人は死の恐怖を克服できるのか? 自分が死ぬことに対して恐怖を覚える人はどれくらいいるだろう。 人によっては、死に対してさほど恐怖心はなく自然な現象であると受け入れている人もいる。一方で、死に対して強い恐怖心を抱く人もいる。 わたしは後者であった。子どもの頃から、「自分」という存在がいつか消えてなくなってしまう日が来ると思うと、いてもたってもいられない恐怖心に駆られていた。 しかも、その終わりの日は確実にやってくるが、いつ来るのかはわからない。ランドセルを背負ったまま道端で途方に暮れてしまう、そんな小学生であった。 自分という存在がなくなることの本能的な恐怖心は、理性で抑えることはできず常に私を…