パニック障害とは、身体的には問題ないにも関わらず「氣」の塊が胸腹部から喉にかけて上衝し急に強い不安や恐怖感が湧き上がる発作です。漢方ではこうした症状は丁度、豚が走り回るように感じられることから「奔豚氣」と表現しています。本症は発作性に起きることから、対人関係や職場などの社会生活をしていく上で大きな支障を来たします。 パニック障害の診断には、米国精神医学会の診断基準(DSM-5) が頻用されています。下記に示す症状のうち、4項目以上が陽性で1ヶ月以上発作がある場合に陽性とされます。東洋医学的には、寺澤らが「奔豚氣」を7項目の症状による診断基準を提案しており、3項目以上を満たすときに「奔豚氣」とさ…