愛なり。アウグスティヌス『神の国』(岩波書店)』 聖書の中の一番短い暗唱聖句は「神の愛なり(1ヨハネ5:16文語訳聖書)」でした。 「愛」という言葉は、表現しようとしても、人間的にはその断片だけです。 その理由は、全宇宙に満ちているのが「創造主である神【主】の愛」なのです。 冒頭のフレーズは、人間的な視点と、【主】の視点にわかれて表現されています。 一つは、「地の国」と言う視点です。 これは、「神をさげすむほど己れ自身を愛する愛」と記されるほ…
「時とはなにか」についてアウグスティヌスは「問われなければ、知っている」 とした。 ゲジゲジか、それともヤスデだったかも昔ばなしのなかで、「どのように移動しているか」と問われて「足の動かしかたがわからなくなってしまった」そうだ。 ここから得られる、統合レベルの教訓はなんだろうか? 「時とはなにか」という問いで、かえって「時が何だか全く理解できなくなり、社会生活に不便をおぼえてしまう」こともあり得るということだ。 そういう生真面目さが哲学の道に通じるということだ。 聖アウグスティヌスは自身の歩みを振り返るときに、時間の問題に遭遇した。 『告白』の第11巻の十五章にある。 時間とはなんであるか。だ…
読んだ本 ジャン・コクトー『ぼく自身あるいは困難な存在』ちくま学芸文庫 (1996) アンドレ・マルロー『人間の条件』新潮文庫 (1971) エマニュエル・レヴィナス『レヴィナス著作集2:哲学コレージュ講演集』法政大学出版局 (2016) 島田裕巳『世界史が苦手な娘に宗教史を教えたら東大に合格した』読書人 (2023) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ "散文は舞踊ではない。散文は歩む。そしてその歩み、あるいは歩み方によって、その所属する種族が判明する。頭に荷物をのせて運ぶ、あの住民にふさわしい均衡のように。" P187-188 『ぼく自身あ…
A. アウグスティヌスは、音楽論のなかで、ピタゴラスの音楽哲学を紹介、数学を算術、幾何、音楽、天文学の4つの学問にわけるべきだと述べています。さらに、音楽を正しい抑揚をつけるための科学であると定義しています。
★この記事を読むと、4世紀末に活動したキリスト教の教父アウグスティヌスの自伝的な作品『告白』が読みたくなります。 ★詳細はこちら→『告白 (アウグスティヌス) - Wikipedia』 ★詳細はこちら→『アウグスティヌス - Wikipedia』 (function(b,c,f,g,a,d,e){b.MoshimoAffiliateObject=a;b[a]=b[a]||function(){arguments.currentScript=c.currentScript||c.scripts[c.scripts.length-2];(b[a].q=b[a].q||[]).push(argume…
400年前後の4世紀から5世紀、西洋では何が起こっていただろうか。ヒエロニムス、アウグスティヌス、エフェソス公会議を取り上げる。次の流れで紹介していく。 ・ヒエロニムス・アウグスティヌス・エフェソス公会議・まとめ ■ヒエロニムス生没年は347年頃~420年。キリスト教の聖職者、神学者。ダルマティア、現在のクロアチアのアドリア海沿岸地域で生まれた。「ウルガータ」訳聖書のほか、多数の著作や書簡を残した。 修辞学、哲学を勉強するためにローマへと留学。ギリシア語を習得、古典の研究に没頭した。 373年ごろ重病にかかったのを起因とし、神学の研究を決意。シリアの砂漠で生活を送りながらヘブライ語を学ぶ。 3…
子どもの頃は「アーメン、そーめん」とかとバカにしていた記憶があるが、英語や世界史(特に西洋)を学ぶと、キリスト教に関する知識は無視できないものになった。それが、ここ15年くらいは、もっと知っておきたい存在になっていた。 たぶん、子どもをカトリック系の幼稚園に送った頃からだと思う。横浜という土地柄なのか、家から一番近い幼稚園はカトリック系だった。二番目も三番目も宗派は違うけど、キリスト教系だったはず。そもそも横浜には自治体運営の幼稚園はなく(たぶん、今もない)、家の位置から考えると、どこかしらのキリスト教系の幼稚園に送るしかなかった(仏教系があったが遠かった)。 キリスト教の核心をよむ NHK出…
