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2017-01-01

謹賀新年

新年明けましておめでとうございます。


昨年は、『ハイスコアガール』の新旧比較が過去最高のブックマーク&1日での最高アクセス数になったり、アクセス総数がようやく200万を超えたりもしたのですが、8月以降は主に仕事関連のほうでいろいろと立て込みまして、心身ともにけっこうしんどい状況が続いたために5ヶ月以上サイト放置のまま年を越してしまうことになりました。


今年も忙しいことは変わらないでしょうし、相変わらず更新頻度は低いかもしれませんが、昨年より上向きにしていきたいとは思うところです。

それ以外としては、部屋がいい加減危険域(本の量的に)なので、部屋の片付けと電子書籍への移行を本格的に進めて行かねばならんかなという感じです。むしろ更新よりもそちらの優先度が高いかも。


相変わらず更新頻度が低いままという状況ではありますが、今年も宜しくお願い致します。

[]2016年お気に入りマンガセレクション

昨年は8月以降はまったく更新ができなかった訳ですが、まぁそれなりにはマンガは読み続けていましたので、2016年に読んだ作品で印象に残ったものを幾つか挙げてみようかと思います。


昨年末に参加したオフ会で5作品ほど挙げてみたのですが、それに少し追加しつつちょっとコメントを加えてみる感じですね。その際の様子は、以下のリンク先をご参照ください。


では早速開始。



大戦を経て、身体の一部を機械化した「拡張者(エクステンド)」と呼ばれる人間とそうではない生身の人間が共存するようになった世界を舞台とした作品です。

そんな世界で、拡張者にまつわるトラブル処理を生業とする「処理屋」をやっている乾十三が主役なのですが、彼の造形があまりにも秀逸といいますか、頭部が拳銃なのですね。

そして彼は「拡張者を遠隔操作できる技術」を持つ少年を保護したことから様々な事件・陰謀に巻き込まれていくことになる訳ですが、この作品、とにかくアクションから台詞回しから非常にスタイリッシュで素晴らしいです。


『死人の声をきくがよい』で知られるうぐいす祥子さんの、初期作品になります。昨年、単行本未収録だった回も含む完全版として復刊しました。

『死人の声をきくがよい』の原型とでもいいますか、恐怖・怪異が日常を侵食していく感じや、難を切り抜けるも根本的な解決は置き去られたままで絶妙な後味の悪さを残す読後感、まだ恐怖はそこに在り続けているという感覚、これぞホラー!という作品です。


これは昨年自分が『ガールズ&パンツァー』に大いにハマったことも要因としてありますね。戦車道がない高校に通う少女が、大洗学園の優勝に触発されて非公式の戦車戦「タンカスロン」を始めて周囲に波紋というか影響を及ぼしていく、という内容です。

いわゆるスピンオフ作品になる訳ですが、この作品の興味深いところは、(他のスピンオフもそうかもしれないのですが)二次創作で描かれるような独自設定・解釈を作品に取り込んで作品に昇華させているように感じるところですね。逸見エリカとかとりわけそういうふうに見える(と個人的には感じる)。

絵柄・台詞回しともに非常にクセがある作品なので好き嫌いは分かれるかもしれませんが、ハマる人はハマると思います。


上記リンク先でタイトル間違っていました。少々こっ恥ずかしいです。

戦後間もない時期を舞台にした、家族を皆殺しにされた少女の復讐譚です。掲載媒体「やわらかスピリッツ」との齟齬が光ります。

確か単行本発売前後に「劇画の復権はここから始まる」という惹句を目にした記憶があります。個人的に劇画を劇画たらしめるものに「戦争(この場合太平洋戦争)を引き摺り続けている人物が中心となっていて、それが作品全体に陰影を与えている」というものがありまして(必須ということではないです。『ゴルゴ13』とか白土三平作品とか例外を挙げるのは容易です)、そういう意味では実に劇画だな、と思う次第。

