トヨタ自動車が考案した、工場における生産管理方式の1つ。 主に製造現場およびそれに付随するスタッフ部門で用いられている手法である。 豊田喜一郎らが提唱していた考えを、大野耐一らが体系化したものである。
7つのムダ(作り過ぎのムダ、手待ちのムダ、運搬のムダ、加工のムダ、在庫のムダ、動作のムダ、不良をつくるムダ)をなくすことを目的としている。
これらにより無駄(人間が行わなくともよい作業)を排除することで多能工化が可能な状況を作り出し、多能工を育成して生産効率を高めている。
常あるものはないということを感じる今日この頃です。昨日まであたり前だったことが今日には全く新しいものに変わってしまうこともざらなようです。 世界的なインフレと金利高の影響で、「EVシフト」に黄色信号が灯ったのでしょうか。一般的な消費者が割高なEVを購入することが困難になっているといいます。 EV需要鈍化で巨額投資にブレーキ、テスラ含めメーカーに再考迫る - Bloomberg テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、メキシコに10億ドル規模の工場を新設する計画を先送りする可能性があると述べた。昨年の成長ペースが50%に上ったと胸を張って語っていた3月の投資家向けイベントからは様変わ…
「トヨタ自動車」、言わずと知れた世界最大の自動車メーカのひとつで、日本が代表するグローバル企業です。 環境団体からは、HVハイブリッド車を主に販売していることから、脱炭素への取り組みの甘さを指摘されています。メディアは各国における規制や、米テスラや中国BYDなど台頭するEV新興勢力と比較し、トヨタがおかれている厳しい現状を伝えています。 アングル:トヨタとテスラの巨大工場、命運握る米排ガス規制 | ロイター そんな中、佐藤新社長がメディア各社のインタビューに応じ、「EV 電気自動車への取り組みが遅れている」との指摘について、足元の販売台数で一部他社と開きがあるのは事実とし、プラクティカル(実質…
社会が変えていこうと願う人たちがいる一方で、それに抵抗する人たちもいます。 同性婚や性的少数者の理解増進を図る法案、選択的夫婦別姓に関する議論の期限設定に、首相が難色を示し、「いつまでに結論を出せという課題ではない」と述べたそうです。 首相、期限設定に難色示す 同性婚や夫婦別姓議論 | 共同通信 記事によると、選択的夫婦別姓の導入について、首相は「私自身は反対とは一度も申し上げたことはない。価値観や心に関わる問題であり、議論が必要だ。状況を注視したい」と述べたといいます。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); 社会が変わってしまう…
#1のトヨタ生産方式(TPS:Toyota Production System)に引き続き、#2では制約条件の理論(TOC:Theory of Constraints)について説明します。 制約条件の理論(TOC:Theory of Constraints) 1. 企業の目的と3つの指標 2. 依存的事象と統計的変動 3. ボトルネックの発見 4. ボトルネックの発見→活用→強化→管理のサイクル 5. ドラム・バッファ・ロープ 6. まとめ 7. 所感 8. 参考文献 制約条件の理論(TOC:Theory of Constraints) 1. 企業の目的と3つの指標 制約条件の理論(以下TOC…
メーカーにて生産技術系の仕事をしています。30代も半ばに差し掛かりつつあり、管理職も見えつつありの中堅社員です。 入社して4年間は生産技術っぽい仕事をしていました。そこから異動を経て、ようやく「生産技術」と自信をもって名乗れる業務を経験してきました。異動当初の業務内容は、扱う内容の抽象度が高く、雲をつかむような感じで大変苦しい思いをしました。しかし、石の上にも3年、ようやく抽象を具体化でき、新たなアイデアによる生産性向上にも取り組めるようになりました。 今回は、生産技術業務を通して学んだ生産理論について、持てる知識を駆使してアウトプットします。#1ではトヨタ生産方式(TPS:Toyota Pr…
