(政界地獄耳)岸田に総裁資格なし、疑惑に政権批判もせず - 日刊スポーツ(2018年3月14日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201803140000168.html
http://archive.today/2018.03.14-091508/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201803140000168.html

★1998年、大蔵省接待汚職事件が発覚。東京地検特捜部は大蔵省4人、大蔵省出身の証券取引等監視委員会の委員1人、日本銀行1人、大蔵省OBの道路公団理事が逮捕・起訴された。結果、大蔵省は計112人の処分を行い、当時の蔵相・三塚博日銀総裁松下康雄引責辞任。大蔵省銀行局金融取引管理官、日銀理事、第一勧銀元頭取ら自殺者も相次いだ。大蔵省が解体され財務省金融庁に分離した。いわゆるノーパンしゃぶしゃぶ事件である。
★12日、「由々しき問題」と陳謝した副総理兼財務相麻生太郎は当時の事件と重ね合わせた記者の質問に「問題の本質はまったく違う」と答えたが、エリートの転落の本質は変わらない。違うとすれば部下をかばわず、捜査中としながら元理財局長・佐川宣寿の責任と断言、自らの進退を考えない大臣の不遜さだろう。一方、麻生は週末からロンドン経由で出席予定のアルゼンチンでの主要20カ国・地域(G20)財務相中央銀行総裁会議を欠席すると伝えられた。
★一連の疑惑について、また財務省の文書改ざんについては自民党幹部や閣僚からも厳しい声が聞かれる。ところが麻生が後ろ盾ともいわれる党政調会長岸田文雄がこの問題についてほとんど発言していない。自民党関係者が言う。「このままではもう安倍内閣はもたない。場合によっては内閣総辞職を受けて今月25日の党大会が両院議員総会に早変わりする可能性もある」。そのために政権批判もせず何も言わないとするならば、次期総裁にエントリーする資格があるのだろうか。また、ひとえに次期政権はこの疑惑の徹底解明が役割となるはずだ。それに触れずに総裁の座を狙うのはおかしい。20年前の汚職事件から財務省自民党も学習していない。(K)※敬称略

佐川・前国税庁長官、国会招致へ 自公、容認で合意 - 朝日新聞(2018年3月14日)

https://www.asahi.com/articles/ASL3G33WJL3GUTFK005.html
http://archive.today/2018.03.14-034938/https://www.asahi.com/articles/ASL3G33WJL3GUTFK005.html

財務省森友学園との国有地取引に関する決裁文書を改ざんしていた問題で、改ざん当時に財務省理財局長だった佐川宣寿・前国税庁長官が国会に招致される見通しになった。自民、公明両党幹部が14日、必要があれば国会招致を容認することで合意。自民党森山裕国会対策委員長立憲民主党辻元清美国対委員長に伝えた。
自民、公明両党の幹事長、国会対策委員長が14日朝、東京都内で会談し、対応を協議した。公明党大口善徳国対委員長によると、同党の井上義久幹事長が「佐川氏の関与は国民の関心事だ。与野党でしっかり協議して、国会招致は必要があれば応じることも考えなければならない」と提案。自民党二階俊博幹事長が「その通りだ」と同意したという。
自民党の森山氏は会談後、記者団に「審議を通じて必要性が出てくれば協議したい。我々は(招致を)拒否しているわけではない」と説明。大口氏も14日に開かれている参院予算委員会の審議を見つつ、「必要があれば、真相解明のために野党にも出てきていただき、協議をしていこうと呼びかけたい」と語った。
与党側はこれまで佐川氏の国会招致に否定的だった。だが、改ざん問題をめぐる安倍政権への批判が厳しさを増す中、立憲民主党など野党6党が国会審議に復帰するには佐川氏の国会招致が最低限必要だと主張していることなどを踏まえ、容認姿勢に転じた。
一方、立憲の辻元氏は森山氏との会談で、佐川氏の国会招致について「一歩前進」と評価しつつも、自民と立憲の幹事長レベルで調整するよう要請した。さらに辻元氏は真相解明には安倍晋三首相の妻昭恵氏の招致も必要だと指摘。森山氏は回答しなかったという。
佐川氏の国会招致をめぐっては、野党6党は虚偽の証言をしたら罪に問われる可能性のある証人喚問を求めている。今後、野党が協議に応じれば、与野党で具体的な招致時期や方法などが話し合われる見通しだ。
14日の参院予算委では首相は改ざんについて、「私から文書の書き換えを指示したことは全くございません」と述べ、自身の関与を否定。麻生太郎財務相は「(改ざんは)理財局において行われた」と改めて説明し、麻生氏が指示したかについては「ご指摘は当たりません。ありません」と否定した。自民党西田昌司氏の質問に答えた。
また、財務省が12日に公表した調査結果について、首相は国有地売却について「書き換え前の文書を見ても、私や私の妻が関わっていないということは明らかだろうと思う」と述べた。西田氏が改ざん前の文書に、学園側から「安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉をいただいた」と伝えられたとの記載があったことを引き、事実関係をただしたのに答えた。首相は「妻に確認した。そのようなことは申し上げていないということだった」と説明した。
14日の予算委には自民、公明両党のほか、日本維新の会参院会派「無所属クラブ」は出席。民進共産党などは国会審議に応じられる状況ではないとして欠席した。