闇市や焼け跡の混沌とした雰囲気、飛び散る血飛沫と内臓、人間離れした生命力と理性の崩壊をもたらすクスリ等、まさしくエログロナンセンスカストリ雑誌的な描写に溢れています。


GUNSLINGER GIRL』でも知られる、相田裕さんの新作。元々は同人誌で発表していた『バーサスアンダースロー』という作品のリメイク版になります。

高校での生徒会活動を描く作品なのですが、この生徒会に所属する複数名(もしかするとほぼ全員かも)が何らかのかたちで挫折を経験していて、「自分の夢を掴めなかった人が、どう自分と折り合いを付けて別の生き方を見出していくのか」が描かれています。自分も年をとったのか、こういう題材が非常に心に沁みてくる訳ですな。


塹壕の戦争: 1914-1918

塹壕の戦争: 1914-1918

ここからはリンク先からは漏れた枠です。


BD(バンドデシネ)作品です。作者のタルディはBDの巨匠のひとりに数えられる方とのことですが、作品の翻訳は殆どなく、代表作にも数えられるこの作品はようやく昨年翻訳が出ました。

第一次世界大戦の最前線が、複数の一兵卒の視点から描かれていく作品なのですが、この作品の特徴として挙げられるのは、マンガ的な演出を可能な限り排除したマンガというところ。コマ割りは(一部例外を除き)単調な3段コマのみ。『Dreams』よりも単調。戦争を題材としながらも、オノマトペ(擬音)や集中線といったものも描かれない。更には、フキダシすら非常に少ない。四角い枠で囲まれたモノローグが殆どを占めています。

内容としては実にショッキングでありながらも非常に静的な構成になっていまして、読み進める際には一つ一つのコマとじっくりと向き合っていくかたちになります。淡々と積み重ねるように描かれる、死と隣りあいの塹壕での日常。読むとかなり体力を削られるような感覚がありますが、普段読むようなマンガとは違った読書体験が得られると思います。


卯月妙子さんの新刊です。

タイトルが示すとおり、前作『人間仮免中』の続き、その後の日々が描かれています。

前作については、4年半ほど前に長めの感想を書いているので、よろしければそちらも併せて。これまでに書いたものの中でも、かなり時間を掛けたものでもあります。


詳細は割愛しますが(余裕があれば別の機会に)、業火に呑まれ続けながら生きてきたような卯月妙子さんが、その彷徨の果てに遂に辿り着いた地平とでも言いますか。そこに辿り着けたことが、只々嬉しい。そんな作品です。



他にもいろいろありますが、このあたりで一区切り。

今年も面白いマンガを出会えるといいな、と考えつつ、本日はこのあたりにて。

2016-07-27

[]『ハイスコアガール』新旧比較

先日、『ハイスコアガール』の6巻が発売されました。



SNKプレイモアとの諸々のトラブルならびに和解を経ての、実に2年7ヶ月ぶりの新刊となります。万感の思いといった趣がありました。

それに合わせて、絶版状態になっていた既刊1〜5巻に関しても、『ハイスコアガール CONTINUE』と改題されて同時発売。各巻に新規描き下ろしエピソードが収録されている他、加筆修正も加えられているとのこと。


そして気になってしまうのが、どのような加筆修正が加えられているのかという点です。そんな訳で、些か下世話なのかもしれませんが調べてみることにしました。


既刊箇所ではありますが内容にも少なからず触れますので、以下の文章は収納しておきます。読み進める際にはご注意ください。



続きを読む

2016-04-24

[]エレン・ベーカー先生をこの手に

今月始め、「エレン・ベーカー先生」がずいぶんと話題になりました。

東京書籍が出している中学英語の教科書『NEW HORIZON』の、平成28年度版に登場するキャラクターです。「教科書」から連想されるやや堅苦しい印象とは正反対の、何とも可愛らしい絵柄が twitter で話題となりみるみる内に広く拡散、pixiv とかでも二次創作イラストが次々と描かれ...という経緯をご存知の方も多いかと思います。自分の twitter や tumblr でも、ずいぶんとエレン先生を見掛けたものです。


