第9回V-DEMOCRATS総合政策企画会議コアチーム会議・証人喚問・NC閣僚

2005年12月14日(水)曇り

 第9回V-DEMOCRATS総合政策企画会議コアチーム会議を開催する。永田さんから現在の公務員制度に組み込まれた財政肥大の要因について鋭い考察が提示される。
 続く小川さんのイギリスの公務員制度を俯瞰した問題提起も秀逸だった。数字合わせに惑わされない質の論議について明確な方向性を示したものだ。尾立さんからは、ODA、総合政策企画会議のあり方についても根本的な問題提起がなされた。
ようやく、V-DEMOCRATSの議論の公開が承認された。私が公開にこだわるのは、民主主義における理解と共感には時間が必要だからだ。政策は政治の命だ。党内の同志にも共有できないで、大切な政策を決めるわけにはいかない。ましてや、主権者との不断のやり取りがなければ、政策は光らない。

 前原代表が海外の為にNC大臣会議は閣僚会議として開催される。古川税調会長から古川税制改正試案が提起される。理念のはっきりした良いできばえだ。大胆な改革が盛られている。私も積極的に支持をした。

 国土交通委員会では、耐震強度偽造問題をテーマに証人喚問が行われる。肝心のマンション業者が呼ばれていない。国土交通委員会の一部からは、早々の幕引きの声が聞こえてくることに危惧を抱く。徹底した真相解明がなされなければ、住居の安心を勝ち取ることはできないし、公的資金投入の理解も得られない。

 馬淵代議士の質問は出色だった。様々な隠された事実が明らかになる。
それに比して、自民党質問者の質問は持ち時間のほとんどを自説の展開にあて、姉歯証人の証言は6分足らずだった。こんな酷い質問があるだろうか?時間稼ぎと疑惑隠しだという強い批判が沸き起こった。
 
 公務員制度改革調査会。高嶋さんらから本質を突いた良い問題提起が行われた。本当の同志だと思う。

 かねてからお世話になった先生から、お招きをいただく。民主政治を立て直すようにという強い要請を受ける。政界の清濁を知った先輩の視線は遠くを見つめている。二つの本と幾つかの問題提起を合わせていただく。

 耐震偽装問題の無責任は、ここまでかというような内部事情だ。これが事実だったら、早急に行動しなければならない。しかし、命を懸けた戦いとなるだろう。あまりにも問題が深刻で相手が巨大だからだ。今年、体が不調で「追及質問」に耐えない時期があった。「もう追求は卒業したい。」と思っても、天はそれを許さないのか?思わずため息がでるような事態だ。仲間と対策を共有したい。

* ** データ編 ***

総合政策企画会議コアチーム第9回会議議事概要(未定稿)


○日時:2005年12月14日(水)13:00〜14:00
○場所:参議院本館 第13控室
○出席者:(衆)原口一博渡辺周永田寿康市村浩一郎三谷光男小川淳也代議士
     (参)松井孝治尾立源幸・大久保勉議員

○配布資料:①第8回コアチーム会議(12/6)議事概要  
      ②財政構造改革の理念   <永田寿康代議士>

公務員制度改革地方分権改革について    <小川淳也代議士>
参議院ODA調査第1班(エジプト・タンザニア)調査報告<尾立源幸議員>
⑤総合政策企画会議のあり方について問題提起  <尾立源幸議員>
⑥「民営化の限界と財政危機の行方」      <山崎養世先生>
道路公団民営化後の高速道路無料化実現の提案 <山崎養世先生>


一.各改革分野の進捗状況について

(原口)各改革分野の進捗状況について、特に精力的に議論を進めている公務員制度改革について渡辺周さんの方からお願いします。

公務員制度改革について     <報告:公務員制度改革等調査会 渡辺周 会長>

公務員制度改革等調査会ですが、NCで中間報告を了承いただくために鋭意進めていますが、素案という形でまとめます。原口さんにも副会長として連合との定期協議をすすめています。22日まで議論をすることになっているが、公務員の労働基本権と身分保障、政治的中立に関係するところだが、永久終身就職のようにとらえられているが、法律に規定がありながらできない。人員整理を行わないという国会決議がされているために、その取り扱いをどうするかということも決めなければならないが、中間報告の素案を明日までにまとめ、次のコア・チームの会議には提出できるようにしたい。

