「悲しかったって言いたかっただけ」というシリーズでは、私のこれまでの人生と向き合い、心に残っている記憶や思いを書いています。第1回は「自分は幸せな家に生まれた」と信じていた頃の話から始めたいと思います。 小さい頃、私は「自分はなんて幸せな家に生まれたんだろう」と思っていました。 父と母と過ごす日常にはあたたかい時間があって、家は一応、家族全員が揃っている場所だったから。 確かに感じたことだった。全て嘘ではなかった。 私が「幸せだ」と感じていたのは、主に幼稚園から小学校低学年頃までのことです。 母と弟と、毎日一緒に温かいお風呂に入る。3人で湯船に浸かり、私と弟はどっちがお母さんの上に乗せてもらう…