またそこからの派生といいますか、権利者へ二次創作に関しての問い合わせをして、それに対しての異論反論が...という騒動があったことをご存知の方も少なからずいらっしゃるかと。詳細はこのあたりをご参照戴ければと思います。


騒動を受けて、東京書籍からもコメントが出ました。


エレン先生のイラストを担当した電柱棒さんも、時期を同じくして twitter を開始していますね。


現時点では騒動も収束してきたといいますか、ずいぶんと話題も落ち着いてきたなという印象があります。瞬間的に大きな盛り上がりを見せ、数日経って落ち着きを見せていく傾向は、一昨年・昨年と話題になった「ゼミママ」とか「ヘスティアの紐」とかに近いなと思います。



さて、一連の騒動をざっと触れてみた訳ですが、それらを眺めて感じたのが、「二次創作しか存在しない、原典不在に近い状況だな」ということです。ファンアート・二次創作・それらについての持論・言説的なものは無数にあるものの、オリジナルがあまり見当たらないように感じた訳ですね。

そこで、


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(『NEW HORIZON English Course 1』22ページ。)


実際に買ってみました。( ^ω^ )

因みにこちらは、Unit 1 、いちばん最初の課になります。エレン先生が自己紹介をしているイラストですが、やはり「教科書」で漠然とイメージする図像とは一線を画する印象がありますね。


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こちらが購入した『NEW HORIZON English Course』の 1〜3 になります。

実際に目にして思ったのが、「予想より大きい」ということでした。自分の記憶では『NEW HORIZON』ってA5版(年齢がバレる可能性あり)だったのですが、それより一回り大きいですね。


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(A5版サイズ書籍との比較。)



そして実際にページをめくってみると、いろいろと気が付くこともあります。

端的に言ってしまうと、電柱棒さんのイラストは思ったほど多くありません。

実際に目にするまでは、教科書全体に電柱棒さんが描くイラストが溢れているのかなと思っていた訳ですが、そうでもない。違うタイプのイラストも多数収録されているのですね。

幾つか挙げてみましょう。



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(同書5ページ。)

教室内で使われる英語を解説しているイラストになります。

こちらのイラストは、前述の「漠然とイメージする」イラストに近いですね。


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(同書6〜7ページ。)

別イラストです。

ちょっと絵本っぽさを感じるタッチになっています。


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(『NEW HORIZON English Course 2』86ページ。)

こちらは落語の「饅頭こわい」を英語に翻案した文章に添えられたイラストになります。イラストもアメリカンな絵柄になっていますね。


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(『NEW HORIZON English Course 1』129ページ。)

個人的にかなり気に入っているのがこちらです。

宮沢賢治の代表作のひとつ『注文の多い料理店』の英訳に添えられたイラストなのですが、ちょっとロバート・クラムっぽさを感じさせるアクの強い筆致が良い味わいを醸し出しています。



このように多種多様なイラストが混在している訳でして、エレン先生を始めとする電柱棒さんが描くイラストは思ったほど多くはない。

と、言うだけでは説得力がやや薄いかなと感じたので、数えてみました。( ^ω^ )


全体のページ数と電柱棒さんのイラストが使われているページ数、ならびにエレン先生が登場するページ数は以下のとおりになります。パーセンテージも併記しておきます。


  • 『NEW HORIZON English Course 1』:総ページ数151・電柱棒さんイラスト掲載ページ数34(約23%)・エレン先生登場ページ数14(約9%)
  • 『NEW HORIZON English Course 2』:総ページ数149・電柱棒さんイラスト掲載ページ数16(約9%)・エレン先生登場ページ数0(0%)
  • 『NEW HORIZON English Course 3』:総ページ数151・電柱棒さんイラスト掲載ページ数12(約8%)・エレン先生登場ページ数4(約3%)

如何でしょうか?