少年刑務所で「80代受刑者」死亡に驚きの声…知られざる実態 - 弁護士ドットコムニュース(2018年3月13日)

https://www.bengo4.com/internet/n_7542/


佐賀少年刑務所で2月16日、80代の男性受刑者がけいれんを起こし、搬送先の病院で死亡した。ネットでは「少年刑務所」と「80代の受刑者」という対極の組み合わせに疑問を持ったユーザーも少なくないようだ。

実は少年刑務所に「少年」はほとんどいない。法務省によると、2016年の少年刑務所の入所者数は2609人。20歳未満は12人(0.46%)だけ。一部の重大犯罪を除けば、少年院に入ることが多いからだ。

少年刑務所には「少年」よりも「高齢者」の方が多い
少年刑務所は、全国に6個所(函館・盛岡・川越・松本・姫路・佐賀)あり、「受刑者の集団編成に関する訓令」と、その「運用について」で対象が決まっている。

入所者の年齢は26歳未満が基本だが、割合で行くと1382人(52.97%)で半数に過ぎない。残る半分は、犯罪傾向が進んでいない26歳以上が中心だ。刑の確定後、地域性なども加味され、施設が決まるという。

65歳以上の高齢者が84人(3.22%)おり、「少年」よりも多いという。年齢構成は次の通り。10代=12人、20〜25歳=1370人、26〜29歳=415人、30代=315人、40代=250人、50代=126人、60代=72人、70歳以上=49人。

少年刑務所は一般の刑務所に比べて、矯正処遇が手厚い。未成年の受刑者には、個別に担任がつくなど、特に配慮されているという。

成人した受刑者についても、職業訓練などが充実。教育が十分に受けられなかった受刑者を対象に、中学や高校の教科指導が受けられるところもある。松本少年刑務所内にある「旭町中学校桐分校」は、2010年に『塀の中の中学校』としてドラマ化された。

●刑務所の入所者数が激減
刑事施設(刑務所・拘置所)の入所受刑者は年々減っている。矯正統計調査によると、刑事施設全体では、2012年末の5万4116人から2016年末には4万4911人に減少。一方、70歳以上は2750人から3104人に増えた。

少年刑務所もこの間、受刑者が大幅に減り、2017年3月には奈良少年刑務所が閉鎖された。法務省によると、少年刑務所の高齢者率は上がっているといい、今後も上昇が予想される。

隠ぺい体質の政権 「ない」文書次々見つかる - 東京新聞(2018年3月14日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201803/CK2018031402000139.html
https://megalodon.jp/2018-0314-0905-21/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201803/CK2018031402000139.html


学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、財務省が決裁文書の改ざんを公表した。同省は、文書の書き換えの疑いが報道された直後、書き換え前の文書の存在を認めようとしなかったが、最終的に大幅な改ざんを認めざるを得なくなった。安倍政権では、政府が「ない」と説明した文書が、後に見つかる事例が相次いでおり、野党は「政権の体質だ」と批判を強めている。(清水俊介)
決裁文書を書き換えた疑いがあるとの朝日新聞報道を受け、財務省は六日、文書の原本を大阪地検特捜部に提出したなどとして、「直ちに確認できない」と国会に説明した。しかし、与野党から批判が集まり、十四件の文書で改ざんがあったと十二日に公表した。
政権にとって都合の悪い文書の存在を後から明らかにする−。こんな事例を安倍政権は繰り返してきた。
自衛隊南スーダン国連平和維持活動(PKO)で発生した大規模衝突の様子を「戦闘」と記した日報について、防衛省は「廃棄した」と説明していたが、電子データが残っていた。日報問題の監督責任などを理由に、稲田朋美防衛相(当時)が辞任した。
学校法人「加計(かけ)学園」問題では、「総理の意向」と記された文書について、菅義偉(すがよしひで)官房長官が「怪文書みたいだ」と存在を否定。その後、文部科学省の再調査で見つかった。菅氏の「怪文書」発言は、都合の悪い情報に正面から向き合おうとしない政権の姿勢として批判を集めた。
最近では、裁量労働制に関する調査に不適切なデータ処理が見つかった問題で、加藤勝信厚生労働相が調査原票について「なくなった」と国会で答弁していたが、後日、厚労省の地下倉庫で見つかったとして陳謝した。

 

怒り聞こえてますか 改ざん300カ所 - 東京新聞(2018年3月14日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201803/CK2018031402000169.html
https://megalodon.jp/2018-0314-0906-26/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201803/CK2018031402000169.html


