怒涛のクッツェー祭りです。短編集『モラルの話』(くぼたのぞみ訳 人文書院, 2018)を読みました。 モラルの話作者:J・M・クッツェー人文書院Amazon それぞれ独立したお話ですが、 順を追って読んでいくことをオススメします。動物、人間、夫婦、親子の日常と、 老いと死にまつわる7つの物語。前半はコミカル、徐々に哲学的深みを増し、 最後には奈落の底へと突き落とされるといった感じ。「これは死について考えるためのレッスン」 だと、訳者くぼたのぞみさんは述べられています。翻訳も素晴らしく、読み返すたびに価値をみいだせる作品です。 <目次> 犬 物語 虚栄 ひとりの女が歳をとること 老女と猫たち 嘘…