数え間違いがあるかもしれませんし、パーセンテージに関しては四捨五入をしていたりする関係で若干ズレがあるかと思いますが、これに近い数字だと思います。個人的には、予想以上に低い数字と感じました。


とりわけ、『NEW HORIZON English Course 2』にはエレン先生はまったく出てこないんですね。これは、この巻では生徒たちのホームステイが中心に描かれることが原因なのですが、ちょっと予想外でした。

1〜3全体を通してみても、総ページ数451に対し電柱棒さんのイラストが掲載されているのは62ページ(約14%)、エレン先生登場ページは18(約4%)と、決して多くはない印象を受けました。


やはり、実際に確かめてみないと判らないことはあるな、と強く感じた次第です。



ところで、学校教科書は普通の書店や Amazon では取り扱っていないので、ちょっと入手が難しいです。買い方は概ね、以下のとおりになります。

  1. まずはこちらのページに行きます。:一般社団法人 全国教科書供給協会
  2. いちばん先のリンク、教科書の購入・販売についてのお問い合せ先をクリック。
  3. 自分の住んでいる都道府県をクリック。
  4. 教科書販売を行っている書店一覧を見つける。
  5. 最寄りの書店に行って購入(取り寄せになるケースもあり)。

だいたいこんな感じになります。自分の場合は取り寄せでした。

傾向としては、地元に昔からある「町の本屋さん」的なところで取り扱っているケースが多いのでしょうか、書店一覧に「有限会社」を度々見掛けますね。

3冊買って1000円もしないので、関心のある方は買ってみるのもありではないかと思います。


それではずいぶん長くなったので、本日はこのあたりにて。

2016-03-24

[]博士、お許しください !! 『チャージマン研!』のマンガ版の存在を知らなかったことを !!

『チャージマン研!』のことをご存知でしょうか?


1974年(1973年説もあり)に放映されたアニメ作品です。いわゆる10分アニメでして、全65話放送。

未来の日本の小学生・泉研が「チャージマン研」に変身し、地球を守るために魔王率いるジュラル星人と戦いを繰り広げる...というストーリーです。


ただこの作品、超過密スケジュール且つ超低予算で作られたらしく、その結果として非常に「独特な」演出が随所に見受けられます。あと10分アニメ故でしょうか、展開が凝縮され過ぎていると言いますか、早い話が超展開になりやすく、結果的に唯一無二の世界観が立ち現れてしまっている作品です。


長らく忘れ去られた作品であったのですが、2000年代になってその作品世界に再注目を浴びることになり、YouTube やニコニコ動画とかを中心に(恐らく局所的に、且つ熱狂的な)話題を呼び、グッズ類がいろいろ作られたりDVDが発売されたりもしています。最近だと、 LINEスタンプも出ましたね。(^ω^;)


どんな作品かは、現物を観て戴くのが最も判りやすいかと思います。


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上3つはとりわけ狂気を感じる衝撃的且つ有名な回(ニコニコ動画コメント付)ですが、YouTube のキッズステーション公式チャンネルでも配信中なのでこちらも併せて。

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そんな『チャージマン研!』ですが、先日書店を散策していたところ、このようなものを発見しました。



まぁ当然、見つけた瞬間に手に取っていますよね。

A5版(4コマ系と同じサイズ)で100ページ少々で1700円という値段でも迷わずレジに向かっていきますよね。


『チャージマン研!』コミカライズ版。

何でもアニメ本放送時、つまり1974年頃ですが、秋田書店の「冒険王」と徳間書店の「テレビランド」に掲載されていたとのこと。恥ずかしながら自分はまったく存在じたいを知らず、「そういえば復刊ドットコムで名前が挙がっていたような気も...」という朧げな記憶しかありませんでした。