「ザ・ゴール」の記事を以前書きました。続編です。 私の受講している事業承継マスターコースで、課題図書のリストから2冊を選んで感想を発表せよというクエスト。1冊目が「ザ・ゴール」、ということで2冊目です。 2冊目は「トヨタ生産方式」。どちらも生産管理のカテゴリーの本でした。読みたいと思った本がこの2冊だったもので。結局ほかの人が感想を発表する本も読むのだから、別の本の発表にしてもよかったと、あとから思いましたよ。どんまい。 トヨタ生産方式 作者:大野 耐一 ダイヤモンド社 Amazon 著者は大野耐一 著者の大野耐一ですけれど、トヨタの副社長をやった人です。すでに故人。トヨタ生産方式を作り上げた…
資生堂が9月、150周年を迎えたといいます。これを機に魚谷社長が「変わらない普遍的なものは何ですか?」という問いを発しました。 その背景には、変動性、不確実性、複雑性、曖昧性、VUCAの時代といわれる現代において、本質を見極める必要があると考えたからだそうです。 変わらない普遍的なものは何ですか?: 日本経済新聞 そんな魚谷社長の問いに対し、答えた声を日本経済新聞が紹介しています。 「時間の普遍性と価値」「未来を想像する力」「人を思う想像力」「人間は学び続ける」「命の尊さ・大切さ」などの言葉が並びます。 また、ある人は「人とつながる幸せ」をあげ、「幸せになりたい」、この気持ちこそ、変わらない普…
DX デジタルトランスフォーメーションによる企業の変革が求められるようになっているようです。政府の肝入りの政策といいます。流れに乗り遅れることの弊害を恐れて、乗り遅れまいと活発化しているようです。 メールを開けば、DX関連の講演会の案内や書籍の紹介などの情報ばかりです。そんな中にもベストプラクティスはあったりするのかもしれません。ただDXが浸透したとは言い難く、その導入は遅々と進まずという状況なのでしょうか。それとも着手はしたが、まだ結果に至っていないということなのでしょうか。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({}); トヨタ自動車の…
【連続投稿1110日目】 トヨタ生産方式で有名な現場改善において、ムダは7つあると言われています。実際にはもっとありそうですが。 加工のムダ 在庫のムダ 造りすぎのムダ 手待ちのムダ 動作のムダ 運搬のムダ 不良・手直しのムダ でもどうしてもこのカテゴリーに入らない無駄があると思っています。それは「他人と比較するムダ」。 このブログで何度も書いていますが、人と比較することほどムダなことはないと思っています。 人は人、周りの状況の中で自分自身がどうありたいのか。そこに着目することで、気持ちはかなり楽になります。 もちろん、社会では相対評価で判断されることが多々あります。社会の制度がそうなっている…
成長と分配、その好循環で「新しい資本主義」を目指すのがこれからの日本なのだろうか。その実現を進める政権の看板政策について、日本経済新聞が日立製作所など企業トップにインタビューした。 経財相×日立・三菱商事・DeNA 新しい資本主義で対談: 日本経済新聞 「企業の内部留保が積み上がっているのになぜ賃金を上げられないのか」 と問われた日立製作所の東原会長は「日立だけで言うと、今後5年先を見たときにグローバルで勝てないと淘汰されるという恐怖感がある」と答える。 こうした経営者のマインドが賃上げへの障壁になってきたのだろうか。 欧州でトヨタへの風当たりが強まってる。日本社会が火力発電に依存しているので…
以前学んだアジャイル開発とスクラム開発について少し整理する機会があったのでまとめておこうと思います。 アジャイル開発 アジャイル開発のマインドセット 4つの価値 12の原則 顧客満足を最優先し、価値のあるソフトウェアを早く継続的に提供します 要求の変更はたとえ開発の後期であっても歓迎します。変化を味方につけることによって、お客様の競争力を引き上げます 動くソフトウェアを、2-3週間から2-3ヶ月というできるだけ短い時間間隔でリリースします ビジネス側の人と開発者は、プロジェクトを通して日々一緒に働かなければなりません 意欲に満ちた人々を集めてプロジェクトを構成します。環境と支援を与え仕事が無事…
DBRは、「ドラム・バッファー・ロープ(Drum-Buffer-Rope)」の略語で、制約理論(Theory of Constraints)に基づく生産管理の手法です。この手法は、エリヤフ・M・ゴールドラットによって提唱され、特に製造業において生産プロセスの最適化を図るために使用されます。 DBRとは D(ドラム) B(バッファー) R(ロープ) DBRを制約理論(TOC)に適用しよう ステップ2:制約条件の持つシステムの活用方法を決定する ステップ3:制約条件以外をステップ2の決定に従属させ、同期化する ステップ4:制約条件の能力を向上させる ステップ5:ステップ2~4で制約条件に変更が生じ…