(原口)論点が多く、昨日もメンバーと話をしていたが、悪化が良貨を駆逐するというか、アメリカ型の公務員制度を導入しておきながら、実態は終身雇用を続けている。永田さんからもこの会議をスタートする時に誰が責任を持つのかという問題提起があったが、賞金規定もなければ労務管理をするところがないまま、悪貨が良貨を駆逐するという状態になっているのを主権者の立場に立ってどう解決するのかが求められている。次に永田さんから問題提起を頂きたい。

二.財政構造改革                <問題提起:永田寿康代議士>

財政構造改革財政再建が同じもののように考えられているが、財政の構造を改革することは単に財政再建だけではないだろう。現在の財政制度あるいは公務員制度の中に財政を拡大するあるいは縮小を拒むものがあるのではないかという視点にたって分析し、改革の論点を提言をするのが本論の趣旨。政権交代によって白紙に戻したり、歯車を逆にまわしたりすることができるので、必ず野党第一党を巻き込んだ改革をしなければならないことを前置きとしたい。第一に、事務次官会議のことは言うまでもないが、予算すべての政策の縦割りを生み出す元凶となっている。閣議が全会一致原則をとっているので、その前に事務次官会議にかける、しかも全会一致で事前審査を行うのは一見合理的に思えるが、閣議は総理が一番偉く、反対する閣僚を罷免して総理が兼務し、総理一人で案件を通すことができるが、事務次官会議はそのような仕組みになっていない。事務次官会議はすべて同輩なので、反対する人がいればすべて否決される。事務次官会議のような同輩者の会議が全会一致原則をとるということは、全員が拒否権を持っているに等しく、各省の独立性と排他性が強化されることになる。例えばA省の省益を拡大する反面、B省の省益を減少させるような政策の場合、事務次官会議で否決される可能性が高い。予算面においても同じような問題が起こる。例えば、ある省庁の特別会計の予算を他の省庁に流用することはできないなど様々な弊害がある。明文の規定がないが、ぜひ変えなければならない。次に官僚内閣制の部分だが、我が国は議院内閣の建前を取っていて、国民が国会議員を選び、国会議員が首相を選び、首相が閣僚を選び、閣僚が官僚を選ぶという整合性の連鎖によって行政の整合性が確保されている。しかし、首相が閣僚を選ぶという建前とは別に派閥の推薦で選ばれているという実態のために、閣僚の性格が変わり、整合性の連鎖も弱くなっている。首相が実質的に閣僚を選んでいれば、首相の代理人として閣僚は振る舞うことができるが、連鎖が切れているために実際は各省庁の代理人という性格を帯びている。そして、官僚は閣僚から任命されているという連鎖も切れているため、官僚は整合性を確保するために業界との接触を繰り返すことで整合性を確保しようとする。その舞台に立っている特殊な政治家はその分野に精通するために族議員化する。業界団体が組織化され、族議員を応援するようになるため、政党の統一的な方針をトップダウンで各候補者に浸透させにくくなる。党の政策決定が分散化され、党の政策が総花的なものになり、財政肥大化する要因になる。また、各省庁と族議員が積み上げ式に予算を作成するため、財政が拡大する。つまり、全体でどの程度の財政需要があるのか把握せずに、各省庁が勝手に予算を積み上げてしまうので、結果的にいくらになるのか誰も責任を負わないことになる。さらに、政策の一次情報が要求する各省庁側にあるということが前提になっており、これは予算が必要であるという挙証責任を要求省庁に押しつけているということだが、結果的に主計局の査定権限がきわめて弱くなる。要求のない予算をつけることは事実上不可能ということにもつながる。こうした問題に対応するために、小泉内閣が首相のトップダウンで閣僚を選ぶことはとても理にかなっている。実際に、今の閣僚は小泉首相代理人として振る舞っている。