Desiderius Erasmus - デジデリウス・エラスムス
オランダ(ネーデルラント)出身の人文学者。ギリシャ語新約聖書を刊行。 有名著書に「痴愚神礼讃」「キリスト教戦士の手引き」。 港町ロッテルダムに生まれ、1536年に没した。同町では今日も広く顕彰されており、その名を冠した彫像、橋などがある。*1
*1:夜明けの刻のロッテルダム(写真) - 手前に架かるのが『エラスムス橋』。 - 世界採集写真館より
マルセル・プルーストに続いては、シャック・プルースト(1926年~2005年)の『16~18世紀ヨーロッパ像 日本というプリズムを通して見る』(山本淳一訳、岩波書店、1999年)を読んだ。 J・プルーストの力作『16~18世紀ヨーロッパ像 日本というプリズムを通して見る』 J・プルーストはフランスの18世紀研究者で、主な研究領域はディドロと『百科全書』。日本語はまったくできないというが、日本で講演したり、日本の18世紀研究者たちと話し合う中で日本に関心をもつようになり、可能な資料を使って構成した日欧接触史が本書だ。 J・プルーストは、本書の巻頭に、まず次のような断り書きを記している。 「私が語…
アルブレヒト・デューラー ネーデルラント旅日記 1520-1521 表紙 アルブレヒト・デューラー ネーデルラント旅日記 1520-1521 アルブレヒト・デューラー 著 前川 誠郎 訳 朝日新聞社 発行 1996年7月10日 第一刷発行 本書はデューラーが1520年7月から翌年の7月までアントウェルペン市を中心に、今のベルギー・オランダ諸都市を訪ねた旅日記です。 内容は旅中の収支の明細を記録した出納簿が主になっています。また旅先で描いた作品も載っています。 文中では、ラファエッロ、ルッター(ルター)、エラスムスなどの有名人が同時代人として出てきます。 はじめに デューラーを直ちに〈新教徒〉で…
ホルバインによるエラスムスの肖像画 第7章 ヴェネツィアの印刷業者 エラスムスは『格言集』刊行を実現するため、予定していたローマ行きを一時中止してヴェネツィアに移り住むようになった もともとヴェネツィアは、十五世紀中葉以来、印刷・出版活動のきわめて盛んな街だった。 当時のイタリアは、現在と違って、食事の量が少なかった。エラスムスのような北の人は、食事の量は多かったため、食事の時は自分の部屋で食べるようにしていた。 第8章 ゆっくり急げ 「ゆっくり急げ(Festina lente)」 ローマの皇帝アウグストゥスの座右の銘だと伝えられるが、さらに遡れば「ゆっくり熟慮して、しかる後素早く行動せよ」と…
エラスムス 闘う人文主義者 表紙 エラスムス 闘う人文主義者 高階秀爾 著 筑摩書房 発行 筑摩選書 0271 2024年1月15日 初版第一刷発行 西洋美術史が専門の著者により、エラスムスの一生を叙述しています。 もともと1970年代初頭に発表された文章で、著者の学生運動の経験から感じたことを、エラスムスが生きた混乱の時代に反映させているようです。 第1章 我、何者にも譲らず ロッテルダムの町では今でもなお、人びとが子供たちに向かって、近くの市庁舎の大時計が時を報ずるたびに、エラスムスの像が手に持った本の頁を一枚めくるという言い伝えを語って聞かせるという。 エラスムスのコインの裏側に刻まれた…
ヘラクレスでさえ、ふたりを敵としなかった。 ―エラスムス『格言集』― *** 綴りかた関連のtips。 1 一言半句をあつめる。 2 あつめた一言半句を3つに分類する。わけかたは問わない。 3 ひらきかたをかえる。 一言半句では文字どおり半分だ。もう半分の半分はひらきかたで、のこりの半分のいくらかは、インスピレーションではないかとおもう。 2と3を間をおかずにおこなうと、筆はうながされやすくなる。以上、連絡おわり。 ランキング参加中Think<書くことは考えること>
中世を旅する人びと ヨーロッパ庶民生活点描 表紙 中世を旅する人びと ヨーロッパ庶民生活点描 阿部謹也 著 ちくま学芸文庫 2008年7月10日 第一刷発行 Ⅰ 道・川・橋 1 村の道と街道 道の霊をめぐる信仰や慣行は十字路に最も際立った形で集中していた。十字路は良き霊と悪しき霊が集まるところとして、いろいろな迷信の対象となっていた。p20 2 川と橋 12、3世紀には河川が重要な交通手段として浮かび上がってきた。各種の平底船や引き綱船が開発され、大量の商品の輸送が可能になってきた。引き綱船のための堤防には家などを建てることは禁じられてきた。p34 橋梁建設技術が未熟で財政も不十分であったため…
