詩人。1939年東京生まれ。 慶応義塾大学国文科卒業。在学中から『三田詩人』『ドラムカン』を中心に詩作活動を展開、以後、先鋭的な現代詩人として高い評価を受ける。60年代末から詩の朗読を続ける一方、現代美術や音楽とのコラボレーション、写真などの活動も意欲的に展開。近年銅板オブジェの制作を始める。 主な詩集に『黄金詩篇』(高見順賞)、『オシリス、石ノ神』(現代詩花椿賞)、『螺旋歌』(詩歌文学館賞)、『「雪の島」あるいは「エミリーの幽霊」』(芸術選奨文部大臣賞)など。
最新著書『それでも写真が好き』 お問い合わせは、ヴォイスギャラリーまで。 * 今朝は久々に、午前4時過ぎ、まだ外が暗い時間に家を出発した。 久々に三脚を使い、長い露光時間で撮影をする。 そして今朝の1枚めは、上のような写真を撮ることになった。 風が強い朝。 木の枝が揺さぶられている様。 なかなか良い。 その後しばらく、調子良く撮影を続ける。 でも気がついたら、バッテリーの残量が赤く表示されていた。 あらら。 で、いったん家に帰ることにする。 すぐに充電を始め、朝食を食べながらテレビを見る。 そして8時半。 再度、家を出発した。 何だか家にいたくなくて、ひたすら外を歩く。 詩人の吉増剛造が、中原…
朝に鳴く鳥の声に 今までに聞いたことのないのが加わる。 馴染みのシジュウカラに ギターの低い弦の音のような鳴き声が重なる。 それを聴きながら 朝ご飯のパンを齧り ミルク紅茶を一口啜る。 ポプラの木の葉に 金色の毛虫が群がるのは 毎年の夏の終わり。 その毛虫が好物の野鳥が ポプラに群がり 食べる音が 微かに聞こえる。 そして 昼ごはんの後に ポプラの下を用事で歩いた後 ちゃんと私の肩に 小さな金色の毛虫が2匹。 驚いたのは勿論だ。 夕方の空 それは美しいものだった。 ぐるりと見回した空に 淡いピンクとグレーの雲。 日暮れが30分早くなった。 吉増剛造と並行して ソローの「メインの森」を再読してい…
蔓穂(ツルボ) 10日 朝。 霧で周りの山が見えなかった。 その霧が晴れると 雨が降った後のように 草や木々 道が濡れていた。 それが とても爽やかな美しさだ。 今日私は何をしたのか? 毎日の家事 仕事をして 合間に吉増剛造を読んだ。 ウォーキングの時に かわいいピンクの花 蔓穂を見つけ 屈んで写真を撮った。 夕方の空を見上げて 雲が美しいと思った。 小屋のそばに植っているミントを摘んで それを刻み クッキーの生地に練り込み焼いた。 深夜に1日を振り返り 何か足りないと思う。
胡麻とほうじ茶のクッキー 深夜に強い雨の音が気になり スマホで気象庁の雨雲レーダーを見る。 赤と黄色は豪雨の印。 それがうちの上を動いている。 1時間で通り過ぎるのを確かめ眠る。 目覚めると 水をたっぷりと含んだ木々と土。 窓から差し込む明るい光に ほっとする。 涼しい風と 高い湿度が混ざり合う空気。 昼ご飯の後 少し前に買った「吉増剛造詩集」を読み始める。 今年84歳の吉増剛造の 20代の姿が 日記の章に 活き活きとして現れるのを 不思議な気持ちでパラパラと読んだ。 軽いぎっくり腰で 腰を摩り摩りの1日だった。
昨日の土曜日(4/8)は、午前は晴れていたが、午後は天気が荒れた。午後3時~4時で東京都美術館で開催しているエゴン・シーレ展の入場予約を前日にしておいた。もう一つ、これも前日の金曜に、土曜午後6時50分から10時20分まで池袋の新文芸坐で開かれる、故ジョナス・メカスとの思い出や彼の生きた跡を訪ねて、メカスの朋友だった詩人吉増剛三がニューヨークを訪ねる旅を中心に記録したドキュメント映画「眩暈」の上映と、上映後のトークショー等の予約もしておいた。実は最後の一席を予約したのが私だった。友人某さんからラインで、もうすぐ売り切れそうだ、という連絡をいただき、満席にはならないだろうから当日行けば大丈夫だろ…
