リスト::学者::社会科学 専門は比較社会学、数理社会学。
すっかりご無沙汰となってしまいました、人物研究会です。5年ぶり…!さて、人物研究会は題名にもある通り、社会学者の大澤真幸さんをゲストとしてお呼びします!入場無料です!!どなたでもご参加いただけます! 『不可能性の時代の問い方』ゲスト:大澤真幸氏日時:2023/11/4(土)13:30開場16:00終演(予定)場所:早稲田キャンパス3号館402教室内容:新刊『資本主義の<その先>へ』が話題の大澤真幸さんに、情報の波にもがく私たちは、底抜け感のある日本社会を覆う資本主義に、どう立ち向かう必要があるのかを自由闊達にお話いただく ゲストの大澤真幸さん 大澤真幸氏プロフィール1958年、長野県松本市生ま…
読んだ本 ユヴァル・ノア・ハラリ『ホモ・デウス』河出文庫 (2022) 大澤真幸『新世紀のコミュニズムへ』NHK出版新書 (2021) 佐々木中『踊れわれわれの夜を、そして世界に朝を迎えよ』河出書房新社 (2013) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー日記 『新世紀のコミュニズムへ』を読み終えた。 内容は高度であり、全体をまとめるには力不足であることを痛感。 本書に書かれているのは、20世紀の考えとしては民主主義と資本主義が車輪のような関係にあり、それが資本主義の定石であるというのが通説であった。しかし中国が経済的に大きく成長しその定石を崩してしまった…
読んだ本 仲正昌樹『「みんな」のバカ!:無責任になる構造』光文社新書 (2004) 鈴木直『アディクションと金融資本主義の精神』みすず書房 (2023) 大澤真幸『新世紀のコミュニズムへ』NHK出版新書 (2021) 大澤真幸『不可能性の時代』岩波新書 (2008) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『新世紀のコミュニズムへ』を読み進めると「脱成長派vs成長派」について書かれていた。 前者の論客はマルクスの研究者、斎藤幸平氏である。 後者は、例えば学者ではないが堀江貴…
読んだ本 大澤真幸『不可能性の時代』岩波新書 (2008) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 180ページほど読み進めた。 本書のタイトルの一部である「不可能性」の意味が少しずつ分かってきた。 今日は「正義の不可能性」と「計算の不可能性」について語られた。 大澤氏は「リスク」と「危険」の違いを強調した。 「選択・決定」がなければリスクではない、と説明された。 本書によれば、リスクの語源はイタリア語の「risicare(=勇気をもって試みる)」であるとされる。 リスクと…
読んだ本 大澤真幸『不可能性の時代』岩波新書 (2008) 大澤真幸『新世紀のコミュニズムへ』NHK出版新書 (2021) ヴァージニア・ウルフ『新装版 ある作家の日記』みすず書房 (2020) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『不可能性の時代』と『新世紀のコミュニズムへ』は両方とも100項までたどり着いた。 『不可能性の時代』はとっつきにくく、初めて読んだ日はさっぱり理解できなかったが読みつづけることで部分的に大澤氏の言いたいことが見えてきた。 大澤氏は戦後、日本社会は「理想の時代」から「虚構の時代」へとシフトしていったことを様々な殺人事件…
読んだ本 大澤真幸『新世紀のコミュニズムへ』NHK出版新書 (2021) 鈴木直『アディクションと金融資本主義の精神』みすず書房 (2023) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ: 人新世⇒人類が自然の生態系に影響を与えるようになった時代のことをさす ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『不可能性の時代』が読みづらかったのでこちらを先に読むことにした。ひとまず90ページほど読み進めた。 パンデミックでは人と人との接触を避け「みんなから避けよ」という規範が機能した。 大澤氏の問題意識は、本来危機の…