森友学園の決裁文書改ざん問題で、首相官邸や国会周辺では、十三日夜も千人以上の市民による抗議活動が続き、安倍首相と麻生太郎財務相の辞任や、首相の妻、昭恵氏らの証人喚問を求める声が渦巻いた。
議員会館前では「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」による抗議活動が日中に続いて開かれ、約千人(主催者発表)が「文書改ざん徹底糾弾」「疑惑の隠蔽(いんぺい)許さない」と声を合わせた。マイクを握った法政大学法学部の山口二郎教授は「日本が腐って崩れ落ちていく大きな危機。このようなことがまかり通ったらどうなる」と指摘。評論家の佐高信氏は「文書の改ざん、削除が行われたが、削除すべきは安倍(首相)、麻生(財務相)、昭恵(氏)」と厳しく批判した。
官邸前では打楽器のリズムとともに、首相辞任を求めるコールなどが続いた。元「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)」メンバーの都内の大学四年、植田千晶さん(22)は「普通の民主主義国家に育ったと思っていたが、答弁に合わせるために決裁文書を改ざんするのはおかしい」と話した。

18歳成人国会議論へ 責任を背負う重さも - 東京新聞(2018年3月14日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018031402000173.html
https://megalodon.jp/2018-0314-0907-59/www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018031402000173.html

成人年齢を二十歳から十八歳に引き下げる−。民法改正案を閣議決定した。国法上の統一が狙いだが、責任も丸ごと背負う。慎重な議論が必要だ。
「大人」とは辞書にはこうある。「十分に成長した人。一人前になった人。成人」(広辞苑
大人になれば、自分の責任で何でもできる。選挙権も得るし、いろいろな契約も一存でできる。競馬も競輪もできるし、たばこも酒も…。そんなイメージだった。成人、すなわち大人には、分別があるという意味も加わっていたはずである、昔は。

◆成人を狙う悪徳業者
だが、十八歳とは高校三年生のうちに達する年齢である。既に選挙権年齢は十八歳になった。成人年齢も十八歳に引き下げたら、もう大人になったのだからという口実で、高校生が酒を飲み、たばこを吸って、馬券を買うのか?
まさか、そんなことにはならない。たばこや飲酒、競馬などの公営ギャンブルは二十歳以上を維持する。結婚年齢は男女とも十八歳に統一する法案が出ている。
顕著に違いが出るのが、十八歳で成人になると自分の意思で契約できるようになることだ。
身近なケースだと、未成年者は自分でアパートを借りる契約ができない。十八歳成年になれば自分で契約ができる。親の同意がなくても、一人で高額な商品などを購入する契約が可能になる。ローンやクレジットカードなどの契約もある。
だが、実は契約ができる年齢を狙った消費者被害が多い。国民生活センターの二〇一五年の調査によれば、マルチ取引の相談件数は「二十歳〜二十二歳」が「十八歳〜十九歳」の一二・三倍。二十歳になったとたん若者がマルチ取引の勧誘にあっているわけだ。ローンなどでも、ほぼ同じ比率でトラブル相談が増加している。

◆「契約」に80%が反対
十八歳成人になると、現在の「未成年者取り消し権」がなくなる。現行では未成年者が高価な買い物をするときは、原則、親の同意が必要で、同意がなければ、契約を取り消すことができる。だが、十八歳成人の場合は、成人なので取り消すことができない。
内閣府が一三年に行った世論調査がある。「十八歳、十九歳の者が親の同意がなくても一人で高額な商品を購入するなどの契約をできるようにすること」について問うた。賛成はわずか18・6%。反対は79・4%だった。
悪徳商法に狙われる−。それを敏感に感じ取った数字だろう。このため政府は改正消費者契約法案を出している。「困惑する状況で結んだ契約」を取り消せる規定を盛り込んだ内容だ。悪徳業者による消費者被害を防止するための法案である。
果たして有効な対策になるか。他の対策もあろうが、深刻な事態を引き起こさぬよう政府はよほど慎重に考えないと、新たな被害を生みかねない。国民の懸念は極力払拭(ふっしょく)してほしい。
また少年法への波及を恐れる。刑罰よりも保護が適切という精神で、少年の立ち直りを第一に考える法だ。だから少年事件は科学的見地から鑑別調査が行われ、家庭裁判所がその少年にとって最善の処遇方法を決める。法の趣旨から、今回の法案に同調するように、少年法の対象年齢も引き下げることには反対する。
確かに諸外国では十八歳成人のケースが多い。日本の場合はまず国民投票法で十八歳ありきでスタートし、選挙権、そして国法上の統一性というテーマから成人年齢も引き下げる流れだ。少子高齢化の中で若い年齢の社会参加という意味もあろう。
むろん十八歳を成人とすることで、大人の自覚を促す含意もある。それは期待したい。選挙権を持っているのだから、政治的な意見を持ち、意見を表明する権利ももちろんある。
社会的に独立した人格であり、尊重されねばならない。そのような意味で、諸外国と同様に十八歳を成人とすることに賛同する気持ちも十分理解する。
今や大半が大学や専門学校などへ進学する時代だ。経済的に十分自立していない若者をどう見るか。そんな論点もあろう。