しかし、当の総理がまともな方針をだしていないことと官僚や族議員が新しい方法になれていないことから、予算編成に混乱が見られる。真の財政構造改革を実現するためには、首相が閣僚を選び、明確な予算方針を総理が示し、官僚と閣外の政治家の接触を極力排除し、達成するべき政策分野ごとにある程度まとまりのある予算を計上し、費目配分と執行については所管省庁の裁量を認めながら目標達成度を厳しくチェックするというやり方に改めるのが新しい予算の仕組みとして考えられる。そして、官僚制度のあり方については、日本の官僚制度の特徴はきわめて閉鎖的で、省庁別に分散的人事管理がなされている。閉鎖的というのはあるポストに空きができた場合に内部でそれを補充すると言うことが前提になっている。その前提が強く守られているために、官僚の組織への帰属意識が強化され、組織も官僚も組織特殊技能への人的資本投資を進めていくことになる。その結果、ますます独立性・排他性が強化され、家族的職場空間が形成されていく。一方でつぶしのきかない官僚が大量生産されることになる。つぶしのきかない官僚の退職後の生活不安を天下りの確保などによって除去することが、組織への忠誠心を維持する上で人事当局の死活的に重要な問題となっている。加えて、関係業界としても退職した職員の受け皿になることにより省庁とのつながりを継続的に維持し、かつ人事当局に貸しをつくることによって規制・予算面での便宜を維持する構図がある。しかし、自民党政権の首相は長らく明確な政策方針を打ち出さずにいたため、官僚の人事評価は公益をいかに増加させたかではなく、省益への貢献を優先するという現実がある。ここで、問題になるのは公益を増進させる資源と省益を増進させる資源は同じ側面を持っているということ。すなわち、各省が持っている人材、予算、法案立案権、許認可権、あるいは与党・業界との良好な関係、天下り先などの職員への報酬分配能力、組織の社会的ステイタスなどは公益増進のためにも省益増進のためにも使えるということである。例えば、天下りをやめるという政策を実行した場合に、物事の片一方だけを止めるだけでおそらくうまくいかないのではないか。ただし、人事当局が人事を行う際によりどころにするのは職員の評判情報であるし、組織そのものに対する評判も人事当局の関心事であるから、評判情報をうまく使うことによって今の公務員制度の弊害を和らげることができるのではないか。具体的には天下りや予算の獲得を必要以上に追求する職員や省庁に対して低い評価を与えることによって、彼らのインセンティブを動かしていくという方法は機能する可能性が高い。最後に、諸外国の財政再建への取り組みを見ると、成功したものも失敗したものもあるが、一般的傾向として国家の歳入を所管する財務大臣の地位が他の大臣よりも上位に位置づけられている国では財政規律は健全に保たれている。しかし、我が国では財務大臣は他の大臣と同格であり、特に小泉政権では竹中総務大臣はおろか中川政調会長よりも格下の扱いを受けており、問題が大きい。財政再建にむけた政権の意思をより強く打ち出すためには、財務大臣を副総理格の人間にする、あるいは与党内にも強い発言力をもつ実力者を配するべきである。ただし、首相や財務大臣財政再建に関する権限を強化するという手法は連立政権の場合には極端に弱くなるという減少が見られる。財務大臣よりも連立相手の党首の方が発言力が強くなるからである。そのためには、2〜4年の長期財政フレームワークを設定し、政治家がコッミトする仕組みが有効に機能するのではないか。やはり、財政が自然に肥大化することを排除する視点が欠かせないために整理をさせて頂いた。

○議論・ブレインストーミング
(原口)費用最大化の原則の中で、能力もあり志の高い官僚が族化していく過程をきっちりと書いて頂いた。連合との定期協議にも永田さんに来て頂いてプレゼンテーションしていただくと刺激になると思う。