実際長く復刊(?)希望の上位に食い込み続けていて、紆余曲折を経て遂に先日復刊を果たした模様です。


この『チャージマン研! コミックス&トレジャーズ』には、「冒険王」「テレビランド」掲載のチャー研がすべて収録されている他、『チャージマン研!』の解説・復刊に至るまでの経緯・放映年の検証・調査の際に発掘された貴重なグッズ・資料類も収録されています。更にはとりわけ有名な、上で取り上げた3話(コメント付のほう)の絵コンテ抜粋も掲載。資料的な価値も高い1冊となっています。


ほんの少しだけコミカライズ版の画像を。


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(みやぞえ郁雄 ほか『チャージマン研! コミックス&トレジャーズ』11ページ。)


「冒険王」版第1話の扉ページの一部になります。描かれているのは研と妹・キャロン。

何故「研」の妹の名前が「キャロン」なのかとか考えてはいけません。感じるべきです。

因みにアニメだと研の髪はやや茶色く、キャロンに至っては完全に金髪なのですが、「冒険王」版では何故かどちらも純和風の黒髪。キャロンという名前に対して圧倒的な違和感が生じていますが考えてはいけない、そういうものだと思います。

研がジュラル星人と戦うときに「そうはいかぬ」とか「そんなものスカイロッドにきかぬ」とか、*1小学生にしてはやけに古風な、渋い言葉遣いをしたりするのもご愛嬌。


ストーリーは意外と、というと語弊があるかもしれませんが、やや駆け足感はあるものの思った以上にちゃんとしている印象があります。第3話が個人的にお気に入りですね。


作者のみやぞえ郁雄さんはこれ以前にもコミカライズを多数手掛けておられるようですので、馴れたものだったのかもしれませんね。

因みにこの絵柄、妙に劇画っぽいなと思ったりした訳ですが、やはりというか何といいますか、その後麻雀劇画も描いたりしておられるようです。とりわけ『風の雀吾』は怪作として名高いようですな。因みに未だ現役で、現在は学習まんがを中心にご活躍されています。


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(画像上:同書90ページ、画像下:同書100ページ。)


こちらは「テレビランド」版。

同じ雑誌に掲載されたものでありながら、途中で作者交代がされています。第1〜2回は嵐清孝氏、第3回以降はもりを竜氏。こちらでは研の髪に色が塗られていないです。

このご両名に関しては殆ど情報がないようですが、絵柄的には、嵐氏はみやぞえ郁雄さんほどではないですが、若干の劇画っぽさを線に感じたりします。輪郭の濃淡とかですね。

もりを氏は、手塚治虫的な線に思えます。身体を描く際の流線が滑らかなんですよね。


因みに「テレビランド」版は、1回につき基本2ページで事件発生〜解決までを描くので、演出的にはかなりアニメの『チャージマン研!』に近いです。やっつけ仕事感を存分に堪能できるのはこちらです。



そして絵コンテですが、個人的にいちばん驚いたのがここでして、恐らく最も有名な第35話「頭の中にダイナマイト」の絵コンテを担当しているのが、坂口尚さんなんですよ。


石の花 (1)

石の花 (1)

石の花(1)侵攻編 (講談社漫画文庫)

石の花(1)侵攻編 (講談社漫画文庫)

あっかんべェ一休(上) (講談社漫画文庫)

あっかんべェ一休(上) (講談社漫画文庫)


マンガの歴史に燦然と輝く名作『石の花』や『VERSION』、『あっかんべェ一休』等を描かれた坂口尚さんですね。

最初は虫プロダクションアニメーターとして活動されていて、フリーになってからはマンガ家と並行して活動をして、次第に軸足をマンガのほうに移していった訳ですが、並行して活動していた時期に担当されていた模様。


24時間TVの『バンダーブック』の件といい、この『チャージマン研!』の絵コンテ担当といい、アニメーターとしての坂口尚さんはほんとうに修羅場を潜り抜けているのだなぁ、と感じ入った次第です。むしろ、圧倒的に時間が足りずとも完成させられる力量だからこそ、抜擢されたのかもしれないですね。



