東京メトロ南北線東大前駅で切りつけ事件が起こったが、いずれ、犯行した人は裁判にゆだねられ、法律上、相当の償いをすることになる。 しかし、私は犯人を憎む気が起きないどころか、今の社会の闇がまさに顕在化した事象だと思う。 本人は、「教育熱心な親のせいで不登校になり苦労した」、「世間の人たちが教育虐待を連想しやすいと思ったから」と供述しているそうだが、その言葉自体は本当に正直なものだと思う。シュタイナー教育の人間観では、子供のころに刻まれた体験は、無意識に生き続け、成年になっても深く残ることを把握している。今回の例は、ほんの一部に過ぎない。教育虐待とは普通、親などが過剰に進路選択や成績評価に介入し、…