(渡辺)事務次官会議をやめて、政治家が決めるという仕組みを作ったとしても、実際はどこかの組織がまとめてきたものを使うことになる。政治任用を拡大して、政治の影響力を高めるという考えがあるが、政治任用についてお考えをお聞きしたい。

(永田)閣議が省庁の利害を調整する、全体の政策調整を行うことを期待されていたわけだが、それを事務次官会議が代行することには機能として無理がある。かといって、大臣が部屋にこもって侃々諤々議論するというのもおかしいので、大臣の命をうけて調整を行うスタッフは必要で、そこを政治任用すれば、従来の官僚制度も機能すると思う。どういう人を政治任用するかによって効果が違うので、やってみなければ分からないが、調整をする人を政治任用するしかないのではないか。

(渡辺)本来、政務官はそういった役割を期待されていたのではないか。政治家が調整を行い、官僚を抑えるというのが政務官の役割だったはず。

(永田)政治家もやらなければならないが、政務官が機能していないのは、首相に任命されるという性格が弱いために、頻繁に調査会や部会長が影響力を行使して、官僚に接触するところに問題があるのではないか。

(原口)自民党のある政治家が、そういった問題をふせぐためには課長に補佐官を置き、政治任用でサンドイッチにして族化を防ぐのが良いのではないかと言っていた。参考までに。

(松井)菅さんの時のマニフェストには事務次官会議を廃止するという政策を入れた。  事務次官会議は法律にも政令にも基づいていない、内閣官房閣議案件を処理する時に慣例として行っているだけなので、それを副大臣会議で代行するという案を出した。岡田さんのときは少し違っていて、事務次官会議の上に副大臣会議を置き、そこで決済をするという考え方。共通して言えるのは大臣や政務官が分担して政治主導を実現するということ。また、政治任用で挟み撃ちにするというのは、原口さんの仰った通りなので、政権を取った時に日和らずにきちっとやるということを決めておけばいい。ただし、必ず中から崩れる。事務次官と一緒になって物事を処理しようという人は必ずでてくるので、中から崩れたり、便利な人に任せがち(メモや進行もしっかりやってくれる)だが、自分たちが結束してしっかりしていれば問題ない。あとは人材を政治任用で確保できるかということ。公務員制度でいうと、政治任用をしようとすると今の天下り制度に自分たちが縛られることになるので、新しい公務員の再就職ルールをつくっておかなければならない。政治任用で政権に来てもらった人が再就職できないようでは、人材の確保ができないので、そういう問題は考えておかなければならない。