池袋にある新文芸坐(初めて行った)まで、ururundoさんに教えてもらった「眩暈」を観に行く 当日のみの上映ということで、チケットは完売 ジョナス・メカス 2019年に96歳で他界したアメリカの詩人であり、映画監督 リトアニアの出身で、ナチスに捕らえられ強制収容キャンプに収容された(後に脱出し、数年後に難民船でニューヨークに渡る) そんなメカスを師と仰ぎ、また友として50年以上の交流があった日本の詩人・吉増剛造が、亡くなって1年後の2020年1月に、ニューヨークに向かうドキュメンタリー映画 メカスの自宅を訪ね、息子のセバスチャンに再会し、亡くなる前は特に苦しむことも無く弱っていったと聞き、安…
新風館のUPLINK京都 「眩暈 VERTIGO」 10日 ドキュメンタリー映画 「眩暈(めまい) VERTIGO」を観た。 キネマ旬報の記事で紹介されていた 夫曰く「いかにも私の好きそうな映画」。 詩人吉増剛造が 同士とも呼べる 米国前衛映画の先駆者、詩人の故ジョナス・メカスの幻影と共に マンハッタン ブルックリン コニーアイランドへ 再訪する。 2時間のストーリーを短く言えばこれだけだが・・・ 詩人は 地下鉄に乗っている時も メカスのスタジオでも 街を歩く時も 禅僧が瞑想するかのようなふぜいで 詩を書き 語る。 そして メカスのスタジオで書いた詩の最後 「眩暈(めまい)! メカス!」と力強…
図書館から借りてきた3冊の吉増剛造の本は 広辞苑のように分厚いの 1センチほどの そして A4サイズより 少し小さいの。 A4サイズより少し小さい詩集が「オシリス、石の神」だ。 生成り色のざらりとした紙に 文字が凸版印刷されており カットされたページの上部は不揃い。 最後のページには 和紙に朱印が押された 美しい蔵書票が貼ってある。 久しぶりに出会った 丁寧に作られた美しい本。 詩集の中の一つ (色物の) 20代から名前だけは知っていた。 ドキュメンタリー「眩暈 VERTIGO」を知り 読んでみたいと思った。 今更ながらではあるが 今がその時なのだろう。 楽しみに読んでみたい。 ururund…
おやつ(コーヒーとケーキ) 夜の間に雪が降り それは 積もった雪の下が透けて見える程だ。 朝の7時前から明るくなるが 山の向こうから 太陽が顔を出すのは午前9時過ぎ。 屋根から溶けた雪が 雨水のように 雫となって落ちてくる。 小屋の周りの雪は まだ30センチ程の厚みで残り 道路脇の温度計は夕方6時で−1度。 比良山系の山は白く 春の兆しも見えない。 図書館で定期購読している「キネマ旬報」で とても面白い映画の記事を読んだ。 『眩暈 VERTIGO』 「詩人 吉増剛造が盟友故ジョナス・メカスの幻影を マンハッタンとブルックリンに追いかける。 実験映画の巨人と言われた メカスの一周忌に レクイエム…
とうとうこの連載も パート⑩まで来た。 あまり長くだらだらと続けても しょうがないと思うので、 今回で最終回にしたいと思う。 前回の記事で 著者の吉増剛造(よしますごうぞう)氏の詩に対する 姿勢や考え方を読み解いた。 それは言語や文法、制度、既成の枠組みなど 「かたちあるもの」を突き破って その彼方(かなた)にある「根源」の世界へと 至ること、 そのために激しく「身悶(みもだ)え」しながら 詩作へと向かうこと であった。 今回はその続きとなる。 著者は「書く」という行為 そのものにも工夫をこらす。 ただふつうに書くのではない。 目をつぶって書いたり、 紙にインクを垂らしたり、 時には鏨(たがね…