ランキング参加中小説家 拷問には目的がある。口を割らせて情報を得るか、改宗させるなどである。だが中には拷問〝そのもの〟を楽しむ輩がいる。 人気のない山奥の小屋に手足を固定され、目隠しをされ、猿轡をはめられた太った男が椅子に座っている。伊吹は男にそっと近づき、その禿げ上った頭を中指でなぞると哀れな男は肥えた腹をブルブルと震わせた。ねっとりとした脂汗が指の腹にまとわりつく。その指を口に含むと天井を見上げながら舌でゆっくりと味わった。男の耳元に顔を寄せゆっくりと呟く。「お前から滲み出てきたこの汗は、豚の味がする。」男がグゥゥとかアァとか声にならない息を吐く。「では、始めよう。今日は朝までたっぷり時間…