ホーマット伯爵家軍は万の軍勢を有している。この情報は任務についている王国騎士団の面々を驚かせた。数で劣っていても質で凌駕する、というのが最初からの作戦方針ではあったが、さすがにここまでの大軍であるのは想定外だったのだ。 この情報は速やかに王都にも伝えられることになる。だが、使者が往復する間、ただ待っているだけでいることなど許されない。現場は現場で対応を考え、それを実行に移さなければならないのだ。 その為にまずカート総指揮官が行ったのは、更なる情報収集。考えるにしても、もっと多くの情報が必要だったのだ。 「元々、伯爵家軍の数は多く、四千から五千くらいは抱えていたようです。常備軍としての数です」 …