脚本家、評論家。1932年7月17日、広島県生まれ。 東京大学文学部卒業後、松竹に入社。シナリオ執筆、助監督を務めた後、独立。 大島渚との共同脚本の『太陽の墓場』で第12回シナリオ賞受賞。映画『黒い雨』で日本アカデミー賞脚本賞受賞。 日本映画学校校長、近畿大学教授を歴任。 2011年11月1日、膵臓癌により死去。享年79。
など多数
【中盤以降の『エース』(2)】 白石「『仮面ライダー』(1971)の敵と違って(『ウルトラマンエース』〈1972〉の)ヤプールは何がしたいんだかもよく判らない。そのあたりは演じていていかがでしたか」 沖田「いろんな超獣が出たんだけど1回も会ったことはないんでね(一同笑)。棒に布切れを巻いて「目線こっち!」「この先、目線でーす」みたいな。 アフレコの帰りにみんなで、東宝撮影所の特撮のところをのぞきに行って。結構広いセットだったですね。超獣と戦うシーンとか。ミニチェアがたくさんあって一発でNGなしでやるのは大変だなあって。手をかけて、いろんな人が携わっているんだなあと思いましたね」 山際「特撮もカ…
はじめに この記事では「帰ってきたウルトラマン」第18話「ウルトラセブン参上!」(脚本:市川森一、監督:鍛冶昇、特殊技術:佐川和夫)から登場したウルトラブレスレットを取り上げます。 登場の経緯 ウルトラブレスレットは第18話で宇宙怪獣ベムスターに敗れて太陽に飛んだウルトラマンにウルトラセブンが授けた武器です。ウルトラセブンはこう言って渡しています。 お前にこれを授けよう。ウルトラブレスレットだ!! これさえ身につけておけば、いかなる宇宙怪獣とも互角に戦えるだろう。さあ地球に戻るのだウルトラマン! この言葉が全てを物語っています。なおベムスターはウルトラマンが初めて戦った宇宙怪獣でもあります。 …
はじめに この記事では「帰ってきたウルトラマン」後半で脚本を書いた石堂淑朗を取り上げます。 略歴 石堂淑朗は1932年7月17日生まれで広島県尾道市久保町出身です。東京大学文学部独文学科に入学し、卒業。1955年に松竹大船撮影所に入社しました。脚本家デビューは1960年の「太陽の墓場」です。ここで大島渚などとともに映画革新運動である松竹ヌーヴェルバーグの中心として活躍しました。余談ですが、大島渚は佐々木守とも仕事をしています。「日本の夜と霧」では大島渚と共同で脚本を書いています。つまり、元々は反権力の人だったのです。1965年以後は松竹をやめてフリーになり、テレビでも活躍します。 円谷プロの作…
2006年、『ウルトラマン』(1966)などで知られる実相寺昭雄監督が逝去したときはショックだった。亡くなる数年前に自ら率いるプロダクションの経営が危機に瀕した実相寺は、次々とオファーを受諾している。その矢継ぎ早な仕事ぶりを見ていて、80歳くらいまではハイペースに創作をつづけると思っていたのだった。関係者の証言を追ってみたい。
1980年代に過剰なまでに供給された反動か、90年代に入ると原爆を描いた作品は激減。冷戦が一応終結して核戦争の危機が去ったように思われたのもあっただろう。
【『華燭』~『風を聴く日』(2)】 13.『風を聴く日』(1995)脚本:金子成人
www.shochiku-tokyu.co.jp藤田まこと主演の「必殺」シリーズを映画化した第1弾となる作品。 江戸を舞台に、仕事人を狙った殺し屋を中村主水が追い詰めていく様子が描かれます。 仕事人vs仕事人という映画スケールのストーリーを、ドラマ版と同じキャストで展開しているのが見どころの一つ。 また、殺陣シーンなどもドラマ版よりも迫力のあるものに仕上がっており、これまた映画スケール。 劇場版第1弾ということもあり、映画として見ごたえのある演出が取り入れられている点に注目です。放送情報映画 必殺! THE HISSATSU BS260 BS松竹東急 2023/9/4(月) 20:00-22:…
●映画評論家●映画史家●他 ●映画評論も多く手掛けた小説家 ●映画理論家としても活躍 ●哲学者 ●評論家・批評家出身の映画監督 ●批評家としても活躍