◆二十歳とは徴兵の年
二十歳成人のルールは、一八七六(明治九)年の太政官布告までさかのぼる。近代の国民国家で成人が持つ意味の一つに徴兵がある。成人になれば、兵役の義務が多くの国にあった。日本でも同じだった。
赤紙」と呼ばれた召集令状が来たのは二十歳の成人から。十八歳成人に若者の社会参加という明るいイメージを持つか、それとも−。成人のルール変更は、国民の意識や文化まで影響するテーマだ。拙速だけは慎みたい。

消費者保護の検討会設置へ 「18歳成人」22年施行目指す - 東京新聞(2018年3月14日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201803/CK2018031402000144.html
https://megalodon.jp/2018-0314-0909-11/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201803/CK2018031402000144.html


政府は十三日、成人年齢を二十歳から十八歳に引き下げる民法改正案と関連法の改正案を閣議決定、国会に提出した。今国会で成立させ、二〇二二年四月施行を目指す。十八歳を成人年齢とする国は多く、大きな異論はないとみられるが、悪質契約からの若年層保護の在り方などが議論になりそうだ。政府は民法改正後、二十歳未満から十八歳未満に適用年齢を引き下げる少年法改正を検討しているが、反対意見は根強い。
成人年齢引き下げは、既に十八歳以上に引き下げた選挙権年齢と合わせ、少子高齢化が進む中で若者の積極的な社会参加を促す政策の一環。
引き下げの議論は、憲法改正手続きを定める国民投票法が成立した〇七年に本格化。同法の付則に成人年齢見直しが明記され、諮問を受けた法制審議会は〇九年十月に「引き下げが妥当」と答申したが、関係する法令が多く、改正案の国会提出がずれ込んでいた。
不安をあおる商法や恋愛感情を利用するデート商法などで結んだ契約を取り消せる規定を盛り込んだ消費者契約法改正案と共に今国会で審議される。政府は近く消費者被害拡大防止策などを議論する省庁横断型の検討会を設置する予定だ。
一方、少年法については、一七年二月に当時の金田勝年法相が十八歳未満への適用年齢引き下げを法制審に諮問し、現在も議論が続いている。政府内には民法改正と合わせ、二二年に同時施行したいとの考えもあるが、日弁連を中心に「更生の機会が奪われる」といった反対も多く、意見の集約は難航しそうだ。

◆若者狙う悪質商法懸念
成人年齢を二十歳から十八歳に引き下げる民法と関連法の改正案が十三日、国会に提出された。引き下げに当たっての懸案は、悪質商法からの若者保護だ。一足先に国会へ提出された消費者契約法改正案では、不安をあおるなどして結んだ契約を取り消せる規定を盛り込んだが、専門家からは「対策が不十分だ」との指摘が出ている。

■取り消し権
「新たに成人となる若者を狙った消費者被害が増える可能性がある」。仙台市で七日に開かれた成人年齢引き下げの問題点を議論するシンポジウム。弁護士が市民らに懸念を訴えた。
成人年齢が引き下げられると、十八、十九歳も親の同意なくローン契約を結んだり、クレジットカードを作成できたりする。
社会経験の乏しい若者保護のため、内閣府消費者委員会の専門調査会は、消費者契約法改正案の内容を議論。不安をあおる商法や、恋愛感情を利用するデート商法など、悪質な手法によって結ばれた契約は取り消せる規定が必要との報告書をまとめた。
調査会では二十歳未満や高齢者を対象に「年齢による判断力不足につけ込んだ契約」の取り消し権も追加すべきだとの意見があったが、自由な経済活動が妨げられるとの異論が出て、報告書には入らなかった。

■ターゲット
国民生活センターによると二〇一一年度以降、十八、十九歳からそれぞれ年間五千件程度の相談が寄せられている。しかし、親の同意の必要がない二十〜二十二歳では、各相談件数が年間八千件程度に増加する。

 成人年齢を引き下げると、十八、十九歳が悪質業者の新たなターゲットになる恐れがあり、主婦連合会の河村真紀子事務局長は「高校生を含む十八歳で契約社会に放り出される影響は大きい。せめて二十歳未満の取り消し権は認められるべきだ」と訴える。

■消費者教育
成人年齢引き下げに向け、重要になりそうなのは消費者教育だ。消費者庁は高校生向け教材「社会への扉」を作成。「商品を買ったが使う前に不要になった。解約できる?」「年利17%の返済総額は?」といったクイズを盛り込み、契約や融資の基礎知識を学べる内容で、一七年度は徳島県の高校で使用した。二〇年度中に全国の高校に活用を広げたい考えだ。
ただ、「脱ゆとり教育」が進み、学習内容が増えている高校で、消費者教育にさらに時間を割くのは容易ではないとの声も出ている。仙台市のシンポジウムに参加した高校教員は「新指導要領への対応や研修に追われ、さらに消費者教育にも力を入れるよう言われても対応に限界がある」と困惑していた。