(原口)次に小川さんに問題提起をお願いします。


三.公務員制度改革地方分権改革について    <問題提起:小川淳也代議士>

今の話にも関連するが、公務員制度と地方分権についてまとめた。今の議論を踏まえた上で、私のイギリスでの経験から違う世界を見て頂きたい。公務員制度改革については渡辺さん中心に調査会が動いていて、労働基本権、身分保障、定員、人件費の問題などの議論が続いている。一方、政府与党側は経済財政諮問会議で議論しており、5年間で定員を5%削減するという数字の議論に入っている。分権については解散前の中間報告で止まっていて再び調査会を立ち上げるということになっている。政府は三位一体改革で3兆円を実現したという達成感が漂っている。そこで2つ問題にしたい。公務員制度改革については民主党は4年で1割人件費を削減や、政府は5年間で5%の人件費を削減するなど数字の議論にはまりこんでいるが、どこまでそれに付き合うべきなのか。数字の議論をすると政府には勝てない。政府は言ったことを実現できるが、われわれはできないということを考えるべき。また、分権については3兆円の税源移譲は達成したが、補助費や負担費を減らしたが口を出すという現実は変わっていない。数字に惑わされないように、質の議論をしていかなければならない。現在の議論をふまえて、イギリスでの事例を紹介したい。イギリスではキャメロン氏が新しい保守党党首になったが、38歳わずか4年の政治経験、2期生だが、これで8年ぶりに保守党の支持率が労働党を上回った。政治の状況はダイナミズムのある世界。99年〜2000年にかけて自治省の関係団体の自治体国際化協会でイギリスに駐在し、そこで見たことを4つ紹介したい。まず1点目は地方制度が全国画一ではない。大都市はバーミンガムなど32あり、一層制になっている。例えば日本でイメージすると横浜市の上位に神奈川県は存在しない、大阪市の上位に大阪府は存在しないという地方制度を取っている。地方、郊外は二層制をとっていて、県は34,市は234あり、イギリスは6000万人の人口で300の自治体なので平均20万人規模。日本は3000市町村で1億2000万人なので平均4万人でイギリスより相当自治体の規模が小さい。この春、合併が進み3000の市町村が1800くらいに再編される予定である。イギリスは島嶼部は議会を残している。大都市とその他地方と島嶼議会という柔軟な地方制度になっている。二つめは日本の道州制に通じる議論だが、イギリスはウェールズスコットランドアイルランドという異なる地域から成り立っている。スコットランドウェールズには2000年にブレア政権によって大幅な分権がなされた。スコットランドでは議員と首相をおいて産業、教育、福祉については自主立法権を持つ。しかも、所得税の上下3%の範囲で独自の税率を定めることができるという思い切った分権地域を作り上げている。18世紀にスコットランドを合併して、6000万人のうち約1割がスコットランドの人口である。18世紀の合併がポイントで、スコットランドは未だに自主独立の気風が強く、日本で言うと沖縄や北海道のアイヌなどにあたり、そういったところに自治権を与えている。一方、ウェールズは13世紀にイングランドが併合し、一体化が進んでいる。そのため、スコットランドに比べてやや弱い自治権を与えている。あわせて、イングランドにも10の地域開発公社、広域自治体を作ろうとしており、ヨーロッパ全体をEUに統合しようとする中でのイギリス国内での変化である。次いで、ロンドンに東京都庁に相当するロンドン都庁というものがあり、労働党支配下だったが、サッチャー政権がロンドン都庁を廃止した。日本で言うと、小泉首相石原都知事の都庁が気に入らないといって廃止するのと等しい。このときに2万5千人が解雇された言われているが、そのうち半分は自ら職を探して去っていった。もう半分は東京23区に相当する32区があるがそこに降りた仕事を担当するために降りていった。ここで申し上げたいのは、雇用制度に官民間の差がない。終身雇用前提とした仕組みがなかったからこそ、ロンドン都庁の廃止が受け入れられた。2000年に労働党のブレア政権がロンドン都庁を復活させたが、注目したいのは職員数は250人であるということ。かつて25000人いたロンドン都庁は、広域交通や環境など業務を絞った形で250人体制に切り替わったともいえる。非常に柔軟な構造であり、それを支えているのは分権や公務員制度そのものに対する考え方だと思われる。最後に、中央官庁から地方自治体まで、それらの組織のトップクラスから末端職員まですべて公募制を採用している。一部、キャリア制度をとっているところもあるが、ほとんどが新聞やホームページを通じた公募が官民を問わずとられている。3つポイントとして書いたが、雇用法制に官民の垣根がない、生涯にわたる身分保障がない、その結果、どこに勤めているかではなく、何ができるかということに特化した職能化、専門化が進んでいる。日本の政府与党の数字の議論も良いが、質の議論を民主党としては行うべきではないかと思う。裏面にイギリスの自治体のホームページだが、職員募集欄に最近の募集状況や仕事内容や給料の額などがのっている。これに限らずあらゆる政府機関がホームページ上で人材募集を行っている。

○議論・ブレインストーミング

(原口)一点目は自民党の高値を付けている時期にさらに高値を強化するような提案をすべきではない。自民党のイメージを強化してしまう。今の小川さんの提案は良かった。2点目は「どこに勤めているかではなく、何ができるか」という話だが、永田さんの指摘にもあったが、日本の官僚制度は組織の中で補充をし、人に対して給料が与えられているのではなく、職に対して与えられているので、同一労働同一賃金になってしまっていて、キャリアアップができない仕組みになっている。ぜひ、永田さんと小川さんに連合との定期協議に来てもらって話をしてもらいたい。

