1943年7月 旧満州新京生まれ。 父:新田次郎氏(直木賞作家。『孤高の人』、『八甲田山死の彷徨』など) 母:藤原てい氏(『流れる星は生きている』) 東京大学理学部卒業。東京大学大学院理学系研究科修士課程修了。理学博士。 現在、お茶の水女子大学理学部数学科教授。 2000年からお茶の水女子大学附属図書館長も兼任。 専門は数論。哲学科の土屋賢二と並ぶお茶大の看板教授。
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藤原 最近、日本の小学校で児童一人につき一台、タブレット(電子端末)を配っている、と聞いたときは目の前が真っ暗になりました。教科書をなくす第一歩と思います。小学生から教科書も読まず、自由にタブレット画面に没頭させたら、本の世界に対する憧れなど生まれようがない。「本嫌いの子供を量産する」という亡国の教育に、文科省も教師も親も命懸けで邁進しているのです。(藤原正彦『スマホより読書』PHP文庫、2023) こんばんは。先日、クラスの子が山岡荘八の『徳川家康』を読んでいて驚きました。全26巻。世界最長の小説のひとつとして「ギネスブック」に認定されている超大作です。聞くと、父親が山岡荘八のファンだそうで…
流れる星は生きている (中公文庫) 作者:藤原 てい 中央公論新社 Amazon 暫く大阪の空き家へ行けておらず、また私だけでも、お盆にせめて墓参りをと思っていたのですが、台風が来ていたので諦めました。台風の後にすぐに行こうと思ったのですが、いろいろ家を離れられないことがあり、今頃ですが、明日行こうと思います。 母は元気な頃は、お盆に私が帰省すると、3か所(私の父と兄の墓、自分の両親の墓、父の両親と姉の墓)の墓参りに行くと言うので、私が車に乗せて約3時間で回ることが日課になっていました。いつも、朝から出て昼過ぎに終わり、外環状線にあるチェーンのステーキ店でランチをするのが、ルーティーンになって…
海外で日本人であること 藤原さんの『若き数学者のアメリカ』の中で、アメリカという国、アメリカ人、そしてそこで日本人としてどう生きるべきなのか、というようなことが語られている。 megureca.hatenablog.com 海外で日本人であることって、どういうことなのだろう。。。以前、海外に行った日本人家族が、日本語教育にどう向き合うかということが仲間との会話で話題になったことがある。日本人とは? 日本人らしさは日本語と関係があるのか? 海外にいる時、何をもって私たちは日本人なのだろう。。。 もちろん、日本のパスポートを持っている、、という客観的な定義はあるかもしれないけれど、自分自身の主体と…
若き数学者のアメリカ藤原正彦新潮文庫昭和56年6月25日 発行平成15年9月30日 28刷改版 平成18年4月5日 33刷 藤原さんご自身が、自分の著書の中でも名作?!といっていたか、良く書けたと言っていたか、、、、さだかではないけれど、読みたいと思ってメモを付箋で壁に張ったまま、しばらく忘れていた。掃除をしていて、自分のメモが目に入り、図書館で借りてみた。 表紙の裏には、”1972年の夏、 ミシガン大学に研究員として招かれる。セミナーの発表は成功を収めるが、冬を迎えた厚い雲の下で孤独感に苛まれる。 翌年春、フロリダの浜辺で金髪の娘と親しくなり、アメリカに溶け込む頃、 難関を超えてコロラド大学…
インターネットの普及は、情報収集に費やす時間を短縮してくれました。そして、人類は、かつてないほど多くの情報に接することができるようになりました。では、インターネットを利用することで、知識が増えたかと聞かれると、そうでもないように思えます。情報のシャワーを浴びれば、それが知識となって頭の中に定着しそうですが、ウェブ上の情報は、なぜか短時間で脳内から消去されてしまいます。どうやら、情報に接する機会が増えることと知識が身に付くことは別物のようです。
新版 流れる星は生きている藤原てい1976年3月 初版1刷2007年4月 初版22刷 2015年8月 改訂版1冊偕成社 *本書は、1965年に小社から「少年少女世界のノンフィクション」シリーズの一冊として刊行され、1976年に偕成社文庫に収録された『流れる星は生きている』を底本としています。著者の了解を得て、一部を割愛し、読みやすく児童向けに構成、編集をしたものです。 藤原正彦さんの『日本人の真価』のなかで、父・新田次郎さん、母・藤原ていさんのことが述べられていた。本書『流れる星は生きている』は、藤原ていの作品。戦後、藤原さんが3歳で迎えた大陸からの引き上げの時の様子がつづられたもの。 meg…