(筆洗)成人年齢を二十歳から十八歳に引き下げる - 東京新聞(2018年3月14日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2018031402000127.html
https://megalodon.jp/2018-0314-0910-48/www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2018031402000127.html

十七世紀のスペイン最大の画家ベラスケスが描いた、「フェリペ・プロスペロ王子」の肖像画。当時、二歳のハプスブルク家の王子が女の子の服を着ている。
魔よけの意味らしい。女児に比べ男児の死亡率が高く、女の子の服で悪魔の目を欺こうとしたようだ。中野京子さんの「『怖い絵』で人間を読む」にあった。
問題はその服。その時代の子供服は大人の服をそのまま小さく仕立てたものにすぎない。病弱な王子にとって不幸なのはコルセットで胸をきつく締めつけた服が当時の大人の流行だったこと。二歳の男の子にはその大人の服がいかに窮屈だったことか。
十八歳といえばまだ自由で気楽な服を着ていたいかもしれぬが、窮屈な大人の服を二年早く着ることになるのか。政府は成人年齢を二十歳から十八歳に引き下げる民法改正案を閣議決定した。成人を二十歳とした、一八七六年以来の見直しである。
投票年齢はすでに十八歳以上になっている。十八歳成人は世界の大勢であり、少子高齢化が進む中、若者の社会参加を早める意味もあろう。が、なんだか、この話、子ども時代という「夏休み」を二年短縮するようで、大人としては申し訳ない気もする。
「成人とは人に成ること」と谷川俊太郎さんが書いていたが、それがいかに難しいことか。その旅に二年早く追い立てられる。しかもお酒は今まで通り二十歳から。

(余録)歯からのゲノム情報を解析して… - 毎日新聞(2018年3月14日)

https://mainichi.jp/articles/20180314/ddm/001/070/078000c
http://archive.today/2018.03.14-001016/https://mainichi.jp/articles/20180314/ddm/001/070/078000c

歯からのゲノム情報を解析して復元された縄文時代の40歳代女性の顔の写真が報じられた。髪はちぢれ、瞳は明るい茶色というのが遺伝子から得られた情報という。縄文のご先祖様ににわかに親近感がわいた。
それで思い出したのは縄文時代には男女共に抜歯、つまり特定の歯を人為的に抜く習慣があったという話である。抜くのは犬歯、切歯など時代と地域でさまざまだが、この習慣は東日本から西日本へ広がり弥生時代まで続いたそうだ。
痛さを想像するだけで背筋が寒くなるしきたりは何のためだったのか。有力なのはやはり成人になる試練だったとの説のようだ。出土する骨には15歳ぐらいのものから抜歯の痕があるので、成人年齢もそのぐらいだったと推定される。
こんな成人式のあった世に生まれなかったのを感謝せねばならぬ今日の若者である。しかし現代の契約社会が大人になったばかりの若者にいつも優しいとは限らない。成人年齢を18歳に引き下げる民法改正の今国会成立が目指される。
この改正でローンやクレジットを含め、18歳になれば親の同意なしに契約できるようになる。女性が結婚できる年齢は16歳から18歳へと引き上げられ、男性と同じになる。ただし喫煙や飲酒などは今までと同じ年齢制限が維持された。
すでに選挙権のある「18歳以上」だから、市民たる法的権利は持って当然だろう。ただそのための消費者教育、市民教育は欠かせない。一人前になるためにくぐり抜けてもらわねばならぬ試練は今もある。

(大弦小弦)「先輩や友人から名義を貸してと頼まれたら、どう答える?」… - 沖縄タイムズ(2018年3月14日)

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/222524
https://megalodon.jp/2018-0314-0912-27/www.okinawatimes.co.jp/articles/-/222524

「先輩や友人から名義を貸してと頼まれたら、どう答える?」。首を何度もひねった末に男子高校生が出した答えは「やっぱり貸すかも」。県立高校で卒業前の生徒を対象にした金融トラブルセミナーの一こま

▼ローンに不慣れで社会経験が少ない若者を狙った名義貸しやアルバイト詐欺などの対策の講話だった。被害に遭わないための断り方や知識など、取材する方も勉強になった

▼こうした消費者被害を防ぐ対策がもっと必要になるだろう。成人年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正案が閣議決定された。成立すれば18、19歳でも親の同意なしにクレジット契約を結んだり、お金を借りることができるようになる

▼選挙権年齢の引き下げなど若者の社会参加の流れも後押しし、明治時代から続く「大人の定義」が変わる。男女の年齢差に合理性がなかった結婚年齢の統一も盛り込まれ、改正の意義も大きい

▼消費者保護関連の法案も議論されるが、詐欺被害に遭いやすい若者のSNSの利用実態などに合わせたきめ細かな対策が求められる。教育の充実も当然ながら、自立と保護の両面から新成人を迎えることが、現行の「大人」の責任だろう

