「でも、気がくるっている人のところには行きたくないです」とアリス。 「そりゃあ、しょうがないだろう」とネコ。「ここじゃあ、みんな気がくるってるんだ。おれもくるっている。君もくるっている。」 「どうしてわたしがくるっているってわかるんです?」アリスは言いました。 「そのはずだよ」とネコ。「さもなきゃ、こんなところに来ないだろ?」(ルイス・キャロル, 2010, 『新訳 ふしぎの国のアリス』角川つばさ文庫, pp.105-6.)。 かつてマーク・フィッシャーは、資本主義と精神疾患の関係について次のように問題提起していた。 この資本主義社会における「精神疾患の大流行」から示唆されるのは、資本主義が唯…