アウグスティヌス(354 - 430)は、古代キリスト教の代表的な神学者・哲学者です。 このページでは、アウグスティヌスの思想をわかりやすく解説します。 また、アウグスティヌスの思想を現代社会で生かす方法を紹介します。 アウグスティヌスの思想 アウグスティヌスの思想を現代社会で生かす方法 アウグスティヌスのおすすめ入門書 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); アウグスティヌスの生涯と時代背景 アウグスティヌスの主な思想 神への愛(カリタス) 「神の国」と「地の国」 悪の問題 原罪 実践!アウグスティヌスの思想を現代社会で生かす方法…
アウグスティヌス著作集 第12巻 神の国 2作者:アウグスティヌス教文館Amazon 第6巻から第10巻までを収める。 ここまでが長大な『神の国』の前半。キリスト教への非難に対して反論しようとするものである。 ヴァロやプラトン派、特にポルフュリオスの著作を引きながら、キリスト教の立場から反駁を加える。これらの引用は、本書の他には伝承されておらず、古代の思想史研究にとっても重要な資料となっているらしい。 どうやらアウグスティヌスは異教徒の神々やダイモンたちを否定しているわけではない。それらは存在するであろう。しかし、それらを拝んだからと言って幸福にはならない。それらは神と呼べるものではなく、所謂…
unfreiefreiheit-aot.hatenablog.com 第一に、なぜエレンの過去干渉は過去を改変しないのでしょうか? 第二に、それにもかかわらず、エレンが過去に干渉することには、いったいどんな意味があるのでしょうか? 第一の疑問を、ここでは解き明かしてみましょう。 タイムトラベルと過去への干渉 ところで『進撃』は、タイムスリップや過去干渉モノのフィクションとしては、かなり異色な作品といえます。 なぜなら、過去に干渉できるくせに、過去をまったく改変しないからです。 そういう系の作品はふつう、未来を変えるために過去を操作するものだと相場が決まっているものではないでしょうか。 タイムト…
週末株式会社です。 プレミアムモルツ そよ風エール 日曜日の午後、サントリープレミアムモルツそよ風エールで乾杯しました。 世界を股にかけて活躍する ビジネスマンは、 「When in Rome, do as the Romans do」 と言うそうです。 日本語では、 「ローマではローマ人がするようにせよ」 ということわざです。 日本では、 「郷に入っては郷に従え」ですね! どちらも 「現地の習慣などに沿って 行動したほうがいい」を 示しています。 どうして英語では、 ローマが出てくるのでしょうか? 4世紀のキリスト教信者、 聖アウグスティヌスは ローマの教会で土曜日に 断食する習慣があったか…
出会いと思い出 愛することは理解すること 理解することは愛すること 認める心 信じる心 支える心 育てよう 健全育成 愛のスコール ようこそ完全愛情物語へ 安寧愛情物語より 愉快愛情物語と共に 貫く愛心愛情物語 愛好愛情物語を込めて 寄り添う愛嬌愛情物語 ときめく恋愛愛情物語 励まし合う愛 崇高な童心愛情物語 満ちる愛想愛情物語 愛の塊=自然笑顔=笑顔満開 夢体系 水産学磨きをする=農芸化学磨きをする=生命科学磨きをする=児童学磨きをする 経済学磨きをする=音楽磨きをする=商学磨きをする=幼稚園課程磨きをする 教育学磨きをする=地理学磨きをする=国際関係学磨きをする=小学校課程磨きをする 業界…