長くなってきたのでこのくらいで一区切り。

実に貴重な1冊だと思うので、『チャージマン研!』にご興味のある方は読んで損はないと思います。


といったところで、本日はこのあたりにて。

*1:みやぞえ郁雄ほか 『チャージマン研! コミックス&トレジャーズ』54〜55ページ。

2016-03-23

[]やはり紙の本は良い。伊図透『銃座のウルナ』の装丁

先日、良いコミックさんによる年1回の恒例記事、「この装丁がすごい!」2015年版が公開されました。


今年もたいへんな力作で、読んでいて圧倒されました。

取り上げられる作品の量もさることながら、ジャンルの幅広さも驚異的でして、新規開拓をしようとする際にも実に参考になる企画でもあると思います。「装丁」という視点を軸とした解説も秀逸で、かなりの長文であるにも関わらず惹き込まれてしまいます。


という訳で、と言いますか何と言いますか、ちょっと自分も何か書いてみたくなったので、尻馬に乗るようなかたちで装丁が面白いなと感じた作品を紹介してみようかと思います。



その作品が記事タイトルでも触れた、伊図透さんの『銃座のウルナ』です。



『銃座のウルナ』は「コミックビーム」で連載されているSF作品です。


舞台となるのは、風雪吹き荒ぶ島・リズル。その島に狙撃兵としてウルナ(♀)が赴任するところから、物語は始まります。

ウルナが生まれ育った国・レズモアは、隣国エコールと交戦状態にあります。ある理由から、ウルナはレズモア・エコール間の最前線への赴任を強く望みますが、送られた場所はそことは大きく隔絶したリズル島。そこにはヅードという蛮族が生息しており、その蛮族との紛争も発生している。

もうひとつの最前線とも言えるその島で、ヅードとの戦いを通じてウルナが見たものとは...という筋立てとなっています。


作者の伊図透さんは、これまでに『ミツバチのキス』や『エイス』といった作品を描いていますが、個人的な印象では、独特のイマジネーションに溢れる「異形」の描写が見事だな、と思っています。

『銃座のウルナ』におけるヅードの造型とか、ちょっと只事ではないですよ。今後の展開も含め非常に気になる作品なので、ご興味のある方はご一読を。


そしてこの本の装丁が、実に独特なんですね。

上の画像を見て、気づかれた方はいるでしょうか。Amazon の画像で、帯付のものってけっこう珍しくないでしょうか?



『銃座のウルナ』の画像が帯付なのはちゃんと理由がありまして、一言で答えてしまえば「これは帯ではない」んですね。

何を訳の判らぬことを、と思われるかもしれませんが、実際にご覧戴くのが判りやすいかと。


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こちらが現物。

これだとちょっと判りづらいので、近くに寄った写真を見てみましょう。


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隙間があるのがお判りでしょうか?

最初にシュリンクを破いて手に取ったとき、あれ?天地両方に帯が付いているのか?とか思ったのですが、ちょっとカバーを手に取ってみると、それも違うということが理解できるのですね。


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カバー折り返し部分。

繋がっているのです。帯に見えたものは、1枚のカバーの天地部分を折っている部分なのですね。喩えるなら、「書店で掛けてもらうブックカバーの裏表を逆にした状態のもの」が単行本カバーになっているとでも言いますか。


そしてこのカバー、広げてみると...


