7月12日 土曜日 今日は図書館に本を返す日。 日本幻想文学集成 8 には 内田百閒 夏目漱石 豊島与志雄 島尾敏雄 の4人が入っていて、お目当ての【サララーテの盤】に続いて同じく 内田百閒の【件】を読んだら凄く面白かった。 件(くだん)と云う化物がいるらしく、 主人公は気づくと件(くだん)になっている。 少し引用すると、 『件(くだん)の話は子供の折に聞いたことはあるけれども、 自分がその 件(くだん)になろうとは思ひもよらなかった。 からだが牛で顔だけ人間の浅間しい化物に生まれて、 こんな所にぼんやりと立ってゐる。何の影もない広野の中で、 どうしていいか解からない。なぜこんな所に置かれたの…