「座右の銘」という言葉があります。意味を調べると「いつも自分の座る場所のそばに書き記しておいて、戒めとする文句」とあります。恐らくそれから派生した造語だと思いますが「いつも傍らにおいて何度も読み返したくなる本」のことを「座右の書」などといいます。哲学者、永井均さんの本は何冊か読んでいますが最初に読んだのが『ウィトゲンシュタイン入門』です。もう25年くらい前になるでしょうか。人に貸したりあげたりして、その度に何度か買い直していますが常に側にある本でした。(永井均著/筑摩書房)永井さんの著作の面白さを問われたら「(立ち読みでもいいので)巻頭(通常「はじめに」と題された部分)もしくは「第一章」の冒頭…