トマス・アクィナスの『神学大全』を読むと、以下のような論法がやけに目につきます。要約すると。 1 聖書には、「剣をとる者は剣に滅びる」と書かれている。ゆえに戦争は悪であると思われている。 2 しかし、アウグスティヌスの書によれば、戦争が悪なのは君主や教会に逆らう戦争に限ってだと書いてある。 3 ゆえに、君主や教会が命じる戦争は「平和的」なものであり、奨励すべきである。 文章はそのままではないけど(アウグスティヌス以外の神学者が引用されている場合もあります)、すべて「権威による論証」であり、まともな論理的証明ではありません。 トマス・アクィナスが聖書以上の権威を認めるアウグスティヌスとは一体。『…
読めたから何だっつー気もしますが。 ギリシア哲学のアリストテレスやイスラム神学からパクった、つっこみどころだらけの「神の存在証明」に始まり、詭弁の限りをつくして、中世ヨーロッパやキリスト教会の腐敗と不平等に満ちた現状を是認し正当化する、世界ねごと全集のような代物です。 前にも図書館でめくったことはあるし、とりあえず、第17冊(第2ー2部)の第40問題、「戦争について」だけ読み返してみました。 聖書には一見、「剣をとる者は剣に滅びる」と、戦争を否定しているように見える文句があるけれど、それは君主に逆らう戦争、正しくない戦争に限っての話なんであって、君主の命令による戦争や、教会が正しいと認めた戦争…
総括 哲学 私が哲学論文を書くときの過程 現前そのものへと目を向けること 読んだもの 山田俊弘『ジオコスモスの変容: デカルトからライプニッツまでの地球論』勁草書房, 2017. 論文 Goldie, Peter. (2009). “Narrative Thinking, Emotion, and Planning.” 活動 The Five Books モナドロジー講義の参加募集開始しました モナドロジー読書会のログを更新 学術バーQに遊びに行った その他 ※ブロック引用されている文章は、特に記載がない場合には自分のSNSからの引用 総括 連休中は明治学院大学以外の勤務がなかったので、普段と…
晴 27℃ 6時前に起床し二度寝。起きたら9時ごろ。 起き出して、バナナを頬張りながらレポートに取り組む。 The stage, my lords, and the press, are two of our out-sentries; if we remove them, if we hood-wink them, —— if we throw them in fetters, the enemy may surprise us. Therefor I must look upon the bill now before us as a step, and a most necessary …
【17:1】『ギルアデのティシュベの出のティシュべ人エリヤはアハブに言った。』 あのエリヤは、ここで初めて登場します。これまでの箇所では、エリヤが現われる前触れのようなことさえ書かれていませんでした。このエリヤは、多くの預言者の中で最大の預言者です。これは福音書から分かることです。キリストが山上で変貌された際、そこにモーセとエリヤが現われたからです。モーセは律法を象徴しており、エリヤは預言の象徴です。多くの預言者の中で、神はこのエリヤ一人を預言者の代表として選ばれたのです。ですから、エリヤこそ預言者の中で最大の人物だったことは間違いありません。このエリヤはイスラエルの東部地域である『ギルアデ』…
ちょっと脱線します。昨年2月に〈春と誕生〉のアブストラクトをアップしたのを皮切りに、これまで分析編を小出しにしてきたのですが、序文以降どなたからもコメントがいただけません。以前は結構いただけたのですが、まったくもって張り合いがありません。そこで、最近流行りのAI~チャットGPTに聞いてみることにしました。まずは、アブストラクトから…この論文は、ボッティチェリの〈春:プリマヴェーラ〉と〈ヴィーナスの誕生〉の謎に迫り、興味深い仮説を提案していますね。特に、〈春〉の右側の女性像についての新たな解釈は興味深く、その人物がプシュケであるという主張は、絵の細部とギリシア神話の要素とを見事に結びつけています…
