「日めくり子規・漱石」から、今の季節のご両人の句を紹介。 この二人、切り離せないほど仲がいい。 子規の影響で、漱石は一時期、大量に作句。 直に飽きて、止めてしまった。 両者の句は、それぞれ人柄が出ている。 ◆涼みながら君話さんか一書生〔子規) 若き頃の書生時代の子規の句。子規は漱石とお洒落して、夕涼みで歩いた。 ◆うき世いかに坊主となりて昼寝する(漱石) 現世とは何ぞや。まずは、坊主にでもなった気分で、昼寝しよう、という軽妙な句。 ◆風板引け鉢植えの花散る程に〔子規) 風板とは、手動扇風機。それを回させて涼もうという、調子のよさ。 ◆夏木立故郷へ近くなりにけり〔子規) 列車に乗ると、車窓の木立…