読んだ本 エドマンド・バーク『崇高と美の観念の起源』みすず書房 (1999) 大澤真幸『不可能性の時代』岩波新書 (2008) 鈴木直『アディクションと金融資本主義の精神』みすず書房 (2023) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 今年中にはなんとか、ひとつの小説を応募したいと思った。 とりあえず読書に関しては、今日は読みたいものをとにかく読んでいこうと心の声が言っていた。 バークは「人の心は差異よりも類似を見出すほうが敏速であるうえ満足もする」と述べた。 これは共感できた。 物事をアナロジー(並行関係)で考えるのは人間の特徴である。 自分は2…
《内容》 超話題の春樹の新作は名作なのか問題作なのか。そして何を問いかけるのか——強力なメンバーで謎めいたその世界へ挑む必読の一冊を緊急刊行。豊崎由美×大森望、加藤典洋、安藤礼二など。 今更感満載ですがw ふと他の人の感想が気になって読んでみました。 新作を読む前の復習も兼ねて。 街とその不確かな壁 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 自分の感想はこちら↓ www.xxxkazarea.com 選ばれなかった人間がどう生きていくのか どんな愛も差別化と排除を前提にしている。このことが『多崎つくる』の中でも暗示されている。あの五人は、奇跡的な仕方で普遍的な愛を実現しているように見える。確かに、…
アメリカ 橋爪大三郎 大澤真幸 河出新書 河出新書001という記念すべき本である。 「無人島に持って行く本100冊ランキング」というのがあれば、入れたい本の一冊となるだろう。 アメリカ合衆国を下記の点で分析・討論している。 ・キリスト教から考える ・プラグマティズムから考える ・日米関係を考える 過去、世界一周をしたときに、携帯していたのが「新約聖書」である。欧米の論理を理解したい。そういう意図があったのだ。結果的に、これは大成功で、トルコ西部、欧州、シリア、パレスチナ地区、イスラエル、それにアフリカ、南米を含め、キリスト教の影響のある遺跡、教会、文化など、有益な知識を提供してくれたのが、「新…
読んだ本 尾高朝雄『自由・相対主義・自然法』書肆心水 (2018) 引用元:版元ドットコム 引用元:版元ドットコム 引用元:版元ドットコム 『二十一世紀への対話 (中) 』聖教ワイド文庫 (2003) 田村均『自己犠牲とは何か-哲学的考察-』名古屋大学出版会 (2018) つづきを読み進めた。 nainaiteiyan.hatenablog.com ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 今日はとくに激しい乱読の一日であった。 そのなかでも『評伝 小室直樹 (上)』は250ページほどいっきに読み進めたのでこちらの感想を軽く書いて今日の日記としたい。…
昨日、協議で言及があった『象は鼻が長い』について少し補足します。これは三上章という人の本のタイトルであり、そこで取り上げられた有名な例文です。 昨日の授業の手順どおりやるなら、⭕️文末にある「長い」に述語の印を入れる⭕️何が長い?、何は長い?と問うことで主語を探すということになります。ところが生徒は困ります。「象は」もあるし、「鼻が」もある。どっちなんですか? 先生! 文全体としては、「象の鼻が長い」という事実を伝えてるように見えます。だから、主語は「鼻が」やろね。すると、生徒は、「じゃあ、元の『象は』はなんなんですか?」って言ってくるんじゃないかな? 三上はこう言うでしょう。「象は」は主語で…
togetter.com ニコニコ大百科やはてなキーワードも好きです。アニメやゲームのキャラクタだとピクシブ百科事典が引っかかるのでたまに参考にします。 MD現代文・小論文 (MDシリーズ) 作者:誠人, 有坂,大澤 真幸,公一朗, 田中,博和, 伊藤,和子, 亀井,浩三, 辻本 朝日出版社 Amazon オルタカルチャー 日本版 (オルタブックス (000)) メディアワークス Amazon MDシリーズはいまでも新作を待っています。
閏月社から出版された『竹内芳郎 その思想と時代』という本に、「竹内芳郎とサルトル──裸形の倫理」という論文を書きました。 honto.jp 本日、この本の合評会シンポジウムが開かれます。 「『竹内芳郎 その思想と時代』合評会シンポジウム」2023年11月25日、於立教大学 日本サルトル学会主催永野潤、池上聡一、小林成彬、澤田直、竹本研史、北見秀司、清眞人、佐々木隆治、田崎英明参加希望の方は以下のGoogleフォームにご記入をお願い致します。https://t.co/oFWI8Bk6ln pic.twitter.com/NEyPsYuScB — 緑雨 (@ryoku28) October 21,…
