前回までの記事に書いている通り、身体表現性障害(心気症や心身症などとも呼ばれる)は、「他の科では診断がつかなかった(検査などで異常が発見されなかった)が、本人が症状を訴えている」場合に精神科だけで診断されます。 言うまでもなく、そんな精神疾患は有史以来、常に人類社会に存在していました。この疾患の一番の特徴は「詐病(病気のフリをしている)と区別がつかないこと」です。もっとも、ローゼンハン実験が証明したように、全ての精神疾患は詐病と区別がつき辛いのも事実です。 身体表現性障害の患者さんは女性がほとんどです。若い女性ほど多いと教科書には載っていますが、私の経験上でいえば、年齢にかかわらず、女性ならな…