どうも マルクス・アウレーリウスの『自省録』で、こんな文章を見つけました。 金持ちの暮らしとは遠くかけ離れた簡素な生活をすること。[第1巻-3] 曾祖父からは、公立学校にかよわずにすんだこと、自宅で良い教師についたこと、このようなことにこそ大いに金を使うべきであることを知ったこと。[第1巻-4] [引用元] マルクス・アウレーリウス<著>/神谷美恵子<訳>『自省録』、岩波文庫 当時、地球上で最も権勢を持っていたであろうローマ皇帝が自分に言い聞かせていたこと(の一つ)とは... 「贅沢に埋もれず質素に暮らすこと」、そして、「学問にこそ金を使うこと」。 気が引き締まる言葉です。 多くの人にとって、…
今週のお題「住みたい場所」 ヨーロッパに住むならオランダのユトレヒトかな? 程よい大きさの街なので不自由なく、かつ、静かに暮らせそうな気がします。 【予約ECM32】【国内未発売】【SALE】ユトレヒト ホーム 半袖 50周年【20-21/Utrecht/サッカー/エールデヴィジ/ユニフォーム】825価格: 8360 円楽天で詳細を見る リートフェルト・シュレーダー邸 夫人が語るユトレヒトの小住宅 [ イダ・ファン・ザイル ]価格: 2420 円楽天で詳細を見る ユトレヒト、オランダ 地図オフラインPGC GLOBEAmazon ユトレヒトについての過去記事はこちら ↓ finitykt.ha…
いつだったか日瑞両方の血を引く若者と話した時の彼の言葉が頭に残っている。たぶん、最初のコロナ禍のロックダウンの頃だったかもしれない。シニアの外出自粛のことが糸口で、「老人」についての話題になったような気がする。 「自分は、老人は大事だと思う。だって、僕たちの知らない昔のことを経験しているわけだから。なんていう言葉だったかな、ほら、宮崎駿のアニメにも出てきたけど、集落の物知りの老人を指す言葉があるでしょ?」と彼が言った。「ああ、長老?」「そうそう、それ」と彼は頷いた。そして、「年取ってる人が亡くなるってことは、その人の経験そのものも無くなってしまうことでしょ。だから、生きているうちにそれを若い人…
これまでざっと北米の大学たちをみてきました。ここからはしばらくヨーロッパをみていきます。 エラスムスは続く 大学で働いていて国際交流課の人たちが「エラスムス・ムゥンドスがさぁ~」とかいう言葉を発しているとこの人たちはすごいエリートなんだと一般の職員を誤解させてしまいます。(多分たいしたことは言ってません。)エラスムス計画は、1980年代から開始、MEXTの資料は少々古いですが流れをつかむには分かりやすいと思います。現在はエラスムス・プラスと呼ばれるプログラム群が進んでいます。また、別途、若手研究者を中心とした域外交流プログラムとしてマリキュリーアクションも継続して行われています。 筆者的にこの…
市場概要 世界の学生寮の市場規模は2023年に113.4億米ドルと推定され、2024年から2030年までの年平均成長率は5.1%と予測されています。世界的な学生人口の継続的な増加、特に外国人留学生の増加が市場成長の大きな原動力となっています。海外で高等教育を受ける学生の増加に伴い、高品質で安全かつ利便性の高い住宅への需要が急増しています。米国、英国、オーストラリア、カナダといった国々は、依然として留学生の渡航先として上位を占めており、既存の宿泊施設インフラへの圧力が高まっています。大学は学生数を増やす一方で、増加する学生数の住宅需要を満たせないことが多く、PBSAによって民間開発業者や投資家…
絵画の生誕についてプリニウスの紹介した逸話・・・壁に映った愛する者の横顔のシルエットをなぞったものが・・ 絵画の起源というよりも(ひとがいつかつぶやいてみせたように)、これはむしろ横顔の神話と呼ばれるべきものである 横顔は恋するひとのもの しかし影の輪郭をなぞって一種の肖像画として扱うなど、ふつうに正面から見つめ(懸念その1)、紙とペン(懸念その2)で顔面のデッサンをとることが許されるなら(懸念その3)そもそも発生しえないような問題の筈で、だから・・・と シルエットの輪郭しかなぞれない場合、横顔という選択の満足度の濃さはいかにも前にでてくる。それをなぞればいちばん満足がいくということ・・ 肖像…
