訓読 >>> 2740大船(おほぶね)の舳(へ)にも艫(とも)にも寄する波(なみ)寄すとも我(わ)れは君がまにまに 2741大海(おほうみ)に立つらむ波は間(あひだ)あらむ君に恋ふらくやむ時もなし 2742志賀(しか)の海人(あま)の火気(けぶり)焼き立てて焼く塩の辛(から)き恋をわれはするかも 要旨 >>> 〈2740〉大船の船首や船尾のあちこちに波は打ち寄せて来ますが、人が私のことをどこの誰に言い寄せようと、私はあなたの御心のままです。 〈2741〉大海に立つ波でも、時には絶え間があるでしょう。でも、私があなたに恋い焦がれる気持ちには休むときがありません。 〈2742〉志賀の海人が煙を立て…