アートディレクターの森本千絵さんが「欲張りってチャーミングっていうか生きる力になる」というようなことを言っていて、私はそれを聞いて励まされたというか明るい気持ちになり「やりたいことなんでもやってみよう!」と前向きになったのだが、それから10年近く経ち、今はもうそんな元気がない。 やりたいことが減ったわけではないし、今でもあれやってみたいこれやってみたいと色んな欲はあり、欲張りなのだが、それを叶える気力体力がない。欲はあるのだけれど。これが枯れていくってことなのか。ほんとに生きるって気力体力がものを言う。 最近、恒川光太郎『夜市』を再読した。一年前に初めて読んだ時は、「ホラー小説と聞いてたけど思…