(山崎)目から鱗の話をいただいた。職を募集する場合、任命権限はだれが握っているのか。例えば、日本の場合、人事院が一元的に試験を実施する。日本企業の場合はかつては人事部が一元的に採用する。これに対して、私がゴールドマン・サックスにいた時は、それぞれの部門のユニット・マネージャーが人事権を持つが故に、部門が業績を挙げたかどうか評価される。イギリスの場合はどういう仕組みなのか。

(小川)イギリスの場合は、地方の自治体の執行権限は議会が持っている。議会がCEOという最高執行事務員を任命する。以下の下級職員についてはCEOが人事権を持っている。人事権はトップマネジメントが持っていないと機能しない。

(山崎)それでは業績評価はどこが行うのか。

(小川)業績評価は政府が指標を作っていて、自治体を相対評価する仕組みをとっている。

(大久保)CEOは頻繁に代わるのか。

(小川)3年〜5年で代わる。日本でいうと香川のCEOが今度は徳島のCEOになるというようにCEOの業務は専門特化されている。

(山崎)よくエコノミストで人材募集のページをよく見かけるが、そういったことがイギスでは当たり前になっている。

(小川)公共部門でも当たり前になっている。

(原口)日本の法律もアメリカ型なので、本来は人材の流動化が前提となっている。

(小川)法制的にはそうだが、慣例でガチガチに決められている。

(原口)それをどうやって変えるかが重要。

(小川)イギリスでは局長までが政治家。事務次官会議を廃止するのではなく、事務次官を廃止すれば良い。閣僚級の大臣と事務を担当する大臣に分かれている。閣僚が日本で言う大臣クラスで、事務を分掌する大臣は局長クラス。日本の場合は政策発表を農水省などの省庁名で匿名で発表するが、イギリスの場合は事務を分掌している大臣の名前で発表する。イギリスの官僚に政策的なことを聞くと必ず「政策的なことは党に聞いてくれ。我々は執行をやるだけだ」という返事がかえってくる。600人の下院議員のうち400人が与党、そのうち100人が政府内に入っている。しかも、政務官のような盲腸のような存在ではなく、ラインに入っている点が大きな違い。

(  )閣僚でない大臣は何人いるのか。

(小川)日本の局長数と同じ。与党から100人政府に入っているので、100人。彼らが   自分たちの名前で政策を発表している。

(原口)おそらく、業界団体との接触もものすごく厳しい。

(小川)政治家と官僚との接触は厳しいが、政治家はフリーだと思う。政府の担当大臣としての業界との調整は当然、やっていると思う。

(渡辺)地方分権にも入っているので、参考になればと思い紹介する。北海道が国の権限と地元でできる事業の仕分けを行った資料が手元にある。これを見るとどれくらい国が過剰に関与しているかが分かる。これに基づいて北海道が国に提案したが、国の回答はほとんど現状維持だった。北海道の東京事務所に資料要求すれば手に入る。また、国の過剰関与等撤廃研究会というのが全国市議会に設置されているが、国の過剰関与がどれくらいあるのかをまとめているので、地方分権の議論の中で参考にしてほしい。初めてまとまったもの。

(原口)資料をシェアするためにグループウェアがあるので、ご自身のキャビネットの中に入れて欲しい。また、ニュースの欄があるので、そこに投稿してもらえるとありがたい。次いで尾立さんから問題提起をお願いします。