「神聖ローマ帝国」 なんとも奇妙な国名だ。高校2年の時、世界史を選択した私はこの国名に大いなる疑問を感じた。なぜドイツ王国あるいはドイツ帝国ではないのか!とである。学問的興味というのはどの分野でも素朴な疑問から始まるのではないか。 当時の中世ヨーロッパでは、イギリスはイングランド王国、フランスはフランス王国である。なぜドイツだけがこんな国名なのか?とである。この少年の日の疑問をずっと抱きつつ、歴史とは無縁の仕事を始めていつの間にか中年になってしまった。しかし仕事が軌道に乗り始めてこの疑問を解決すべく勉強を始めて今日まで続いている。 ドイツ中世史はかなり難しい。それは対立軸が多過ぎるからだ。出版…
昔、単なる暗記にサンキュー(39)はテオドシウスに(2)って語呂あわせで覚える案件を教えてきたけどこのICTの時代に「暗記」してもAIには勝てへんねん。でも、世界はもう少しイスラム教徒に感謝すべきじゃねーかって「エラスムス in Gaza」って映画を見ながら思ったんだけど。まあ、僕も世界史教科書の間違いは何度も指摘してきたんだけど、T.モアー的な人とも親交を持ってるが、僕にはルターがイネーぜ。さて、、、, 古代文明やローマ帝国に続いて多少「宗教」にこだわって授業展開してきました。で、夏休み明けの九月は文化祭って障害があってまさに「苦月」なんだけど、それに「夏休みと9月1日」は2学期最初の授業で…
エミー賞史上最多18部門受賞した『SHOGUN将軍(全10話)』の1~2話を観る。 時は1600年、イギリス人航海士のジョン・ブラックソーン(コズモ・ジャービス)が乗り込んでいたエラスムス号が伊豆・網代の漁村に漂着。伊豆の領主・樫木藪重(浅野忠信)はブラックソーンを捕虜にします。大阪城においては、不当に領土を拡大し、世継ぎの母である落葉の方(二階堂ふみ)を人質としていると五大老の石堂和成(平岳大)が他の三大老と五大老の一人である関東領主の吉井虎長(真田広之)を糾弾中。異国人漂着を知った虎長は、重臣の戸田広松(西岡徳馬)にブラックソーンを大阪に連れてくるように命じます。宣教師たちはプロテスタント…
金星の神々は地球に到着するやいなや、イニシエーションのためのフリーメーソン本部を設けた、といわれます。(5) 『聖杯の守護者』 復活した古代ケルトの聖石 (グラハム・フィリップ&マーティン・キーツマン) (中央アート出版社)2002/6 <超自然の知性> <続く3年間、ジョン・エーヴィスとスージーは不思議な夢を見始める> ・催眠下でジョン・エーヴィスは不思議な異星人の乗物に乗せられ、継ぎ目のない銀色のスーツを着る、長身の乗組員に医学検査を受けたと主張した。スージーは、催眠にかからずして、自発的に同じ経験を思い出した。 アンディーは事例を調査しているうちに、UFOアブダクションと超常現象とのつな…
2024年10月31日時点での既刊のちくま学芸文庫全2,071点(セット版を除く)をあげた。文庫の整理番号順に従って表記(一部変更あり)した。「♾️」マークはMath&Scienceシリーズ(青背)を示す。人名表記の揺れ(例「シモーヌ・ヴェイユ」と「シモーヌ・ヴェーユ」)は訳者に従い、統一はせずそのままにした。編者、訳者は一部を除き割愛し、編著者が3人以上に及ぶ場合は代表者1人の名前のみ記した。 Math&Scienceシリーズのみの刊行書目一覧はこちら→ちくま学芸文庫M&S刊行書目一覧 最新版 - karumerabunkoのブログ 浅田彰『ヘルメスの音楽』 赤坂憲雄『異人論序説』 赤坂憲雄…
晴。 早起き。五時はまだ暗い。外では大きな声で虫たちが鳴いている。 朝食をとって少し寝てしまう。 午前中はひどくムダな時間を過ごしてしまったな。まあ、いまのわたしの生活でムダでないことなどあるか、というものではあるが、それでも、例えば禅(あるいは仏教)の修行は、やるべきことを粛々とやって生活していくものだ、という考え方もあるようだし。わたしのそもそもムダな生だって、自分なりにやるべきことはあるべきだろうし、あると思っているからな。いかんいかん。 昼。 ●喫茶去 | 臨済宗大本山 円覚寺 有名な「喫茶去」という言葉を検索していて、たまたま横田南嶺老師のウェブエッセイ(?)に逢着した。老師は、これ…
