二郎の大冒険

ある日、あるところに、二郎という青年がおりました。
あるある
二「うはwwww洋服のカタログの下着のページたまんねぇwwwwwwww」
男の子なら誰もが通る道を二郎は一人、突っ走っていました。
二「こういう雑誌の下着のモデルさんは外人の方が多いんだ。だから中学生は外人好きの人が多いんだと思う。」
二郎は案外そうかもしれない事を一人でぶつぶつ言っていました。
二「でもwwwwwたまんねぇwwwwビックボインwwwwwww」
すると、突然部屋のドアが開きました。

二郎の兄の、一郎でした。
一「おい!大変だ!」
よくあること
二「ななななんだよ!!・・・ノックしろよ!!」
二郎はカタログを隠すために、おかしなポーズをしてしまいました。
一郎兄さんは、言います。
一「じつは、母さんが、コーヒーと間違って毒薬を飲んでしまったんだ!!」
二「・・なんだって!!!」
二郎はとても驚きました。そして、兄の体と、自分の体の大きさの不釣合い具合に今さらながら驚きました。

二「とにかく、母さんの所へ行こう!!」
一「そ、そうだな!」
一郎と二郎は、急いで母の所へ向かいました。
・・・
母の部屋に行くと、母は倒れていました。
二郎は、コミカルなポーズで登場し、笑いを誘おうとしましたが、事の重大さに何とも言えない気分になりました。
よく耳を澄ますと、母がまだ息をしていることに気がつきました。

母「おかあさん・・・コーヒーと間違って毒薬飲んじゃった。」
普通に生きていれば、絶対に聞けないセリフだなぁ。と二郎と一郎は思いました。
母「実は、遠い東の国に、何でも病気を治す宝石があると言われているわ。」
母は急に語り始めました。意外と元気です。
母「その・・・宝石をとってきてくれれば、私は助かるわ・・・早く・・・・早く・・・」
二郎は、宝石で元気になるんだったら苦労しねぇよ。と思いましたが、
一郎兄さんが「行けよ」と言わんばかりの視線でこっちを見てくるので、宝石を探す冒険に出ることにしました。
よし!
二「わかった!僕、大冒険に出るよ!!!」
母「ありがとう、でも、自分で『大冒険』とか言うのは痛いからやめておきなさい・・・」
二「うん、わかった、行ってきます!!」
いくぞー!
こうして、二郎の大冒険は今、始まりました。
〜10分後〜
迷いの森
家から出発して東に10分歩いただけで、「迷いの森」という、『いかにも』な森に着きました。
二「よおし!お母さんを助けるため!こんな森!さっさと抜け出すぞう!」
と、二郎は意気込みましたが、さすがは「迷いの森」。道に迷ってしまいました。
二「もぅ・・・やだぁー! 帰るぅー!!」

二郎は人間の身体の構造上不可能なポーズでダダをこねました。
二「もうやだぁ・・・・お母さんが死んじゃうけど、森から出られないよう!」
が、二郎がふと遠くの方を見ると・・・
ん?
二「・・・・ん?」
んん?
二「んんん??」
んんん?
二「んんんんんんん!!?!」
町です。
町がありました。
正直、迷いの森は4畳半くらいの大きさだったので、迷う方が難しいな。と二郎は思いましたが、
二「そうか、迷いの森は、自分の善と悪、この二つの思いを迷わせる森だったのか!!」
と、とりあえずそれっぽいことを言ってみました。ですが誰も聞いていません。
とりあえず、二郎はその町へ行ってみることに。

二「あれー・・・見渡しても、誰もいないなぁ・・・」
?「おい、踏んでるぞ。」
二「あれ?今、どこから声が・・・」
?「下だ!!!!」
ありがち。
二「うわぁ!気付かなかった!すいません!!!」
二郎はこんなことを言っていますが、正直ありきたりだよな。と思っていました。
?「私は、この町を侵略に来た魔王だ。」
二「なに!?」
家から10分で魔王と出会ってしまいました。TASか。
魔「この町には『病気を治す宝石』があると聞いてな。今それを盗んでいたところなのだ。」
二「その宝石っ・・・実は、俺の母のために必要なんだ!」
魔「なに!・・・ならばお前も敵か!!・・・八つ裂きにしてくれるわ!!」
二「ひぃ!・・・なんだって・・・恐ろしい・・・」
魔「まずは腕を切り裂き、鮮血を楽しんだ後に、足も・・・ヒヒヒ・・・・」

こんな会話でも、なんだかんだで二郎は落ち着いていました。
そして、何か横の方に「病気を治す宝石」らしき物が見えました。

ですが、さすがは空気の読める男、二郎。魔王と戦うことにしました。
二「よし!・・・魔王!・・かかって来い!!!」
魔「わかった・・・・行くぞ!!」
今この瞬間、熱いバトルの火蓋が切られました。

魔「ふははは!!・・食らえ!!!『刃矢射夜攻撃(はやいよあたっく)』!!」
漢字はかっこいいのに技名がダサいなと二郎は思いました。
!?
二「・・・消えたっ!!」
魔「上だ!!!」
ヒュ
二「危ねっ・・でも避けちゃった!!」
魔「ちょwwww最初は当たっとけwwwwお約束wwww」
こういう肝心な所で空気が読めないのが二郎の昔からの治すべき短所です。
・・・
魔王は、ひっくり返ったまま動きません。
魔「残念ながら、わしはひっくり返ると、身動きが取れなくなってしまうのだ・・・」
二「なに・・・よくそれで魔王になれたな・・・」
魔「私の負けだ・・・宝石を取って行け・・・」
二「ああ・・・」

二「チョィヤッシャー!!!!」
魔「ぐわああああああ」
二郎は魔王にとどめを刺しました。人を話を聞かないことに定評があるのが二郎です。
二「とりあえず、この町の住民のみなさんに、宝石をもらっていいか聞こう。」
なんだかんだで優しいのが二郎でもあります。
どうよ
二「みなさん!魔王は倒しました!・・・お礼に『病気を治す宝石』をください!」
住民「おお!ありがたい・・・ですが、その宝石は私達の村の守り神。あげられません。」
二「じゃあ、もらって行くね!」
人の話を聞かないことに定評があるのが二郎です。
いっぱい
二「正直どれが『病気を治す宝石』なのか、わからないから全部盗もう!」
二郎はおつかいの時、絹ごし豆腐と木綿豆腐。どっちも買ってくるタイプです。

二「何かすごい状態になったけどまあいいや。お母さんに持って帰ろう!」
〜10分後〜
家に着くと、お母さんはまた毒薬を飲んでいました。
母「あら、また間違えちゃった。死ぬー」
おい。
二「今助けるよ母さん!・・・・あ!」
どがしゃ
二郎は転んでしまい、一郎兄さんを下敷きにして殺してしまいました。
そして、いろんなことを省略して、母が助かりました。
よかったね。
 
こうして、二郎の家族は幸せに暮らしましたとさ。

めでたしめでたし。