承前 朝日新聞による社会学者・大澤真幸氏へのインタビュー「AIと私たち 労働と社会のゆくえ」についてここまで大澤氏に教わりながら私の解釈を書いてきました。しかしここから大澤さんの意見は誤っているのではないかという感想をもったので書いていきます。 創造性や社交が必要な仕事、マニュアル化できない例外的な出来事への対処など「『人間に残される』とされてきた仕事こそ、生成AIは得意としているのです」と大澤氏に言われたインタビューアーはつぎのようの問います。 ーーならば私たちにできる仕事は何ですか。 大澤「結論から言うと、生成AIが普及したら、人の仕事が今よりもつまらなくなります。例を挙げましょう。学校の…
承前 ――つまり、情報処理の仕方が人間とはまったく違う、と。 大澤真幸氏「ええ。それに加えて『記号接地(シンボルグラウンディング)問題』があります。人間は記号、つまり言葉を身体的な感覚によって実世界と結びつけて理解する。しかし、身体を持たないAIは、こうした外部との接地がない。チャットGPTのような大規模言語モデルは『その単語が世界の何に対応しているのか』を理解しているのではなく、次の単語を確率的に計算しているだけです。それでもコミュニケーションが成り立つのは驚きですが、私たちの理解の仕方とはまるで違います」 私の意見∶大澤氏は「人間は記号、つまり言葉を身体的な感覚によって実世界と結びつけて理…
11月9日発売の本 11月10日発売の本 11月11日発売の本 11月12日発売の本 11月13日発売の本 11月14日発売の本 11月15日発売の本 11月9日発売の本 賢者タイムだけ勇者(1) (ヤングキングコミックス)作者:羽鳥まりえ少年画報社Amazon おはなしゲゲゲの鬼太郎 ぶるぶる 貧乏神 座敷わらし作者:水木しげる講談社Amazon ふかふかダンジョン攻略記~俺の異世界転生冒険譚~ 12巻【Amazon.co.jp限定特典付き】 ふかふかダンジョン攻略記 ~俺の異世界転生冒険譚~ (ブレイドコミックス)作者:KAKERUマッグガーデンAmazon 転生したら第七王子だったので、…
要旨 デヴィッド・グレーバーはアメリカの文化人類学者、アナキスト・アクティヴィスト。 『ブルシット・ジョブ』をはじめとして、通念に挑戦する著作を次々と発表し、世界を驚かせた。 グレーバーさんは文化人類学者として、いろいろな民族の営みの中にアナキズム的な側面を見出してきた人です。例えば、ある共同体の中では、価値が作られるとそれが絶対視されるけど、次の時代には壊れるということを発見したのもその一つですね。 哲学者・森元斎が選ぶ6冊。アナキストたちに学ぶ、楽しい働き方改革〜後編〜 | ブルータス| BRUTUS.jp ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論 作者:デヴィッド グレーバー 岩波…
11月2日朝日新聞のオピニオン欄に「AIと私たち」というテーマで社会学者の大澤真幸さんにインタビューした記事が載っています。 おもしろかったので紹介します。 人間とはまったく違うのに成り立つコミュニケーション 問――生成AIの登場により、AIは人間に限りなく近づいていくのでしょうか。 大澤「それはどうでしょうか。以前からAIは『フレーム問題』という難題を抱えていると言われてきました。例えば、こうやって話をしていても、私たちは膨大な記憶から、今の話題に無用なことを自然に省いている。話している内容のフレーム、枠組みを理解しているからです。一方でAIは、すべての事項をチェックし尽くさないと判断ができ…
*「事物を通じたコミュニケーション」としての「批評」 2020年代という時代は新型コロナ・ウィルス(COVID-19)の出現とともに幕を開けました。このコロナ・パンデミックは図らずとも世界的危機が「危機そのもの(COVID-19による生命と健康への危機)」よりも、その「危機についてのコミュニケーション(COVID-19をめぐる情報がもたらす社会的な混乱)」として出現するということを明らかにしました。こうした状況をWHO(世界保健機関)は「Information(情報)」と「Epidemic(疫病の流行)」とを合わせて「Infodemic(インフォデミック)」と名付けて各国に警戒を促しました。 …