世にも美しい日本語入門安野光雅 藤原正彦ちくまプリマー新書 2006年1月10日 初版第1刷発行2006年2月25日 初版第3刷発行 藤原さんの『日本人の真価』の中で出てきて、面白そうだったので図書館で借りてみた。 megureca.hatenablog.com 著者の安野光雅さんは、藤原さんの小学校時代の図画工作の先生。画家・絵本作家。日本人ならきっと一度ならずとも目にしたことがあると思う。 ほんわか、こころが和むような絵。画家でありながら、科学・数学・文学などに造詣が深く、森鴎外訳「即興詩人」を口語訳した「口語訳 即興詩人」なども書かれている。数学者でありながら、エッセイストでもある藤原さ…
日本人の真価藤原正彦文藝春秋2022年7月20日 広告で目に入って、気になった。藤原さんの本だから、面白そうだと思って図書館で検索したら蔵書になっていたので借りてみた。わりとすぐに借りられた。 藤原さんは、著書『国家の品格』で有名だけど、本業は数学者。1943年満州新京生まれ。新田次郎・藤原てい夫婦(ともに作家)の次男。東京大学理学部数学科卒業、同大学院修士課程修了。理学博士(東京大学)。コロラド大学助教授、お茶の水女子大学理学部教授を歴任。78年『若き数学者のアメリカ』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。 藤原さんの文章は、読んでいて面白い。さすが?!作家夫婦の子どもだ。出だしから、いい感じ…
読んだ本 引用元:版元ドットコム ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ 藤原氏「ナショナリズムとは自国の利益のみを追求する恥ずべき考え方である」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 藤和氏の本は面白い。 まだ読んでいない古典の話が盛りだくさんであったので読んでみた。 今日は内村鑑三と福沢諭吉の書いた内容について読んだ。 ・・・ 藤原氏は、大事なことは本の内容だけではなく、時代の文脈を読み取ることであると話す。 福沢諭吉『学問のすゝめ』は実学の重要性について説くが、当時は西洋によるアジアの植民地化を危惧…
ゆとり教育どころか日本の学校や職場は「事実上の兵役制度」になっている 2022年7月8日の11時31分頃、奈良県で参院選のための街頭演説をしていた安倍元首相が容疑者自作の銃で背後から2発撃たれ、そのうち1発が命中して心肺停止状態になる事件が発生した。安倍は病院に搬送されて蘇生措置を受けたが、17時3分に銃撃による失血のため死亡が確認された。日本の首相経験者が殺害されたのは戦後では初の事例で、戦前も含めると7人目になる。 事件の2日後である7月10日に実施された参院選は自民党が選挙前の55議席から8人増加して63議席となり勝利した。過去には選挙期間中に大平首相が急死した1980年の衆参同日選挙で…
2024/12/01 『乙嫁語り ⑮』(森薫:著・青騎士コミックス)を読んだ。 まずは出版社の紹介文を引く。 スミスとタラスはイギリスへ。待望の15巻が発売! 中央アジアを訪れていた英国人のスミスは、現地で恋した薄幸の乙嫁・タラスを連れてイギリスへ帰った。父や母や兄弟に、スミスはタラスを紹介する。果たして家族の反応は……? 乙嫁語り 15巻 (青騎士コミックス) 作者:森 薫 KADOKAWA Amazon 前巻(14巻)を読んだのはほぼ1年前。私がこのシリーズ第1巻を読んだのは2012年のことだったから、もうかれこれ12年以上にわたって新刊が出るのを心待ちにして読んできたことになる。その間、…
週末はランニングをして、ストレッチをして、散歩して、図書館で本を借りて終わってしまった。 私はあまり住む所にこだわりはないのだけど、相方は今の所は好きだと言う。もう少し都心に近づき過ぎると人が多くて嫌だし、田舎過ぎると不便で車が必要。適度に緑があって、図書館も充実していて、山に行きやすいという意味では今の場所がベストかもしれない。 作家などは昔から都心近くに本宅、風光明媚なところに別荘を構える人が多いようだ。 北方謙三なんかは昔は御用邸だった海の見える別荘を持っているそうだが、こういうのは別格として、浅田次郎は軽井沢に持っているという。椎名誠は本宅は新宿で、別荘は北海道で山一つを買って別荘を建…