▼残念ながら若年者の消費者トラブルも、その加害者は「大人」。改正案の議論が、新たな「大人」の手本となることを期待したい。(赤嶺由紀子)

大崎事件再審 証拠の弱さは明らかだ - 朝日新聞(2018年3月14日)

https://www.asahi.com/articles/DA3S13401074.html
http://archive.today/2018.03.14-001328/https://www.asahi.com/articles/DA3S13401074.html

疑わしきは被告人の利益に。
この言い古された、しかし、多くの過ちを経て、先人がたどりついた知恵に基づいて、検察は行動すべきだ。
39年前、鹿児島県大崎町で男性の遺体が堆肥(たいひ)置き場の土中から見つかった事件で、殺人などの罪で服役した親族の女性(90)について、福岡高裁宮崎支部は裁判をやり直すべきだと判断した。昨年6月の鹿児島地裁に続く再審開始の決定である。
地裁の証拠評価や論理を厳しく批判しつつ、異なるアプローチで同じ結論を導き出した。
地裁は、弁護側が提出した「供述心理鑑定」を採用して開始決定を出した。有罪の支えになった関係者の供述を心理学的に分析し、その信用性に疑問を投げかけるものだった。
高裁はこれを「手法も内容も不合理だ」と退け、かわりに地裁がさほど重きを置かなかった法医学鑑定に着目した。
男性の死因は自転車事故などで起きる出血性ショック死の可能性が高いとする鑑定結果を、「合理的な推論で十分に信用できる」と判断。「タオルで力いっぱい首を絞めて殺害した」と認定した確定判決は、見直されるべきだと指摘した。
検察当局には異論があるだろう。だが考えるべきは、この事件で有罪に疑いを唱える司法判断は三つ目になるという点だ。今回は3度目の再審請求だが、第1次請求(95〜06年)のときも、後に高裁で取り消されたものの、いったんは地裁が再審を始める決定を出している。
裁判所の見解がこれほど揺れる事件は珍しく、それだけ証拠が脆弱(ぜいじゃく)と見るべきだ。共犯とされた関係者3人には知的障害があり、供述内容も不自然だったり、説明のつかない変遷をたどったりしている。捜査員による誘導が疑われる典型例だ。
事故死だとすればなぜ遺体が堆肥置き場から見つかったのかなど、不可解な点は残る。だがその責めを負うのは捜査当局であり、元被告の女性ではない。公益の代表者と位置づけられる検察は、罪のない人の救済という再審の目的を踏まえ、裁判のやり直しに応じるべきだ。
今回も再審段階での証拠の扱いが課題になった。鑑定のもとになった遺体写真は、第3次請求になってようやく、裁判所の勧告をうけた検察側がフィルムを開示して明らかになった。
社説でくり返し主張してきたように、現場の運用・裁量に委ねるのではなく、法律を整備して再審におけるルールづくりを急がなければならない。法治国家として当然の務めである。

(辺野古訴訟却下)問うべきこと問われず - 沖縄タイムズ(2018年3月14日)

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/222531
https://megalodon.jp/2018-0314-0918-18/www.okinawatimes.co.jp/articles/-/222531

問うべきことが問われず、門前払いとなった。
名護市辺野古の新基地建設を巡り、無許可の岩礁破砕は違法として、県が国を相手に破砕を伴う工事の差し止めを求めた訴訟の判決が13日、那覇地裁であった。森鍵一裁判長は県の訴えを却下した。
県が岩礁破砕を伴う工事の一時的な禁止を求めていた仮処分申し立ても却下した。
争点は主に二つ。
一つは県の訴えは裁判の対象になるかどうか。入り口論である。
那覇地裁は、自治体が条例や規則に従わせるよう求める訴訟は起こせないとする2002年の最高裁判例を引用し「県の訴えは不適法」と退けた。国の主張を全面的に認めた。
もう一つは、国の埋め立て工事で海底の岩礁破砕に伴い、県知事の許可が必要かどうかである。
県は県漁業調整規則に基づき「岩礁がある海域には漁業権が設定されている。許可は昨年3月で切れており、工事は違法」と主張した。これに対し国は「名護漁協が漁業権を放棄しており、許可は不要だ」との立場である。
那覇地裁は却下によってその判断を示さなかった。
岩礁破砕許可は新基地建設阻止のための重要な知事権限の一つだったが、判断が示されなかったため、知事権限が無力化された格好だ。
却下に対し、県側弁護団から「裁判所が判断しないとなると、どこにもっていけばいいのか」と戸惑いの声が上がったのは当然だ。