四.尾立源幸議員より報告・問題提起

2点報告と問題提起がある。1点目は参議院の調査団としてODAの視察に行ってきたのでその報告と、2点目はこの2ヶ月間の党内の議論で気がついた点があるので、それについて問題提起したい。ODAの流れが大きく変わっており、旧来型のODAは個別プロジェクト中心で日本の国旗があるかないかを問題にするものだが、恥ずかしながら我々の視察も多くはこの視点から行われた。現地で説明を聞いたものだが、新規型のODA、これは途上国政府の一般財政に直接支援を行い全体の底上げをおこなうものである。どちらが良いとか悪いとかという問題ではなく、両方あって良いと思うが、日本が新規型のODAを行う時に一般財政支援にお金を出せない構造になっていることが問題。次いで、現地への権限移譲の必要性についてだが、現地では大使館、JICA、青年海外協力隊などが現地タスクフォースというものをつくって連携して現地のニーズを吸い上げて、ODAを実施している。しかし、これが本国にもどると縦割りの中でゆがめられて、せっかくの案がなかなか通らないという意見をもらった。地域レベルにもっと権限を移譲して、本省はチェックと評価をおこなうべきではないか。あとは、読んで頂ければと思う。もう一点はこの2ヶ月間、政調の会議で事務局などをさせていただいて気づいたことを問題提起させて頂く。政策金融については部門内でも異なる意見があったり、部門間でも意見が異なることがあって、あまり政府案と違わない案になった。税調でも同じように意見対立があって、中途半端なものになった。結局このようなやり方を続けている限り、今までと同じような案しかでてこないのではないかと考えた。同じようなことが霞ヶ関でも起きていて、省庁間の対立するような政策については足して2で割ったり、痛み分けになったりしている。では、我々はどうすれば良いのかを考えたが、せっく総合政策企画会議とその手足であるコア・チームがあるのだから、ぜひここで部門間の意見を聴取した上で、国民全体の利益を考えた上で政治判断をする仕組みを作れば我々らしい改革案ができるのではないか。ただ、今の制度上は次の内閣が最終決定を行うことになっているので、それを尊重する必要がある。

○議論・ブレインストーミング

(原口)私も今回の財金の決定については総合政策企画会議担当として責任を感じている。そういう意味でも大変良い問題提起だと思う。今の2つの問題的についてまずはODAについて何か質問、意見をお願いしたい。

(永田)私もODAの視察に行ったので、気がついたことを述べたい。日本が人道的な援助としてエイズの検査機を配ったりしているが、ザンビアが日本の常任理事国入りに反対したので、ODAを引き上げようと現地の担当者に指示したらどういうことになるのか気になっていた。もし、本当に人道的な支援をしていたのであれば、被援助国は「あの国は人道支援と安全保障理事国入りを結びつける非人道的な国だ」と言われるのではないかと思っていた。実際に協力隊の人にこの質問をぶつけたところ返ってきた反応は驚くべきもので「この国の人たちは援助慣れしているので、日本からもらえなければフランスからもらうと思うのではないか。本当に自立を促すのであれば一気に手を引いた方が良いと本気でも思っている。」というものだった。我々が自立型の支援を行っているつもりでも、現地ではそうは受け取られていないし、他にその援助を提供する国があれば我々の意図は台無しになってしまう。一致して我々は人道支援を行っているという姿勢を貫かなければ効果が半減してしまうが、意図的にアフリカを低いレベルにとどめるために援助を行うというふしが旧宗主国を中心にある。これは深刻な問題。ちなみに、南アフリカの学校の図書室には床に直径3メートルくらいの日の丸があった。


(大久保)インドに行ったが、日本はインドに対して他の国と同じような援助をおこなっているが、経済的発展しているのでメリハリをつけて援助するべきだ。新規型が中心だったが、インドに関しては日本の国策に結びつくような支援をするべきだと思った。背景としてはビルゲイツがインドに行き、43億の投資をすることを約束した。インテルは10億などアメリカ企業がどんどん進出しているが、それに対して日本企業の活動も日本政府の方向性も見えなかった。支援をしているのは日本政府なのにマークはJICAマークだった。なぜ、日の丸をつけられないのかと聞くと「政府方針です」と答えた。「政府とはどこなのか」と聞くと「外務省です」という答えだった。インドのように戦略的な対応が必要な国は日の丸を全面に出してもよいのではないかと感じた。