本書には前回(2)で挙げたとおり、美点がいくつもある。ぼくの評価も☆☆☆★★。双葉十三郎のことばをもじっていえば、「読んでおいていい作品」だ。 なかでもコロナ禍をいち早く採りあげ、あの状況の核心のひとつに迫ったことは、現代文学のひとつの生きのこる道をしめすものとして興味ぶかい。 舞台は、コロナ禍に見舞われたオーストラリアの人里離れた尼僧院。訪れた無名の語り手 I が長らく滞在することに。という設定は、ロックダウン、不要不急の外出禁止(自粛)、在宅勤務などを余儀なくされた、あの「世界総引きこもり」の象徴といってもいいだろう。 しかし災い転じて福となす。ステイホーム生活だからこそ、なにかできること…
国家と教養/新潮社/藤原正彦 posted with カエレバ 楽天市場 Amazon Yahooショッピング ? 何を読み取ったか 歴史の流れとその転換期によって教養がどのように変遷してきたのか 教養とは具体的に何なのか 教養があればどうなるのか 何を感じてどうしたいと思ったか 教養があれば物事を大局的に捉えることができて価値基準やバランス感覚も養われるので、重大な局面での判断を大きく誤ることは無いというのは妙に納得できました。 これまで興味の対象ではなかった人文や文芸から心を養うことの大事や必要性を強く感じました。ワタクシの人生において、読書感想文などで必要性が無ければ小説を読もうと思わな…
やっと、ブログの続きが書けるぜ。 11/6。実家に泊まった私たち家族。子は眠れるかどうかと思っていたが、爆睡。7:00に授乳すると私も目覚めてしまい、そのまま起きた。一番に起きていた母に声をかけて、のんびり朝ごはんを食べる。美味い。夫が来たおかげか、母がちょっぴり気合を入れているのが分かった。続いて父も起床。父がそのうち昔のホームビデオ(3歳の私が映っている)を流し始めた。私も自分で見たことがない映像の数々w なかでも編集されたチャプターのタイトル『瞬間芸の数々』(※私のことです)では、私が親の前で何か言う度にポーズし、そのあと1人で爆笑するというのを繰り返しており(笑)見ているこちらが笑って…
《ウクライナ戦争や中東の紛争が長期化し、国際情勢は激変している。先進7か国(G7)の一角を占める日本は外交力を発揮し、国際社会の安定に貢献すべきだ》(2024年10月28日付読売新聞社説) 確かに、日本は「先進国」の一角を占めている。が、だからといって、日本が世界の指導者だと世界が認めているわけではない。故安倍首相が特殊だったのであり、岸田前首相にせよ、石破新首相にせよ、世界は何の指導力も期待してはいないに違いない。あるとすれば、日本を金蔓(かねづる)として使いたいということだけであろう。実際、歴代首相は、海外支援し続けている、否、し続けさせられている。 《日本周辺の安全保障環境はかつてないほ…
2018年(6年前)から小型成長企業JALCO株の中長期投資を楽しんでいます。 今回の話題は、2024/11/6付けの日本経済新聞に載った、哲学者・鷲田清一阪大名誉教授(元総長)の「期待高まる哲学」という論考記事を基に「株式投資」への応用について考察した内容です。 株式投資は、1.銘柄選択、2.売買技術、を組み合わせて誰でも楽しむことができます。そこにもう一つの要素、3.投資哲学、をどう掛け合わせるかがポイントだと常々考えています。 「銘柄選択」は「基礎データ」にプラスして「センス」が求められます。「売買技術」は「スキル」と「論理」が大事です。また株式投資における「投資哲学」には様々な局面にお…
皇室とともに 教育の目的は、 国家及び社会の形成者 です。 この目的達成の為に教育を行う、受験もそうです。 愛知県立旭丘高等学校は、昔、旭一中といって全国から受験を受けていたそうです。だから、合格をすると学帽を被る、それが、かっこよかったという。良い競争があったということです。人を蹴落とすことで、のし上がることは情けない。教育の標準化は平均化は、教育の低下を招く。クダラナイ制度改正にうつつを抜かす議員、教育委員会。 教育の欠陥は、昭和20年の四大教育指令にある。これを、国会で撤廃することから教育が改善される。河村たかし議員に大いに期待する。まずは、国民に四大教育指令のことを教える、理解してもら…
2024/10/27 『日本人の誇り』(藤原正彦:著/文春新書)を読んだ。 まずは出版社の紹介文を引く。 「個より公、金より徳、競争より和」を重んじる日本国民の精神性は、文明史上、世界に冠たる尊きものだった。しかし戦後日本は、その自信をなぜ失ったのか? 幕末の開国から昭和の敗戦に至る歴史を徹底検証し、国難の時代を生きる日本人に誇りと自信を与える、現代人必読の書。 日本人の誇り (文春新書) 作者:藤原 正彦 文藝春秋 Amazon この本を読もうと思ったのは自民党の総裁選挙の結果が出た日。つまり日本の新しい首相が決まった日である。先月の27日のことであった。私には残念な結果であった。「残念」と…
