※本記事は、ジョン・マクレオッド著『物語としての心理療法』(誠信書房)第2章の要約および私見を交えた学習記録です。ナラティヴ・アプローチに関心を持つ初学者にも親しみやすい語り口で整理しています。 --- ● ストーリーと自己感 ナラティヴの情緒的側面を強調することには重要な意味があります。というのも、近年のナラティヴ論の中には、こうした側面が見落とされているものも多いからです。そしてもう一つの理由は、ストーリーの個人的意味や、自己感との関係性において、感情や情動が中核的な役割を担っているという点にあります。 自己感の本質は、個人の語りによる「絶え間ない構築プロセス」にあるとされます。人は、自分…