“誠実であろうとすることは、ときに世界と噛み合わなくなる。ソクラテスは、そのずれごと受け入れて生きた。” 『ソクラテスの弁明・クリトン』は、単なる裁判記録でも、古代ギリシアのエピソードでもない。 読み終えた後に残るのは、人が一貫して誠実に生きようとしたとき、社会とどのように噛み合い、どこで決定的にずれていくのかという根源的な問いだ。 本稿では、私が読了後に感じた「ソクラテスの揺るがない姿勢」と「死の受容の哲学的必然」、そしてブッダとの意外な接点について綴る。 ソクラテスの弁明 クリトン (岩波文庫) 作者:プラトン,久保 勉 岩波書店 Amazon 揺るがない誠実さが生む“美徳”と“危うさ” …