このたび刊行する『文学のエコロジー』(講談社)は、単著としては11冊目の本です。 というのは自分のための覚書でした。 01. 『デバッグではじめるCプログラミング』(翔泳社、2008)02. 『コンピュータのひみつ』(朝日出版社、2010)03. 『文体の科学』(新潮社、2014)04. 『世界が変わるプログラム入門』(ちくまプリマー新書、2015)05. 『「百学連環」を読む』(三省堂、2016)06. 『文学問題(F+f)+』(幻戯書房、2017)07. 『投壜通信』(本の雑誌社、2018)08. 『マルジナリアでつかまえて――書かずば読めぬの巻』(本の雑誌社、2020)09. 『記憶のデ…
かつて私が所属していた同好会の一つに論理哲学研究会がある。主に高校生たちで構成された、哲学について考えるグループだ。この同好会の大きな特徴というのが、その自由さだろう。その若さゆえに彼らの哲学は多様な色を帯びている。日常の体験から、理論的な話まで、語る内容は様々だ。 さて、主体とは何だろうか?まず、「自分らしくあれ」という言葉は現代になって急速に使われるようになった。単に自分らしさの定義と言われても、頭に疑問符を浮かべる人の方が多いだろう。いま私たちが探しているものでもあるからだ。自分らしくあってる?と聞かれても、そもそもそれが何を指しているか分からない。だから例を出そう。 イギリスの社会学者…
ちょうど10年前に読みかけにした本。今回再読してよかった。 橋爪大三郎(1948-)と大澤真幸(1958-)は僕らの世代にとって社会学の師匠とエースであり、思想家としておおいに魅了された時期もあったのだが、このところの啓蒙書の類ははっきりいってつまらなく、新刊が出ても手に取ることもなくなっていた。 ただしこの本はとても面白かった。西欧の思想を扱う時は、ベテラン思想家の手慣れた手つきが鼻につくのだが、仏教という巨大な異物を扱う時にはそうはいかない。仏教研究の実績がある橋爪が先生役、大澤が門外漢の生徒役、という一応のノリで対談は進むのだが、正解のない領域で仮説を繰り出す緊張感のようなものがあって、…
「言文一致・メディア・小説再考」の副題が付された大著が岩波書店から刊行されて(1万円+税)すぐに著書から贈られたのだけれど、序章なりとも読んでから紹介したいと思って読んではみたものの、内容が詰まりすぎて簡単にはいかないまま先送りして今日に至っている。ラチが開かないのでとにかく何が何でも今書くべく自分を強いて始めたところ。そもそも序章を選んでしまったのがハードルを上げ過ぎた元で、5部構成の全17章の概要がまとめられているのだから容易であるはずがなかった。 本書の内容が少しでも伝わればと思い、全5章の表題を抜き書きしてみる。 「声と文字・事実という表象・メディアとしての文字・「小説」の一九世紀・近…
五時四十分起床。暗く、そして寒い朝。一気に冬めいたな、と驚きつつ、葵にごはんを与えた。 午前中は掃除やら読書やら。午後は妻と買い出しに行ってから、Amazonプライムで「岸辺露伴ルーブルへ行く」を見た。テレビドラマシリーズと同じ世界観だが、よりホラー色が強い印象。 岸辺露伴 ルーヴルへ行く 高橋一生 Amazon 岸辺露伴 ルーヴルへ行く (ジャンプコミックスDIGITAL) 作者:荒木飛呂彦 集英社 Amazon 大澤真幸「〈世界史〉の哲学 現代篇(27)」(「群像」2023年12月号掲載)。アメリカの歴史において、〈自然〉へのポジティブな志向と〈文明〉へのポジティブな志向が緊張関係にありつ…
不可能性の時代 (岩波新書)作者:大澤 真幸岩波書店Amazon どんな本? ↓amazonより 「現実から逃避」するのではなく、むしろ「現実へと逃避」する者たち―。彼らはいったい何を求めているのか。戦後の「理想の時代」から、七〇年代以降の「虚構の時代」を経て、九五年を境に迎えた特異な時代を、戦後精神史の中に位置づけ、現代社会における普遍的な連帯の可能性を理論的に探る。大澤社会学・最新の地平。 感想 ほとんどメモを残さずに読んでしまった & 途中でバクマンとナルトを全巻読むなどして間があいてしまったため、あまりここに記せることがない・・・。以下、極めて内容の薄い感想。 現実の対義語として理想、…