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イラストの全体像が現れる、という仕掛け。


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裏側はこんな感じ。

「銃座の」と「ウルナ」が反対側になっているのが判るかと思います。これを折り返して巻き付けることで、Amazon の画像・或いは最初に上げた写真のようになる訳です。

単行本のカバーは裏表で紙質が違うと言いますか、基本的に表紙側のみ加工されていますので、実際に本を手に取ったときの手触りが、天地部分(タイトルが記載されている箇所)と真ん中のイラスト部分では違う。この感触の違いも面白いなと感じたりします。



最近は家の中を本が圧迫しつつあり、電子書籍への移行もちょっと本格的に考えないといかんなと思っていまして、少しずつ進めている最中です。

やはり場所を取らないのは電子書籍の大きな利点なのですが、こういうのがあるから、紙の本は完全には捨てられないなとも思ったりしています。


といったところで、本日はこのあたりにて。

2016-02-17

[]軽食喫茶ブロンズの鉄板ナポリタン

久しぶりの更新になりますね。

一昨日〜今日にかけて、実に久しぶりに3連休でした。職種の都合もあるのですが、年末年始も2連休以上はなかったので、実に3ヶ月ぶりくらいでしょうか。

で、そんな貴重な3連休ではありますが、一昨日・昨日は相当にだらけて過ごしてしまいまして、これはいかんなと。そこで今日は、


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ノリと勢いで大洗に行ってきました。(^ω^ )

ここ最近、劇場版を観たあたりからですか、『ガールズ&パンツァー』にけっこう傾倒しておりまして(ガルパンはいいぞ)、立川の爆音上映も含めて何度か観に行っていますし、公開が近づいてきた4DXもかなり早い段階で何とか観ることができそうな按配です。


で、前々から一度は大洗に行ってみたいなとは漠然と思っていた訳ですが、ハマると本格的に行ってみたくなるもので、思い立ったが吉日と電車に飛び乗ったという次第です。


とは言え先述のとおり、『るるぶ ガールズ&パンツァー』と『大洗フィーベル』だけバッグに詰めてノリと勢いで赴いたので、何ら作戦を検討していない訳でして。(^ω^:)

アンツィオ高校知波単学園みたいな感じですな。

とりあえず決めていたのが、今回の食事をした「軽食喫茶ブロンズ」で鉄板ナポリタンを食べようということです。


TVシリーズ本編では壮大な出オチをぶちかましてくれたものの、OVAならびに劇場版で急激に株を上げたアンツィオ高校。OVA『これが本当のアンツィオ戦です!』でペパロニが屋台で作っていて、潜入捜査中の秋山殿にふるまっていたのが鉄板ナポリタンです。それを再現したメニューとなります。


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外観ならびにペパロニのキャラクターパネル。


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入り口の立て看板には鉄板ナポリタンの貼り紙あり。

貼り紙には「数量限定」って書いているのですが、実は店主のおばちゃん曰く「別に限定じゃないんだよね」とのこと。「茹でるだけだしね」とも。(^ω^:)


入店すると、既に数組の先客の方々。

おばちゃん一人で切り盛りしているのでけっこう時間が掛かるのですが(自分の場合は30分前後)、慌てずのんびりと待ち続け、鉄板ナポリタンを注文。


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注文して数分後にお目見え。

やはりナポリタンはこうじゃないとな、という柔らかめのパスタ。くるくるとフォークに絡めて、ズズズッと啜っていく。パスタの味付けはけっこう濃いめでしょうか。上に乗っている半熟の卵焼きと併せて食べるとちょうど良い感じです。薄切りのウインナーがたっぷり入っているのも嬉しいですね。


さほど時を措かずに完食。アイスカフェオレで胃を落ち着ける。

そして、ちょっと不思議な光景を目の当たりにしたのですが、先客の皆様方、食事後に食器をカウンターまで運んでいくのですね。最初はそういうルールなのかなと思ったりもしたのですが、店主のおばちゃんが「変な光景でしょー」と。

何でも今、おばちゃんが腱鞘炎のため腕が痛いようで、ガルパンならびにお店のファンの方が、少しでも負担をかけないように食べ終わった食器類はカウンターまで持って行こうと twitter で拡散したのだとか何とか。

他にも、週末はファンの方が店のお手伝いに来てくれるみたいな話もされていて、『ガールズ&パンツァー』という作品・大洗という街・作品並びに街のファンの方々との距離感が面白いなと感じたりしました。


自分も他のお客さんに倣い、カウンターまで食器類を持って行って会計。

「1250万リラね!」という昭和感溢れるやりとりも実に良い!


