タイパ、コスパを重視する風潮の中で、何か大切なものが欠けていっているような気がする。怖いのは、何が欠けているのか誰も説明できないことだ。 「最近の若者はなっていない」という嘆きは古代エジプト文明の頃から言われていたらしいが、「なっていない」という不出来さを、年齢または世代でしか捉えることができていない点が問題ではないかと思う。似た社会的な条件の中で生き抜くために、必要なものと不必要なものを選り分けて獲得してきたのが若者だ。世代という枠組みに人が集まるのではない。生き抜いてきた集団のことを世代と呼ぶ。「最近の若者は……」とぼやく人たちにとって必要だったものが、若者たちにとってはそうではなかったと…