今回はウォーラーステインの「近代世界システムⅡ」を要約していきます。 資本主義をベースとした経済的な関係性を論じた世界システム論で有名な学者の代表作で、Ⅱは1600~1750年代のヨーロッパ社会を中心に分析し、当時の中核-半周辺-周辺地域の相互作用のメカニズムを明らかにするのがテーマです。大航海時代・農業資本主義の発達を経て拡大した経済市場は飽和局面を迎え、中核を構成する各国は重商主義政策を採用し自国の経済利益確保に努めます。そんな中でヘゲモニー国家としてオランダが世界経済の覇権を一時的に占めるにいたり、関係性が大きく変容する時代が近代世界システムⅡの世界線です。今回はⅡ要約前編ということで序…