田舎に移り住んで、もう早22年。風の音や虫の声、川のせせらぎが日常に溶け込む暮らしの中で、都会ではあまり経験しなかった文化に触れる機会も増えた。そのひとつが「おすそわけ」だ。 もともと自分は田舎生まれ。子どもの頃は、季節の野菜や魚、お菓子が家に届くのを当たり前のように受け取っていたけれど、それがどこから来て、どんな気持ちで渡されていたのかなんて、深く考えたことはなかった。けれど、大人になり、今度は「もらう側」であると同時に「返す側」にもなった今、ふと「これはどうすればいいんだろう?」と考える場面に何度も出くわす。 今回は少しそれについて自分なりの考えを書いてみた。 おすそわけはどうすべし? 食…