~ 追憶 武仲 ~ 由子さんは一度そういう気分になったら、 どうしても、 たとえそれが来客中で在ったとしても、 そうしなければ気の済まない性格なのだ……。 ・・・・・・・・・・・・・・・ 由子さんとテーブルに着いたとき、 幸いにもまだ料理は出来て居なかったのだけれど、 理科の先生の、 「もういいよー、つくってー」 というあいつへの声かけで、 みんなに気を使わせてしまって居たことを知った。 折角気付かないふりをしてくれて居るのに、 ここで俺が謝ったら台無しになると思い、 心の中で礼を言い、 由子さんと一緒に、黙って座った。 理科の先生が、また台所へ向かって声をかける。 「武仲くんのピーマンは、私…