1465年1月10日、叡山の指揮する暴徒たちに襲撃された本願寺。蓮如たちは迂闊にも全く油断しており、暴徒たちの門内への侵入をあっけなく許してしまったのであった。 ――なぜこんなに状況が細かく分かっているのかというと、この「寛正の法難」については、堅田の本福寺に伝わる「本福寺跡書」などの文書類に、詳細が記されているからなのである。 中世史学者の清水克行氏が「室町は今日もハードボイルド 」という傑作歴史エッセイ集を著している。氏はこれらの文書類を元に事件の詳細を紹介しており、今回の記事はこの内容に拠るところ大なのである。清水氏の著作を一部引用する形で、どうなったか見てみよう。 境内に侵入した暴徒た…