全話視聴済みの作品を、簡便に一つずつまとめてみようという、手探り気味の企画です。 君は誰かを愛しているか ◆『ウルトラマン80』 (1980年4月2日~1981年3月25日) 全50話演出〔湯浅憲明:22本 外山徹:8本 深沢清澄:6本 東條昭平:4本 野長瀬三摩地;3本 広瀬襄・合月勇・宮坂清彦:2本 満田かずほ:1本〕 脚本〔阿井文瓶:15本 石堂淑朗・平野靖司:8本 若槻文三:5本 山浦弘靖:4本 水沢又三郎:3本 広瀬襄・土筆勉:2本 田口成光・南川竜・吉田耕助:1本〕 「僕は、怪獣の生まれてくる根本を叩き潰したいんです。僕は、怪獣と戦うのと同じような気持ちで、先生になったんです」 『…
必殺シリーズ第1作の必殺仕掛人が放送開始されたのは1972年9月2日(土)。それから50年以上が経とうとしています。それを記念して、阿佐ヶ谷では上映会が開かれています。 www.laputa-jp.com というわけでしばらく必殺シリーズの思い出話を書いていこうかと思います。とはいうものの私が初めて本放送で観たのはおそらく『仕事人大集合』です。ただちょうどその頃、関東地方ではテレビ朝日で必殺シリーズの再放送を行なっていました。毎週土曜日の午後の枠、そして一時期に平日16時台で恐らく選抜して行なわれた再放送、さらには当時販売されていた雑誌で旧作の存在を知りました。『必殺仕事人III』以降の作品は…
Twitterの「誤解されないように過剰に防衛的に予防線を張っている文章」に慣れると、たまに本を読んで「読んでいる人間のことを信じている文章だ……」と感動する。— ぼたもち (@kbtyskvit) 2023年5月27日 このツイートに思うところは、まず題名に書いた事が来る。しかし世の中、もう自分の気に入らない単語に耐えられない者が(オレも含めて)うじゃうじゃいる*1状況では、ツイッターなんかはどうにもならんがな。それでも、読者を信用して書かんといかん場所は本以外にもあるわけで……。「自分の気に入らない単語に耐えられない者」うんぬんを持ち出したのは、気に入らない話題どころか単語にキレて炎上を図…
※注意!『絞死刑』のネタバレがあります。 ※人名は全て敬称略としております。 大島渚監督作品。1968年公開。 主人公Rのモデルは、実在の死刑囚・李珍宇(り・ちんう、イ・チヌ)。女子高生が殺された小松川事件の犯人として、1962年に死刑を執行された。 ja.wikipedia.org あらすじ 登場人物 感想 ネタバレなし感想 ネタバレあり感想 予告 罪人とは誰なのだろうか? 国家なるもの 最後に あらすじ 死刑場で死刑が執行されている。死刑囚は二件の強姦殺人事件の犯人R。だが、滞りなく刑が執行され、所定の時間が過ぎてもRの脈拍は止まらない。死刑によって死ななかったRは、さらに自分がRであると…
以上、『小さな冒険旅行』(1963:大島渚)より 『小さな冒険旅行』(1963:大島渚)を、国立映画アーカイブ小ホールにて見る。4月11日(火)から始まった「没後10年 映画監督 大島渚」の1本。同時上映『KYOTO, MY MOTHER’S PLACE』『私のベレット』、310円。小さな冒険旅行(56分・35mm・カラー) 家の外へ迷い出た子ども(中川)が東京中の名所を巡り無事家にたどり着くまでを描く。同年設立された日生劇場による日本生命のPR映画で、大島が好んで取り上げた少年の題材に連なる1本としても興味深い。ヴェネツィア国際映画祭児童映画部門銀獅子賞を受賞。 *元素材が完全褪色していたこ…
フジテレビ地上波南極物語 放送日時・内容5/13土13:00〜16:00 公開当時歴代興行成績1位を記録。南極の厳しい自然の中での犬たちのサバイバル、そして犬をめぐる南極探検隊員らの心の葛藤を有名なタロ・ジロの実話を基に描く。 番組内容悪天候に阻まれ、南極探検隊員の飼っていた15匹のカラフト犬が南極昭和基地に取り残されたという実話を基に、南極の厳しい環境の中、犬たちの生への奮闘と南極探検隊員たちの姿を壮大なスケールで描く。1958年(昭和33年)2月、南極昭和基地での越冬隊の活動は、悪天候に阻まれため中止になり、犬係の潮田(高倉健)と越智(渡瀬恒彦)の要請も虚しく、越冬隊と行動を共にしてきた1…
以上、『絞死刑』(1968:大島渚)より 『絞死刑』(1968:大島渚)を、国立映画アーカイブ小ホールにて見る。4月11日(火)から始まった「没後10年 映画監督 大島渚」の1本。310円。絞死刑(118分・35mm・白黒) ATGと独立プロが製作費を折半する「一千万円映画」として製作された劇映画の第1作。強姦殺人を犯した在日朝鮮人R(尹)は、死刑の宣告を受けて絞首刑を執行されるが、彼の肉体は死刑を拒否する。死刑執行の失敗をめぐる茶番劇を通して、国家権力による暴力と、日本のナショナリズムの裏返しとしての在日朝鮮人問題を問い詰めた一作。カンヌ国際映画祭で上映され、海外での大島ブームに火をつけた。…