人月は神話であり、銀の弾丸などないのは常識だと思うのですが。 しょうもないやり取り 上司「時間が足りなくて進められていなかった評価試験、試験要員を追加したがその後の進捗はどうなった?」 部下「追加要員は評価試験をやったことがない人なので、まだ基礎的なやり方を教えている段階です。そのため評価試験はほとんど進んでいません。また教育に時間を使ったため抱えている他の業務は止まっています。しばらく付きっきりで教育をしないと使えるデータを取れるようにはなりませんが、とはいえ止まってしまった他の業務の遅れも取り戻す必要があります。よって予定していた新しい業務は日程を変更する必要がなりますし、教育時間を割くた…
creationline.connpass.com こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。 会の概要 スライド 会の様子 リーンスタートアップとはなんだったのか 購買行動と品質の変化 MVPだけで進めない 他の話題は本書で Q&A MVPで何を学習すると定義するのか? クラウドファンディングはオファーと言っていいのか? 政府でうまく導入している事例は国内外であるか? リーンスタートアップとトヨタを源流とするリーン生産方式の関係性は? 会全体を通した感想 会の概要 以下、イベントページから引用です。 『Running Lean 第3版』は2012年に出版され…
街角で新聞を広げてる人 ▶ アマチュアながら作詞や戯曲を書いたり、日記は20年近く続けているけど、主力にしている情報源が新聞や雑誌、紙媒体ではなくてスマートフォンやテレビだったら、慌ただしくて苦痛だったかもしれない。 ♪カシオペア「ミント・ジャムス」の「Take me」 選曲というものは「場の筋道」が読めれば大概の曲はハマるのだけど、北斗七星と完璧な対称性でありながら影をひそめているカシオペア座のバンド名のこの曲に、いきなりガチャコンと軌道修正するのは意外と難しい。 そこには、紙が寝返りを打つような「間」やガサゴソガサというノイズの調整が要るからね。バズじゃなくて。 では後半戦行ってみよう。 …
10月25日時点の日本経済新聞のデータによれば、トップのトヨタ自動車の時価総額43兆円強に対して、2位のソニーが16兆円弱であるから、3倍近くであり、圧倒的存在だといえよう。 日本の2022年のGDP546兆円、2022年度の税収71兆円と比べても、その存在感の大きさがわかると思う。 しかも、トヨタグループ企業は17社(トヨタ通商HP)である。トヨタ自動車のルーツであるトヨタ自動織機など、読者になじみがある会社が多いはずだ。 ■トヨタグループ17社 豊田自動織機は、1926年に豊田佐吉が発明したG型自動織機を製造するため、愛知県碧海郡刈谷町に、株式会社豊田自動織機製作所として設立された。 もう…
トヨタの「問題解決」とは トヨタの「問題解決」のアプローチは、根本原因を徹底的に探求し、持続可能な解決策を実施することに焦点を当てている。 このプロセスは、「なぜ?」という質問を繰り返し、表面的な症状ではなく、問題の根本原因に到達することを目指し、問題が再発しないように、その原因を取り除くための具体的な行動計画を立てる。 トヨタでは、全ての従業員が問題解決のスキルを身に付け、日常の業務に活用することが期待されており、これによって組織全体の品質と効率が向上する。 問題解決は継続的な改善の文化を築く上で不可欠であり、トヨタの成功の裏にはこの問題解決の哲学が深く根付いている。 問題解決の手順があれば…
「目で見る管理」とは 「目で見る管理」とは、作業現場やプロセスを視覚的に管理しやすくするための方法や仕組みのこと。この手法は、情報や状態を簡単に理解できるようにし、迅速な意思決定を支援することを目的としている。 例として、トヨタ工場の生産ラインでの「アンドン」システムが挙げられる。これは、機械の異常や部品の不足など、何らかの問題が発生した際に、光や警報音などでその情報を視覚的に示すシステムである。問題が発生すると、アンドンが点灯または点滅し、作業員や管理者はすぐにそれを認識し、迅速に対応することができる。 「目で見る管理」により、現場の状態が一目でわかるため、問題が発生した際の対応速度が向上す…
