藍の里の、しろつめくさが咲く野原。 ふくのんは、朝からそわそわしていました。 「ふくりんさま、今日は…とくべつな日なんです」 「ほほう、とくべつとな。さてさて、何が起こる日じゃろうの」 ふくりんがゆるりと首をかしげたとき、 ぱたぱたっと、小さな足音が草をふみしめてやってきました。 「ふくの~ん、あ~そぼっ!」 やってきたのは、いつも野原をかけまわっている、ちいさな野うさぎ。 ふくのんはにこにこ顔で立ち上がると、うさぎの前に、まあるい花冠をそっと差し出しました。 ふくのんと野うさぎ 「おたんじょうび、おめでとう!」 うさぎはびっくりして、目をぱちくり。 「えっ、どうして知ってるの…?」 ふくのん…