法を哲学的に議論する。
主に大陸系(ドイツ)から始まったものを法哲学と呼び、英米系から始まったものを法理学ともいう。
ケルゼン・ハート・ドゥオーキンが有名。
法実証主義、リアリズム法学、分析哲学による法哲学など、法哲学はコスモポリタン化しているが、しかし、皆問題を共に共有しあっているので議論は活発。
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『リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください 井上達夫の法哲学入門』 井上達夫 毎日新聞出版 リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください 井上達夫の法哲学入門 作者:井上 達夫 毎日新聞出版 Amazon 「法哲学」。タイトルからしたら政治の話かと思ったのだが哲学だった。 現在の日本や世界の社会問題に関わることでもあるが、大小問わず大事なことが書かれていると思ってので抜き書き。 反転可能性 自分の他者に対する行動や要求が、自分の視点だけではなく、他者の視点からも拒絶出来ないような理由によって正当化できるかどうか、それを吟味しなさい。 自分は日々さまざ…
5月18日に両親と共に一家心中を図ったとみられる市川猿之助は一命をとりとめ、既に退院したという。 しかし、両親が死亡したのに一人だけ生き残った方が地獄だと、思わない人はいないだろう。 そしてまた、自宅の半地下室で彼と共に発見されたという「遺言書」の内容が、報道された。 それは、まさにこの心中事件の第一発見者である彼のマネージャー兼俳優に、「愛してる」「全財産を譲り渡す」というものだったらしい。 (⇒ 集英社オンライン 2023年5月20日記事:〈市川猿之助・自殺未遂〉発見者のマネージャー兼俳優に「愛している」と宛てた遺書と財産分与を示すメモが。俳優の母は「兄のように慕っていた」「昨日から連絡が…
本日、2023年4月11日(火)、拙著『日本の水商売――法哲学者、夜の街を歩く』(PHP研究所)が発売になりました。以下、著者解題に代えての簡単な本書の紹介です。 日本の水商売 法哲学者、夜の街を歩く 作者:谷口 功一 PHP研究所 Amazon この本は、二〇二一年一〇月末に札幌すすきのを取材で訪れたのを皮切りに始まった雑誌『Voice』での連載「コロナ下の夜の街」、全12回分+αをまとめたものです。以下から目次を見ることが出来ます。 一年以上にわたりコロナ禍の下の日本列島を縦断する旅から旅への取材の日々を書き綴ったもので、その意味ではノンフィクション(ルポルタージュ)あるいは紀行文的な色彩…
読んだ本 引用元:版元ドットコム つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ なし ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 後半は非常にややこしいがなんとか整理することはできた。 様々な研究者の論述を引用しながら責任の特定が不可能であることが見えてくる。 ・・・ まず運によって責任の大小が決まるという不合理が存在している。 端的に言えば、たまたま事件現場の近くに優秀な医者が通りがかって、運良く被害者の一命を取り留めた場合と、不運にも渋…
法哲学を専門にしている、英語の国際ジャーナルには以下のようなものがある。ひとまずこれらが、いわゆる「トップジャーナル」(少なくともそれに類するもの)といってよいものだろう。 Ratio Juris Oxford Journal of Legal Studies Law and Philosophy Legal Theory ARSP: Archiv für Rechts- und Sozialphilosophie Jurisprudence Canadian Journal of Law and Jurisprudence Journal of Legal Philosophy これはそのま…
【このブログの目的】 このブログの目的は社会一般のことに関して哲学、法哲学的な議論ができる場を作ることです。こういった学問はやはり一人で学ぶより議論を通してのほうが深められると思っています。なのでたくさんの人に気軽にコメントしてもらいたいと思っていますし、そういったブログにできるように頑張ります! ちなみに哲学、法哲学とは 哲学…理由付けについての理由付け、思考についての思考 (マルクス・ガブリエル)法哲学…法とは何か、法とはどうあるべきかだと考えています 【最近のふとした疑問】==eスポーツってスポーツ? そもそもスポーツって? 結論から言うとeスポーツはスポーツではないと思っています。まず…