以上、『飼育』(1961:大島渚)より 『飼育』(1961:大島渚)を、国立映画アーカイブ小ホールにて見る。4月11日(火)から始まった「没後10年 映画監督 大島渚」の1本。310円。飼育(105分・35mm・白黒) 大島にとって初の独立プロ作品であり、芥川賞を受賞した大江健三郎の原作小説を大胆に解釈してシビアな寓話に仕立てている。第二次世界大戦末期、山間の村に米軍機が墜落。村人たちは、生き残りの黒人兵(ハード)を鎖でつなぎ、「飼育」することになるが、それによって閉鎖的な村社会に混乱が生じていく。以後、大島と数々の傑作をものする田村孟が脚色を手がけ、松竹時代の作品で撮影助手を務めていた舎川芳…
以上、『日本の夜と霧』(松竹大船1960:大島渚)より 『日本の夜と霧』(松竹大船1960:大島渚)を、国立映画アーカイブ小ホールにて見る。4月11日(火)から始まった「没後10年 映画監督 大島渚」の1本。310円。日本の夜と霧(107分・35mm・カラー) 安保闘争がきっかけで結ばれた新聞記者(渡辺)と女子学生(桑野)の結婚披露宴を舞台に、学生運動家OBたちの激しい政治論議が、大胆な長廻しの撮影とともに繰り広げられる。公開からわずか4日で打ち切られたことに対し、大島は「政治的弾圧」であると抗議して翌年に松竹を退社する。大島自らが「芸術的な集大成」と呼ぶ一本であるが、再公開まで3年近くを要し…
以上、『太陽の墓場』(松竹大船1960:大島渚)より 『太陽の墓場』(松竹大船1960:大島渚)を、国立映画アーカイブ小ホールにて見る。4月11日(火)から始まった「没後10年 映画監督 大島渚」の1本。310円。太陽の墓場(88分・35mm・カラー) 『青春残酷物語』の好評を受けて提案された続篇的作品の製作を断り、大阪・釜ヶ崎を舞台に愚連隊、売血、戸籍の売買などを行いながら生き延びる人々とそこに鬱積する暴力とエネルギーを描いた群集劇。急ピッチで製作を進めるため、大島は石堂淑朗と初めて共同で脚本を執筆した。ヒロインを演じた型破りな新人女優・炎加世子の登場も話題を呼んだ。 以上、国立映画アーカイ…
以上、『天草四郎時貞』(東映京都1962:大島渚)より 『天草四郎時貞』(東映京都1962:大島渚)を、国立映画アーカイブ小ホールにて見る。4月11日(火)から始まった「没後10年 映画監督 大島渚」の1本。310円。 今回が2度目。初見と同じく、暗くてどんよりとしていておもしろくない、という感想は変わらず。 今回、再認識したのは、『日本の夜と霧』の時代劇版ともいうべき、ディスカッションドラマ、ということである。冒頭のカメラ据えっぱなしの7~8分ぐらいの長回し。花澤徳衛の声だけが確認できる暗がりの中での、これからどうすべきかの議論が延々と続く。あるいは、ラストでの大川橋蔵、吉沢京夫、花澤徳衛ら…
集計再び(監督編) 2018年、はてなダイアリー→はてなブログ移行時に、折角だからと、劇場版などを除いて「確実に最初から最後まで見た特撮TV作品」(※当時、集計対象53作品)の監督・脚本をカウントしてみた事があったのですが…… ■〔閉店阿呆企画1(※脚本家編)〕 ■〔閉店阿呆企画2(※監督編)〕 ふと思い立って、その後の約5年間で見た作品を、同様のルールで集計してみました。 基本的な集計ルールは「劇場版は除く」「確実に最初から最後まで見た作品のみ」「連名の場合は全て1カウント」とし、2018年後半には視聴途中だった作品から2023年始めに最終回を迎えた作品まで、およそ約5年間で新たに見た作品が…
1984年作品、貞永方久監督、藤田まこと 山田五十鈴 中条きよし 三田村邦彦 鮎川いずみ ひかる一平 片岡仁左衛門 芦屋雁之助 石堂淑朗 中井貴恵 朝丘雪路 菅井きん 白木真理出演。中村主水(藤田まこと)は姑のせん(菅井きん)、嫁のりつ(白木真里)と猿若町へ出かけた。 初夏のお江戸は初下りの上方人形浄瑠璃の此竹朝之助(片岡仁左衛門)等の評判で持ちきり、今日はその乗り込み、番附配りが中村座前で行われるのだ。 この平和な日常の中で、身元不明の屍骸があちこちで見つかる。 どうも仕事人らしいと思われるその屍骸の口には三途の川の渡し賃、六文銭が・・・・・・。 それを聞いた元締・おりく(山田五十鈴)の顔色…