私が薬剤師になったばかりの頃、鉄剤はお茶を飲むとダメな薬でした。確か、薬を飲んだ後はお茶を控えるように注意されていたと思います。でも、しばらくして、貧血の人は鉄分の吸収が亢進しているので、お茶を飲んでもさほど影響はないことがわかり、絶対にダメ!という説明はされなくなっています。 ここまでは鉄欠乏性貧血の話。ところが、いわゆる隠れ貧血では、お茶やコーヒーは悪影響を及ぼしているようです。ちなみに、貧血はヘモグロビン値で評価しますし、隠れ貧血は血清フェリチン値で評価します。また、血清フェリチンは、貯蔵鉄とも呼ばれます。 南里らの報告によると、コーヒーや緑茶の摂取量が多いほど、貯蔵鉄が減少する(血清フ…