こちらのつづきを読み進める。 nainaiteiyan.hatenablog.com 今回は死刑に関する対話で印象的であったことを書き残す。 池田氏は、死刑制度の是非に関しては「各々の思想」であると述べている。 死について考え抜いた哲学者でさえも、死刑制度に関して断言することは不可能と僕は解釈した。 僕はいったんゆっくり考え直した。 おそらく「必要悪」の部類であると考えられる。 池田氏は法律のない世の中が実現可能かどうかという問いに対して「不可能ではない」と述べた。 究極的には、善人で構成される共同体に法律という概念は不要であるという帰結なのかもしれないと僕は思った。 「悪」と分かっていながら…
高市早苗氏は、推薦人を確保できるのかどうか、的なレベルなのかと思っていたら、こういう形でトップのメもある? www.jiji.comただ、にぎやかしや議論の活発化、女性候補がいること自体を重視している可能性もあるので、はたしてどうか。ただ、ひとつだけいえるのは、…8月にこういうはてな匿名ダイアリーがバズった anond.hatelabo.jp そのブクマ [B! 増田] 2ヶ月後に「日本初の女性総理(100代目)」が誕生する自分は、コメントを残念ながら残していないが、こういう感想を当時持っていた。 「ははは、現実としてはあり得ないけど、政局予想記事ってのはむしろ架空戦記や伝奇歴史ものに近いもの…
以下の新聞記事へのレビューの形で、大屋雄裕氏が書いている。 ……別姓選択は国民のコンセンサスがないともいわれる。しかし、必要なコンセンサスとは夫婦が同姓か別姓かについてではない。別姓を望む一部の家族の願いを拒否すべきか否かである。そこまで他の家族の選択に干渉したい国民がどれだけいるのだろうか。 (略)別姓選択とは、夫と妻が同姓でなければならないという現行民法の規制を、自由に選択できるようにするだけだ。これにより、家制度を守りたい人と、壊したい人の双方を満足させることができる。他人に迷惑をかけない限り、個人や家族の選択肢は最大限に保障されることが民主主義の基本である。個人の自由を規制するにはその…
こういう本を読んだ。 同性婚論争:「家族」をめぐるアメリカの文化戦争作者:小泉 明子発売日: 2020/10/22メディア: 単行本わたしたちは「家族」になれるのか?◎アメリカ大統領選を左右する存在のひとつ、福音派 evangelicalと呼ばれるキリスト教右派はこれまで共和党の大票田として、同性婚、人工妊娠中絶、公立学校での祈りの実践、銃規制など文化的価値観のかかわる政治決定を左右してきた。◎本書は、アメリカを舞台に1950年代からはじまった同性愛者の権利運動が、福音派を中心とする保守から激しい反動(バックラッシュ)を受けながらも、いかに自分たちの権利向上を訴え、2015年に同性婚(婚姻の平…
記事の内容 私が興味を持っている分野、テーマを紹介します。そして、そのテーマごとに、読書記録をまとめることが狙いです。 つまり、この記事が、私自身の知の歩みのガイドラインとなります。ゆえに、極めて個人的な記録という傾向が強いです。 目次を見て興味がわくテーマがあれば、ぜひそのテーマの紹介記事をご覧ください。誰かの役に立つことを祈ります。 記事の内容 読書しているテーマ 言語と論理 思考法 哲学・思想全般 仏教哲学・瞑想 宗教論 神社・神道 心の哲学 人工知能・認知科学 脳科学・神経科学・意識の科学 心理学全般 進化心理学 身体性、身体知 生物学 進化論 数学読み物 大学数学入門 数理論理学 不…
はたして、万博をやることは投資になるのだろうか。 二〇二五年に関西で行なわれるのが、日本国際博覧会だ。 かなり難しいものなのが投資することだろう。それに成功するよりも失敗する見こみのほうが高い。 国が赤字をするのは原則としては禁じられている。その例外として、あとに残る建て物などは赤字が許されている。建設の国債だ。 万博で建てた建て物は半年したらとり壊されるのだという。形としてあとに残るものではないから、赤字が出たさいに正当化することはできそうにない。 主体についてを見てみると、国や大都市などの体制(establishment)は投資には向いていそうにない。すでに権力をにぎっている体制からはすぐ…
