こんにちは。きのひです。 「雨柳堂夢咄(うりゅうどうゆめばなし) 其ノ七」 波津彬子 著 を読みました。 2007年10月1日新版第1刷発行 雨柳堂に「料理屋 虎月楼(こげつろう)」の女将(おかみ)がやってきました。 「うちの『虎石』を置くために堆朱(ついしゅ)の台が欲しいんです」 堆朱とは朱うるしを厚く塗り重ねてそれに模様をほったもの。 要望をあらかじめきいていた店主は用意してあった台を見せました。 「これなんですが」 「花台には大きいが卓(たく)には低くて小さい。何か特別な物を乗せるために誂(あつら)えたのではないかと」 女将はその台をひと目見て「ああ見事な堆朱ね」 「今からこれだけの物を…