という訳で、本日の食事代は1250万リラ(1250円)。

鉄板ナポリタン以外にも気になるメニューが幾つもあったので、また来たいですね。



おまけとして、今日歩き回った箇所を幾つか。

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アウトレット内にあるガルパンギャラリーの展示品。


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山戸呉服店に置いてあるアンチョビのパネル。

プラウダ高校のバスタオルを買ってみました。余談ですが、現在入手困難になっている『月刊戦車道 特別号』が置いてあって羨ましかったです。


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痛電車。


といったところで、本日はこのあたりにて。

[]2月17日

最近すっかり滞っている購入日記も。

過去分は追ってまとめてやる予定です。



以上3冊。

大洗の「江口又新堂」さんにて購入。『大洗フィーベル』でもお勧めしていましたしね。

お勧めしているだけあって、すごい数を並べていました。(^ω^ )

散々指摘されているとは思いますが、主役側の楯無高校視点からの大洗女子学園の描かれ方が実に面白いですよね。遠くから聞こえてくる断片的な情報に尾ひれが付きまくって何やらとんでもないことになってしまっている感じ。黒ベタでシルエット描写を用いることによる強敵・黒幕っぽさも良いです。

2016-02-09

[]2月9日

9日に購入したのはこちら。


少女終末旅行 3 (BUNCH COMICS)

少女終末旅行 3 (BUNCH COMICS)


以上2冊。

少女終末旅行』、登場キャラクターは非常に少なく、台詞の数も抑えられています。終末に近付いた世界を、2人の少女が淡々と旅していく。基本的にはそれだけの物語なのですが、何かクセになる味わいがあります。

戦闘がない『BLAME!』みたいな感じかもしれないですね。機械・工業設備が入り組んだ広大な世界を、ただひたすらに先へと進んで行くところとか。

2016-02-07

[]2月7日

7日に購入したのはこちら。



以上2冊。

『連載終了!』は、『ゴッドサイダー』とか『ザ・グリーンアイズ』とかを描かれた巻来功士さんの、上京からジャンプ連載を離れる時期までを辿った自伝的作品です。描きたい作品の方向性での葛藤や、編集との確執みたいなのも描かれていて興味深い内容でした。

また、巻末に対談記事が収録されているのですが、これがまた非常に面白い。編集者側のノウハウの一端が明かされたりもしているので、興味のある方は是非。

2016-02-06

[]2月6日

6日に購入したのはこちら。



以上2冊。

『Go! プリンセスプリキュア』ですが、実は1巻が出ていたことに気付かないまま月日が流れていて、いつの間にやら書店で見掛けなくなっていました。慌てて取り寄せを頼んだのですが、2巻発売には間に合わず、こちらを先に購入という仕儀と相成りました。

2016-02-05

[]2月5日

5日に購入したのはこちら。


トモちゃんは女の子!(2) (星海社COMICS)

トモちゃんは女の子!(2) (星海社COMICS)

河童シリーズ[全] (水木しげる漫画大全集)

河童シリーズ[全] (水木しげる漫画大全集)


以上5冊。

放送時間帯の都合で観ないでしまっていますが、『昭和元禄落語心中』のアニメ、評判は非常に良いようですね。その原作単行本最新刊となる9巻ですが、この巻では八雲が先代助六とみよ吉の影から逃れられないままでいる様子と、芸と心中することに囚われつつも生に執着してしまう業の深さが高座での演目と重ね合わせて描かれるくだりが圧巻でした。


2月の「水木しげる漫画大全集」の配本は上に挙げている2冊ですが、それに付いてくる月報「茂鐡新報」に非常に気になるお知らせが掲載されていました。詳細はまだ明らかにされていませんが、期待をしています。