『自衛隊秘密諜報機関』 青桐(あおぎり)の戦士と呼ばれて 阿尾博政 講談社 2009/6/5 <胸に刻まれた諜報任務の重み> ・数週間の教育が終わり、やがて、私が兄貴と呼ぶことになる内島洋班長のもとで仕事をすることになった。内島班は、内島班長、班員の根本、伊藤の3名で構成されていて、当時は、新宿区大久保の住宅地にあった2Kのアパートの一室を事務所としていた。 こうした諜報の拠点は、存在を隠すために、約2、3年ごとに転出をくり返すのだが、ここに私が新米諜報員として加わったのだ。 最初の担当地域は極東ロシアであった。このため、ロシア語を勉強しなければならず、夜間は御茶ノ水にあったニコライ学院に通っ…
薄曇り。 いくつかあまりよろしくない夢を見る。覚えているのは起きる直前の夢で、高校生で自堕落なひとり暮らしをしている。自分がコントロールできず、自由を失い、いろいろ詰んでいる。 モズ君、このところ、ご苦労にもほぼ一日中高鳴きをしている。いまもやってる。そんなに縄張りを主張しないといけないものなのかな。 スーパー。晴れる。青い空に積雲。まだ、暑いことは暑いな。 昼。 NHK でアメリカ大統領選のトランプ対ハリスのテレビ討論会の様子を一部だけ観た。自分に投票権があるわけでもなし、それほど興味があったわけではないが、それなりに興味深かった。ま、わたしの立場ははっきりしていて、ハリス支持というよりは、…
日経新聞「私の履歴書」の8月は北岡伸一東大名誉教授だった。 特命全権大使、国連代表部次席代表、国際協力機構(JICA)理事長もつとめた珍しい政治学者、歴史学者である。 「実務の世界を知らないで、本当に政治や外交分析や提言ができるだろうか」「一定の期間、しかし本気で実務の中に入ることが、一番良いように思った」。 この履歴書は「学者が政治と学問のあるべき関係を求めて模索した記録だ」と位置付けている。 東大の日本政治外交史の講座は、吉野作造から始まって、岡義武、三谷太一郎と続き、北岡が4代目である。明治維新以来の近代日本が現代日本にを分析するための枠組みになっている。「すごい変革」、「愚かな侵略」、…
フランドル地方とその他の地域 人文主義とエラスムスと宗教改革の関係 フランドル地方とその他の地域 フランドル地方は現在で言えばベルギーあたり。毛織物業で栄えて文芸のパトロンになった。 音楽においてはルネサンス初期よりイタリアよりも盛んだった。絵画についてもイタリアと並行するほど栄えて油絵の特徴的な技法が有名らしい。 ルネサンスはヨーロッパ全土に広がり、ただ単に受容するだけでなく、各地で特色のある文芸を興した。ルネサンス - Wikipedia やその英語版に少しだが書いてある。 ヨーロッパは大きな文明圏・文化圏と言える。古代ローマ時代からそうなのだが、近世になって活版印刷が普及すると文化の伝播…
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近世の始まりはルネサンスから。 「ルネサンス」という用語の起源 「ルネサンス」という用語の意味合いの変化 「ルネサンス」の中核「人文主義(ヒューマニズム)」 ルネサンス・人文主義とローマ教会・キリスト教の関係 「個人」の発見 具体的な代表例 「ルネサンス」という用語の起源 ルネサンスという語は、もとはギリシア語からきた宗教用語で「死者の再生」という意味の「パランジェネジー」と言う言葉を、フランス語式に言い直したもので、フランスでは「新しいものとして生まれ変わる」という意味で使われていた。それを歴史的な概念として用いたのは19世紀中頃の歴史家ジュール=ミシュレに始まる。 出典:ルネサンス<世界史…
こんばんは。今日からほとんどの人がお盆休み明けの出勤です。皆様いかがお過ごしでしょうか。私は久しぶりの勤務で休み前の感覚を取り戻すのに苦労しました。 閑話休題。今までつらつらと書いてきた旅行記を完結させたいと思います。それでは参りましょう。 第17ランナー:5008M日豊本線特急にちりん8号(787系④)津久見13:01→臼杵13:10 津久見から一駅だけ戻って臼杵へ向かいます。一駅移動、それも乗車時間が短いのに特急列車を使えるのは乗り放題きっぷの特権です。 臼杵に到着しました。臼杵は石仏でも有名で、駅前には石仏のレプリカが展示されていました。 臼杵駅から海へ向かって真っ直ぐ歩くと港町商店街が…