反啓蒙思想 他二篇 (岩波文庫 青 684-2)作者:バーリン,松本 礼二岩波書店Amazonアイザイア・バーリン「ジョルジュ・ソレル」(田中治男訳)*1(in 『反啓蒙思想 他二篇』、pp.203-287)から。 ソレルにとって、「力(force)」と「暴力(violence)」は対立するものであった。 労働者の武器は暴力であった。それはソレルのもっとも有名な書物(略)にその題名を与えたのであるが*2、その性質は決して明確になっていない。階級闘争は社会の正常な状態である。そして、生産者、すなわち労働者に対しては搾取者によって絶えず力が行使されている。力は必ずしも公然たる強制から成っているわけ…