日本の水商売 法哲学者、夜の街を歩く 作者:谷口 功一 PHP研究所 Amazon 本書は、2021年10月末の札幌市すすきの取材から2022年12月半ばの東京銀座での取材まで、コロナ禍のなか、1年余りにわたって日本全国の夜の街をめぐり歩き、そこで営まれる水商売の姿を描き出したものである。…… コロナ禍の発生という未曽有の状況のなか、スナックを始めとする夜の街はきわめて大きな影響を蒙ってきたが、「自粛」や「営業の規制」など本業の法哲学者として専門的考究の対象ともなりうる諸事象と「夜の街」とがクロスオーバーしたのが、このコロナ禍の日々でもあった。 フリードリヒ・ハイエク、マイケル・サンデルから長…
第四 「満百千歳(まんひゃくせんざい=百千歳を満たす)」の事 御義口伝に云わく、「満」とは法界を満たすということである。「百」は百界をあらわし、「千」は千如を意味する。一念三千の哲理を、「満百千歳」と説くのである。一時も、一念も「満百千歳」であって、ともに十種の神力を現ずるのである。十種の神力とは、十界の神力、十界おのおののあらわす不思議な生命の力である。十界の各々の神力は、根本をたどれば一種の南無妙法蓮華経となるのである。 <講義より> 一瞬の時間に百千歳という長い時間をおさめ、一念に法界すなわち大宇宙をおさめるという、生命の不可思議を示されている。 このような生命の深秘は、仏の深い思索によ…
法学部生になった。大学に入学した。 なんだこいつ、去年のこの時期も大学院に入学していただろって感じだが、上述の通りである。正確には科目等履修生だから入学かと言われると少し怪しい気もしている。 慶應大学通信課程、法学部甲類。この選択が私の研究テーマに関するかはいまいちとしても、根本の問題意識としての科学技術の社会適用について、社会の仕組みである法学を体系的に学びたいと思ことをきっかけで法学部を選択した。 もともと慶應通信を選んだのは二重学籍が可能であるからだ。だから本当は昨年の秋か、この春に入学するつもりだったのだが、現在通っている大学院が二重学籍はダメだというので、仕方なく科目等履修生になった…
手をかざし一粒目の雨を受け取るそれは これから始まる雨の 雨の日がもたらす物語のはじまりそんな予感を手のひらに受け止めること 目をつむり一つ目の音を受け取るそれは これから始まる音の 音の連なりが紡ぐ音楽のはじまりそんな気配を心に受け止めること 何かが始まるそのときにそのときにしか生まれない心のゆらぎを大切にその場所でその時にその人としか作れない音楽を作りたいと願い、即興音楽を緒として各地を巡るプロジェクト「雨詠」。これは音楽家日吉直行の音楽を巡る思考の旅。 DAY1:6/9(日)フレンテホールスタジオf(兵庫・西宮)開場 14:00|開演 15:00 with りおまる(語り) DAY2:6…
* 訂正する力(2023年) 訂正する力 (朝日新書) 作者:東 浩紀 朝日新聞出版 Amazon ⑴「訂正可能性」から読み解く東思想 昨年、批評家デビュー30周年を迎えた東浩紀氏は1993年にかつての「ニューアカデミズム」を牽引した柄谷行人氏と浅田彰氏が編集委員を務める『批評空間』からデビューし、1998年にはフランス現代思想におけるポスト構造主義を代表する思想家であるジャック・デリダを斬新な観点から読み直した初の単著『存在論的、郵便的』が浅田氏の激賞とともに世に送り出され、現代思想シーンにおける気鋭の論客として一躍、斯界の脚光を浴びることになりました。 ところがゼロ年代における東氏の仕事は…
こんにちは。冨樫純です。 倫理学に興味があり、それに関連する本を読んでいます。 そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。 タイトル 人間はどこまで合理的か 功利主義的な公衆衛生活動には二つの志向があった。 筆者は、チャドウィックが体現していると考えられる権威主義的な公衆衛生活動は今日においては現実的ではないと考える。 そこで、ミルの自由主義的な公衆衛生活動を修正することにより、現代の公衆衛生活動を基礎づける規範理論を提示したい。 近年注目を集めている政治哲学的な立場に、リバタリアン・パターナリズムがある。 これは、政府は人々が自らの最善の利益を追求できるよ…
新しく法を作る。そうすれば、政治のうら金の再発を防げるのだろうか。 よりよい法に改めて行く。法の決まりを改善しさえすれば、政治のうら金が作られることを防げるのかといえば、そうとは言い切れそうにない。 制度の正義なのが、法の決まりだ。正義とは、社会における平等のことをさす。 不平等なのが明らかになったのが、政治のうら金だ。与党である自由民主党にだけ甘い。それいがいにはきびしい。上には甘くて、下にはきびしい。平等ではないのがろていしている。 まだないものではなくて、すでにある制度がある。げんにあるものとしては、いまの日本の憲法がある。憲法では平等がよしとされている。不平等がいましめられている。そう…
