「起業を扱った作品」の第三弾は、杉田望『無限大経営』(幻冬舎、2011年)。三回も裏切りに会い、倒産の危機に瀕するものの、再起を図り、飛躍を遂げてきた実業家・菱木貞夫。彼の半生を描いたドキュメンタリー小説です。モデルは、「染めQテクノロジィ」(2010年にテロソンコーポレーションから改名)の代表取締役・菱木貞夫。登場人物の一部は仮名。 [おもしろさ] 「裏切り、危機、再起」というドラマを三回も 「中小企業の経営が難儀なのは、人繰りと資金繰り」という言葉に示されるように、菱木貞夫もまた、その二つには苦労させられます。彼の考え方は、とてもユニーク。人事について言えば、「性別も、老い若きも、経験の有…