第171回芥川賞 バリ山行 恋愛ものとしてのフォーマット 狂人系ヒロイン妻鹿を語る サンショウウオの四十九日 叙述トリックにエンタメ要素あり キャラ立ちはエンタメっぽくないが…… オマケ:語り手の話 第171回芥川賞 ブロッコリーマンの読書会で芥川賞受賞作を毎回読んでいる(主催note→■)。今回はW受賞だったので二作読んだ。文藝春秋2024年9月号[雑誌]作者:藤原正彦,塩野七生,保阪正康,佐藤優,清武英利,内館牧子,桐野夏生文藝春秋Amazonちなみに芥川賞受賞作品を読むには単行本を買うよりも全文掲載されている号の文藝春秋を購入する方が得、今回は二作載っているので二倍得。補足557:石破茂…
・小室直樹が指摘する創価学会の失敗 その三 ・水戸学の限界 長年に渡る疑問が氷解した。原田伊織著『明治維新という過ち 日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト』(毎日ワンズ、2012年/改訂増補版、2015年/文庫化完全増補版、講談社文庫、2017年)という悪書がある。私はまんまと術中にはまった。首まで浸(つ)かり溺れそうになるタイミングで読了した。鼻が微(かす)かな異臭を嗅(か)ぎ取っていた。「臭いぞ」とは感じたもの反論できるだけの知識が私にはなかった。原田伊織による洗脳は成功した。 その後、本書の長州批判は反日左翼サイトのリテラなどで取り上げられて、安倍政権批判に利用された。原田伊織はもとも…
・『厚田村』松山善三 ・天皇の絶対的権威 ・親子が一緒に暮らすこともままならなかった明治時代 ・不遇は精神を蝕む ・気違い-マニア-虫-オタク ・人間的な手応え・憲法・必読書リスト その一 だが、滝田吾郎は鶴代がこれまで出会った誰よりも、深い人間的な手応えをもっていた。滝田の言うことなら、無条件で信じていいように思えた。【『石狩平野』船山馨〈ふなやま・かおる〉(北海タイムス、1967年連載/河出書房新社、1967、1968年/新装版、1989年/新潮文庫、1971年)以下同】 「打てば響く」とは反応のよさを表す言葉だが、「人間的な手応え」というのは中々出てくる言葉ではない。尊敬の念が立ち上がっ…
わたしの趣味は音楽で、いまもトランペットを吹いています。 高校の頃は、今よりももっと真面目に音楽のことを考えていました。 そのときから約30年後、ふと、こんな本を目にしたので手に取りました。 僕がジュリアードとバークリーで学んだこと: 音楽で生きていくために必要な51のルール 作者:藤原 清登 河出書房新社 Amazon 若きベーシストが渡米し、音楽勉強の記録。 それも、ジュリアードとバークリーという、クラシックとジャズを学ぶにあたってはともに最高峰の学校での記録! これは貴重な体験記であり、音楽を志す者にとって大きな助けとなる本です。 …のはずなのですが、読後の印象は妙にあっさりとしたもの。…
自民党の総裁室の椅子に座る石破茂新総裁=同党本部で 自民党の新総裁に選出された石破茂氏(右)と岸田首相、高市早苗氏(左)=27日、党本部 適材適所を百年の計で(2024年9月30日『産経新聞』-「産経抄」) 自民党総裁選後の両院議員総会で握手を交わす石破茂新総裁(左)と高市早苗経済安全保障担当相=27日午後、党本部(鴨川一也撮影) 奈良の法隆寺が来春から拝観料を値上げすると発表した。物価高などが理由で、東大寺や薬師寺も値上げしている。世界最古の木造建築、五重塔をはじめ国宝の堂宇は度重なる災害にも耐え、先人らが守ってきた。100年、千年と後世に伝えるためにはやむを得まい。 ▼その金堂などの修理を…
ノモンハン戦争 - 岩波書店 FROM ことばと国家 (岩波新書) 田中克彦 岩波書店 1981/11/20 - いもづる読書日記 アンソロジー 餃子 菊谷匡祐, 黒鉄ヒロシ, 小泉武夫, 小菅桂子, 小林カツ代, 今柊二, 鷺沢萠, 椎名誠, 東海林さだお, 南條竹則, 難波淳, 野中柊, 浜井幸子, 林家正蔵, パラダイス山元, 平松洋子, 藤原正彦, 古川緑波, 南伸坊, 村瀬秀信, 室井佑月, 山口文憲, 山本一力, 四方田犬彦, 渡辺祥子, 渡辺満里奈 パルコ 2016/04/28 - いもづる読書日記 満洲暴走 隠された構造 大豆・満鉄・総力戦 安冨歩 角川新書 2015年06月1…