■    ■

名護漁協は16年11月、漁業権を一部放棄する総会決議をした。
水産庁は従来「漁業権の一部放棄は漁業法上、漁業権の変更にあたり県知事の免許を要する」との見解を示していた。だが、免許更新直前の昨年3月になって、首相官邸で関係省庁の担当者らが水産庁長官と協議した。
水産庁は官邸側から「見解の変更を命じられた」とされる。名護漁協が漁業権を一部放棄したことを捉え、「県の許可を受ける必要はない」との見解に大転換した。
県が訴訟に踏み切ったのは防衛省岩礁破砕許可が切れたにもかかわらず昨年4月から護岸工事を始めたからだ。
安倍政権に都合のいい解釈で強引な手法である。
新基地周辺海域では14年6月、日米合同委員会という「密室」で埋め立て予定地がすっぽり入るよう制限水域の拡大も一方的に決めている。

■    ■

今回の訴訟は、新基地建設の是非そのものを問うものではない。県側弁護団が訴えたように、国に対し、県知事の岩礁破砕許可を昨年3月までと同じように取るなどルールを守ってほしいということだ。
国は知事権限を無力化しながら、辺野古新基地の現場では反対する市民らを強権的手法で弾圧している。
県は控訴するかどうか訪米中の翁長雄志知事が帰任してから決める。安倍政権に都合のいいような解釈変更が認められるのかどうか。立法府も、国会でしっかり議論してもらいたい。

辺野古差し止め県敗訴 実質審理せず不誠実 - 琉球新報(2018年3月14日)

https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-681981.html
http://archive.today/2018.03.14-001612/https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-681981.html

米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古での新基地建設工事を巡り、無許可の岩礁破砕は違法として、県が国を相手に岩礁破砕の差し止めを求めた訴訟で、那覇地裁は県の訴えを却下した。義務確認の訴えも退けた。
県が司法に判断を求めるしか手段がないと訴えたにもかかわらず、審理対象外として門前払いを求めた国の主張を全面的に受け入れた。
漁業権の有無について判断を避け、実質審理に入らなかったことは不誠実である。行政権をチェックする裁判所の役割を果たさなかったと批判されても仕方ない。
今回の訴訟は、沖縄防衛局が昨年3月末に期限切れとなった岩礁破砕の許可申請を更新しなかったことが原因で、県が国を提訴した。
争点は県知事に岩礁破砕の許可を得なければならない漁業権が、工事現場水域に存在するかどうかだ。
岩礁破砕許可申請を不要とした理由について沖縄防衛局は、工事海域での漁業権が消滅しているためと説明した。これに対し県は「漁協による漁業権の一部放棄の決議によって漁業権は消滅しない。一部放棄がなされたとしても新たに漁業権の変更の免許を受けなければならない」と主張した。
国は実質審理に入らないよう2002年の最高裁判所判例を持ち出した。行政主体が自らの権限を保護するためには裁判所を利用できないというものだ。県の訴えは行政主体としての自らの岩礁破砕等の権限を保護するためだから、裁判所を利用することは許されないと主張した。
この判例行政法学者の批判は強いが、那覇地裁は国の主張通り県の訴えを不適法として却下した。妥当性に疑問が残る。
県側は漁業権の有無について「裁判所が法を適用して判断するなら終局的に解決する。解決することは裁判所の権限で使命だ」などと訴えていた。しかし裁判所は「入り口論」で訴えを退け、判断しなかった。
翁長雄志知事が意見陳述で「長年積み重ねられてきた漁業関係法令の運用に関する見解を、国は辺野古案件のため、いわば恣意(しい)的にねじ曲げたわけであり、このようなやり方は国が常々述べている法治国家のあり方からほど遠い」と主張した。だが裁判所には届かなかった。
敗訴したとはいえ県は、裁判を通して新基地建設問題を世論に訴えた。その意義は大きいが、県と国の5回の訴訟を通じて、県の主張に向き合わない裁判所の姿も浮き彫りになった。
新基地建設予定海域に活断層が走っている可能性があり、危険性が指摘されている。民意を無視した新基地建設に正当性はない。知事は「あらゆる手段を使って新基地を阻止とする」と繰り返してきた。今、あらゆる局面でその発言を実践すべきだ。

<金口木舌>悪い時代 - 琉球新報(2018年3月14日)

https://ryukyushimpo.jp/column/entry-681982.html
http://archive.today/2018.03.14-001827/https://ryukyushimpo.jp/column/entry-681982.html

出勤時、NHKの連続テレビ小説わろてんか」をたまに見る。熱心な視聴者ではないが、先週の放送には引き込まれた。日本軍を激励するため、芸人の慰問団を中国大陸に送り出すとの筋書きだ