暑くなったり寒くなったりしつつ早いもので世の中は新年度ですが、まだまだ旧年度の新刊が睨みを利かせています。年度の切れ目など、人類そして宇宙の歴史の前では何の意味も持たぬ区切りにすぎない……人類の営みとは……などと紋切り型の詠嘆をたわむれに捻りつつ、2024年3月の気になる新刊をどうぞ。 嘘つき姫 作者:坂崎かおる 河出書房新社 Amazon 2020年より、SFを中心とした様々なコンテストに入賞してきた新鋭の初の単行本が登場。岸本佐知子・小山田浩子・斜線堂有紀という豪華作家陣が推薦コメントを寄せている。 しをかくうま (文春e-book) 作者:九段 理江 文藝春秋 Amazon 今年2月に『…
多くの子どもたちや女性たちが、パレスチナでは殺されている。 イスラエルによってパレスチナの子どもたちや女性たちが殺されているが、その中で子どもに目を向けてみるとどういったことが見えてくるだろうか。 大人と子どもを比べてみる。子どもよりも大人の悪さが浮かび上がってくるのがある。 パレスチナの子どもたちは、成長して大人になったら暴力主義者(terrorist)になるかもしれない。暴力主義者になるのをあらかじめ防ぐのだとして、イスラエルはパレスチナの子どもたちを殺す。子どもを殺すのを正当化している。 どういうのが悪い人なのだろうか。悪い人とは、力をもった子どもだ。子どものような大人である。 じっさい…
Coarse Effect理論に触発されたCalabresiとMelamedが提唱した当理論の実装手段には、 property rules(財産規則) liability rules(責任規則) inalienability rules(譲渡不可規則) の3種があるということです。その詳細をChatGPTに聞いてみました。 Coarse Effectを実装する手段として、CalabresiとMelamedが提唱した区分に“property rules”と“liability rulesがあるそうです。ご存知なら概要と、実際の適用状況とを教えていただけませんか? 財産規則と譲渡不可規則の例も教え…
ども!! 令和5年度も最終日となる3月31日、皆さんいかがお過ごしでしょうか。元気ですか!! 明日から新年度ですよ。準備はいいですか。明日はエイプリルフールでもありますね。嘘の準備はできてますか。エイプリルフールって嘘をついて仕事を休んだりしてもいいんでしょうか。多分ダメですよね。 今日は皇居のあたりに散歩に行きました。このビル群、ちょっと『500日のサマー』でサマーがトムの腕に描いていたやつに似ていると思いましたが、改めて見ると全然そんなことはなかった。 この頃、暖かい春の訪れを感じつつ、東京で働き始めてもう1年が経つんだなあという感慨に浸っています。正直めちゃくちゃあっという間でした。もう…
かつてあった哲学の勉強会の話。 今から10年以上前、数年間(2014~2016)にわたってとびとびで地元の哲学カフェに通った。今人気の哲学風議論のカフェではなくて、哲学書の翻訳文を月二回地道に読んでいく会だった。主催は、在野の哲学者にして市民運動家の清水先生。ドイツ留学の経験がありフィヒテの研究で博士号をもっている本格的な哲学者だ。 最初はカントの平和論を読んで、次はヘーゲルの法哲学を読んだ。正式な哲学教育を受けたことのない僕には勉強になる会だった。本文を順番に朗読したあと質疑の中で清水先生が「正解」を説明するという厳格なスタイルだった。ただし、市民運動家としての顔をもつ主宰者は机上の学問を嫌…
再び起きてしまうのを防ぐ。そのために、法の決まりを作って行く。政治のうら金のことでは、それがいるのだとされているのがある。 再発をふせぐために、法の決まりを作ることが、うら金のことにおいてもっともいることなのだろうか。制度を作りさえすれば、再びうら金を作られることが起きなくなるのだろうか。 うら金を作っていたのが与党である自由民主党の政治家たちだ。野党は自民党のうら金の政治家たちを批判するのではなくて、法の決まりや制度を作って行くことをしなければならない。自民党を批判ばかりしていないで、野党はかんじんなことをやるべきだ。そう言われているのがある。 何が欠けているのかを見てみたい。うら金のことに…