標準作業の設定、順守によるメリット 「標準作業」は製造業において極めて重要であり、プロセスを安定化させ、品質を保ちながら効率的に生産を行うための基盤となる考え方である。 1.品質の安定化: 標準作業によって作業手順が明確になり、作業者が一定の品質を維持しながら製品を生産することが可能となる。これにより、製品の品質バラつきが減少し、顧客への信頼性を高めることができる。 2.教育とトレーニングの効率化: 新しい作業者や未経験の作業者が迅速に業務に慣れるためのガイドラインを提供する。標準作業が文書化されていると、教育期間の短縮と作業者の能力向上が期待できる。 3.ムダの削減: 作業プロセスを標準化す…
トヨタ生産方式における「在庫」最小限化の重要性 トヨタ生産方式において、在庫を最小限に抑えることは極めて重要である。 在庫が少ない状態を保つことで、不要なコストとスペースを削減し、企業の収益性の向上が可能となる。 例えば、自動車部品製造の現場では、「ジャストインタイム」生産システムを採用することにより、必要な時に必要な量だけ部品を生産し供給することで、在庫保持コストを大幅に削減することができる。 さらに、在庫が少ない状態は、製造プロセスにおける無駄や非効率を容易に見つけ出す手助けとなる。製造ラインでのわずかな停滞も大きな影響を与えるため、企業はプロセスを慎重に管理し、継続的な改善を図らなければ…
我が家は2023年にトヨタホームで家を建てました。この決断に至ったポイントをお伝えします。家づくりを検討中の方や、ハウスメーカー選びで悩んでいる方に、ぜひ参考にしていただければ幸いです。 鉄骨造メーカーの中でもコスパが良い 工場生産で一定の品質 親身な営業サポート おわりに 鉄骨造メーカーの中でもコスパが良い 家づくりの際、我が家は耐震性を重要視し、鉄骨造メーカーを中心にリサーチしました。一般的に鉄骨造住宅は主に大手ハウスメーカーが担当し、価格帯もそれに伴い高くなりがちです。 ハウスメーカー 坪単価 ダイワハウス 80~100万円 積水ハウス 80~100万円 トヨタホーム 60~90万円 セ…
コロナショックからいち早く業績回復したトヨタ トヨタの危機管理 どんな時代でも「黒字化」できる底力 作者:野地 秩嘉 プレジデント社 Amazon リーマンショック時には赤字となったトヨタだが、コロナショック時は他の自動車会社に先駆けて業績を回復させ、また他社が決算の見通しを示せない、同社だけはいち早く対応できた。 コロナで日本中に不安が立ち込める中でのトヨタの活躍、果たした役割は大きい。本業を素早く回復させ、関連会社含む雇用や経済活動を維持しただけでなく、フェイスシールドの製造、医療機器メーカへの生産性向上の支援活動などが記憶に新しい。 リーマンショックの時に何を反省し、その後どういった実践…
トヨタ生産方式における「問題」とは? TPS(トヨタ生産方式)における「問題」とは、製造プロセスや作業工程に生じるムダや非効率、品質の不備、安全性の不足といった、生産性や品質を阻害する要素全般を指す。トヨタでは、これらの問題を積極的に特定し、解決することで効率的かつ高品質な生産プロセスを目指している。 製造ライン上でのムダな動き、待ち時間、過剰生産などの問題は、生産効率を低下させると同時にコスト増加や品質の低下を引き起こす。これらは「ムダ」「ムリ」「ムラ」として知られ、TPSの中では問題として取り組むべき重要な要素である。 問題を正確に把握し、その根本原因を突き止めることができれば、適切な改善…
「モノと情報の流れ図」とは 業務カイゼンのツールとしてトヨタが使っているのが「モノと情報の流れ図」である。 これはトヨタ生産方式(TPS)において重要なツールの一つであり、その名の通り、「モノ」の流れと、「情報」の流れを1枚の図にまとめたものである。 概要 「モノと情報の流れ図」は、製造業の生産フローを可視化するツールである。 物の流れ(製品や部品の流れ)と情報の流れ(生産指示や部品の要求など)を一つの図にまとめ、生産の全体像を把握するのに役立つ。 何が書かれているのか ・製品や部品、仕掛品の物理的な流れ(モノの流れ) ・生産指示、部品の発注などの情報の流れ(情報の流れ) ・主要な生産工程、在…