▼お笑いを中心とした芸能事務所・吉本興業がモデルの「北村笑店」が物語の舞台。社員や所属芸人は悩んだ末、「お国のため」に慰問団の派遣を決めた。芸人が戦争にのみ込まれた時代だった
▼芸人の戦地慰問は実際にあった。吉本興業は1938年、「わらわし隊」という慰問団を組んだ。戦地慰問は米国にもあった。コメディアンのボブ・ホープはその代表格だ
▼戦地への慰問を体験した沖縄出身の漫才師がいた。南風原で生まれ、大阪で活躍した岡田小菊さんだ。13年前、お話を聞いた。「兵隊さんが喜んでくれるから」という空気に押され、慰問団に志願したという
▼待遇は良かったが、複雑な思いを抱いたのだろう。「戦争に負けて良かった」と岡田さんはきっぱり言った。「勝っていたら軍隊を続けないといけないし、兵隊さんはあちこち遠い所にやらされて、国を守らなければいかんでしょう」というのだ
▼家族を故郷に残し、死と向き合う若い兵士の悲哀に触れたのか。それはお笑い芸では癒やせなかったのかもしれない。「芸人にとって戦争は悪い時代よ」と嘆き、遠くを見詰める岡田さんを思い出す。

(私説・論説室から)ドイツへの片思い - 東京新聞(2018年3月14日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2018031402000174.html
https://megalodon.jp/2018-0314-0916-54/www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2018031402000174.html

拓殖大教授の佐藤健生さん(70)は戦後処理などを巡る日独比較論議の論客の一人だ。
ドイツの取り組みを紹介するシンポジウムでは、あえて従軍慰安婦問題の現状を報告してもらう場も設けた。
ドイツの脱原発もあり、さまざまな分野で日独比較はやむことがない。ただ、「ドイツを見習え」式の乱暴な主張にもなりがちな対比には反発も強い。三年前、来日したメルケル首相が「慰安婦問題の解決を促した」と報じられた際には、「嫌独」や、ドイツを煙たがる「煙独」といった言葉も飛び交った。
「日本人が誘導して言わせている部分もあります。教えたがりのドイツ人に対し、学びたがりの日本人の片思いなんですね」。佐藤さん自身もそうだったのだろう。
歴史を木と森の関係に例える。戦争当時の人には木しか見えず、後の世代は森しか見ない。ドイツでは、この世代間の引き継ぎが何とか間に合い、建前を守り抜く原則を確立できたのが、日本との違いだという。
「暗記科目になってしまった歴史ですが、一番大事なのは“なぜ”と“どうして”。歴史は単なる過去ではなく、現在、未来へとつながるものなのです」
十七日午後二時から文京区の拓殖大キャンパスで開く最終講義のテーマは「ストーリーとヒストリー」。学外からの聴講が可能で、事前申し込みの必要もない。 (熊倉逸男)

大飯3号機 14日午後再稼働へ - NHK(2018年3月13日)

http://www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/3055832251.html
https://megalodon.jp/2018-0314-1001-48/www3.nhk.or.jp/lnews/fukui/3055832251.html

関西電力は、福井県にある大飯原子力発電所3号機について14日午後に原子炉を起動し、再稼働させると発表しました。
福井県にある大飯原発3、4号機は国の新しい規制基準に合格し、地元・福井県おおい町が再稼働に同意したことから、原子力規制庁による最終検査が行われています。
その結果、関西電力大飯原発3号機について、問題がなければ、午後5時ごろに制御棒を引き抜いて原子炉を起動し、再稼働させると発表しました。
そして約10時間後の15日午前3時ごろ、核分裂反応が連続する「臨界」の状態になり、今月16日の午後5時ごろに発電と送電を始め、4月上旬に営業運転に入る計画です。
大飯原発3号機が稼働するのは平成25年9月以来4年半ぶりです。
一方、大飯原発3、4号機をめぐっては4年前、福井地方裁判所が「地震の揺れの想定が楽観的だ」などとして再稼働を認めない判決を言い渡し、去年11月に2審の名古屋高等裁判所金沢支部での審理を終えていて、今後の裁判所の判断が注目されます。
福島第一原発の事故のあと、新しい規制基準のもとではこれまでに▼鹿児島県の川内原発の2基と▼愛媛県伊方原発の1基、それに▼福井県の高浜原発の2基のあわせて3原発5基が再稼働し、大飯原発3号機が再稼働すると6基目となります。
また大飯原発4号機についても、関西電力は5月中旬に再稼働させる計画です。

川内原発 1号機の燃料集合体1体から放射性物質漏れ - 毎日新聞(2018年3月12日)

https://mainichi.jp/articles/20180313/k00/00m/040/108000c
http://archive.today/2018.03.12-132139/https://mainichi.jp/articles/20180313/k00/00m/040/108000c

九州電力川内(せんだい)原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)で1次冷却水の放射性ヨウ素濃度が上昇した問題で、九電は12日、燃料集合体1体から放射性物質が漏れ出ていたと発表した。外部環境や作業員に影響はないという。燃料集合体の中にある核燃料棒を覆う管に穴が開いている可能性があり、今後、損傷具合や原因などの詳細を調べる。
川内1号機は昨年3月以降、1次冷却水の放射性ヨウ素濃度が通常値より上昇。制限値を下回っていたが、今年1月からの定期検査で、燃料集合体157体を調べていた。
九電によると、九電の原発で同様の放射性物質漏えいは10例目で、川内原発では2例目。【浅川大樹】