西洋美学史 作者:小田部 胤久 東京大学出版会 Amazon プラトン、トマス・アクィナス、ライプニッツ、カント、ハイデガー、ダントー……古代ギリシアから20世紀にいたるまで、西洋の思考のうちに絵画、彫刻、建築、詩、小説といった「芸術」はどのように捉えられてきたのか。感性や美との関わりをふまえつつ、芸術の理念が変化してきた歴史を大胆に描きだす。アートや美について考えるための基本書。 第一章 知識と芸術――プラトン第二章 芸術と真理――アリストテレス第三章 内的形相――プロティノス第四章 期待と記憶――アウグスティヌス第五章 制作と創造――トマス・アクィナス第六章 含蓄のある表象――ライプニッツ…
1. エルサレム教会の成立 イエスを審問したポンテオ・ピラト(Pilatos,Pontios)は、ローマ帝国から任命された第5代の総督で、その任期は紀元26年から紀元36年まであったので、イエスがゴルゴタの丘で十字架刑にかかられたのは、その期間中であったという歴史的史実として認められる。しかし、正確な年代を決定することはできない。 十字架からおろされたイエスの亡骸は、ゴルゴタの丘に近い墓に葬られた。それはサンヘドリンの議員で金持ちであったアリマタヤのヨセフという弟子の所有する墓であり、まだ誰も葬ったことのない新しい墓であった。 すべてが終わったと思った弟子たちは故郷のガリラヤ地方に帰った者もあ…
目次 はじめに ドイツ語原文 ドイツ語文法事項 直訳/私訳 平凡社版 岩波版 講談社版 終わりに はじめに ここのところ Immanuel Kant の Kritik der reinen Vernenft のドイツ語原文 (とその仏訳) を読んできましたが、ちょっと疲れるので、趣向を変え、以前に Ludwig Wittgenstein の Tractatus を若干読んでみたことから、今度は彼の Philosophische Untersuchungen をドイツ語原文で味わってみたいと思います。もちろん大部の本ですから、有名な話題に言及しているセクションだけをいくつか読んでみましょう。 さ…
最近岸田政権の支持率がちょっと上がったようで、ちょっと上がって23%。それにしても上がって23%って……。これだけ支持率低迷が続いたのは初めてのことで、また支持率低迷が続いたまま政権が維持されているという事態も珍しい。最近は裏金問題とかがあって、派閥解散とか色々対処したりして、まあ派閥解散なんてのは過去にもあったことで、真面目に取り組んだのかそうじゃないのかよくわからんのだけれど。もっとも裏金問題以前から支持率は低迷していて、私なんかはそういう不正に怒りの声を上げるのってちょっとピントがずれてるんじゃないかと思ってるんだけれど。 まず誤解なく言わせてほしいのは、政治家の不正というのは今に始まっ…
最近、「熱心なクリスチャンだ」という割には聖書を読めていない人が多い気がする。実際、教会に行かないと聖書を開かない人が多い。しかし、ここで言いたいのはそういう話ではない。彼らには、ミサに与る前に聖書日課になる箇所を読んでから行け、というだけの話だからである。ここで問題にしたいのは、聖書は開くものの正しい読み方が出来ていない人たちである。 ここで悲しい現実をお伝えしよう。聖書は本来、世界中の人たちが理解できるようには書かれていない。聖霊に導かれて聖書を記した人々は、この聖なる教えを異教徒や邪な考えを持った人々には知られないように、信者にしか本当の意味が分からない暗号をふんだんに用いている。聖書の…
・「①」の「シネマ1 運動イメージ」へ ●「シネマ2 時間イメージ」より440本 ・101本目・201本目・301本目・401本目 ・本14冊 「フィルム」アラン・シュナイダー/ベケット/キートン より ・「①」の「シネマ1 運動イメージ」へ ●「シネマ2 時間イメージ」より440本 ※1985年出版。今リストは日本で2006年に刊行された版に基づく。 掲載情報内容は「①」に同じ | 愛と殺意(ある愛の記録/ある恋の記録) ミケランジェロ・アントニオーニ ある女の存在証明 ミケランジェロ・アントニオーニ 愛のメカニクス(メカニクス・オブ・ラブ) ウィラード・マース(Willard M…