(永田)中国のODAのやり方はすごくて、現地の影響力の強い人の選挙区に集中的にODAを投下する。買収だ。うちがやらずに向こうにやらせて良いのか。向こうがやるなら、うちもやらなければいけないというのも真実。

(原口)私は昨日、ベトナムから帰ってきたが、日本政府はベトナムではそういうやり方をやっている。これは二階ラインが実施しているもので非常に戦略的。やはり政治家がコミットして戦略的にどこに集中投下するべきかを考えるべき。

(大久保)日本の政治家と現地の政治家のパイプを太くして、戦略的な案件について国会がODAに関与する方法もある。

(原口)JBICの荒川さんと大串さんのパーティーで会った。今まではホワイト・エレファント系が非常に多かったが、いま東欧ではホワイト・エレファント系から人道系に援助がシフトしていてワクチンを保存する電力も作り出せない状況になるほど人道系に傾斜している。その中でホワイト・エレファント系のインフラを組み合わせることで、援助の効果や人道援助につなげていくかが求められているという話だった。一度、来てもらい話をしてもらいたいと思っている。後段の霞ヶ関プロジェクトKの人たちにも来てもらって話をしてもらいたいと思っているので誰か知りあいがいればお願いします。政策金融について別パラダイムから山崎さんお話お願いします。

(山崎)政府系金融機関は各国に様々あるが、まずはじめはアメリカで大恐慌後につくられ、民間金融がうまくいかないときに政策金融を拡大したという歴史がある。アメリカには住宅金融だけで政策金融が3つあり、ファニーメイが一番大きいがこれが38年に作られ、それを民営化してつぎにジニー・メイをつくり、さらにフレディ・マックをつくった。担当業務をある程度わけてお互いに競争させている。ジニー・メイは政府機関そのままであり、ファニーメイ、フレディ・マックは上場させているが理事12人のうち5人はいまだに連邦政府が任命しており、特別法でそれを担保している。また、奨学金専門の政策金融があり、証券化が中心だがサリーメイというのがある。ただ、直接貸付からはほぼ撤退し、民間から民間への貸付を橋渡しする証券化を中心にしている。これは非常に大きな違いになっている。それぞれの分野で選択と集中と競争をさせることで民であろうが官であろうが教祖させるということと、あくまでも政策目標を達成しなければならないので、特別法と政府の関心が行き届くということ、完全に民間金融機関にしてしまうと使うところと使わないところが出てくるのと制度の安定性が確保されない、全国一律の制度ができない、ということが60年間テストされ分かってきた。今回の政策金融機関を1つにするという改革は分からないわけではないが、民営化して全く普通の銀行になれば長期的に見れば収益最大化と他の銀行との横並びになるので経済が拡大する時は貸し出しを拡大させ、収縮する時は収縮するという不安定効果を生むという懸念がある。残る政策金融機関を1つにまとめ何でもやるというが、経営的に見て1つ1つの業務の選択と集中が本当にできるのかというと他のところに駆け込みようがない状況で政策金融を独占するので、お上として精細与奪の権を持つ現象にならないかという不安はある。道路公団郵政民営化は委員会のようなものがつくられたが、なし崩しに議論が進んでいるということに財務省のトップクラスの人たちも彼らの役職が減るというだけでなく、民間の金融機関が立ち直っているとはいえ、改善されていない状況で「官から民へ」という言葉が一人歩きして、すべて民営化してしまう、1つにしてしまうということになっているのではないか。もう少し深掘りや「公」と民とは必ずしも対立概念ではなく共生概念であるので、もう少し高度化しないのかと思っている。

(原口)なぜ山崎さんにお話し頂いたかというと、この会議のあり方は新しいパラダイムを打ち出して、政府との競争に打ち勝つということを目標にしている。しかし、政策金融の議論などに見られるようにその手前で、永田さんの大きな発想も大串さんや尾立さんの努力も他のイデオロギーに引っ張られてしまって時間を費やしてしまった。これをどうするかというのは大きな問題なので、一度集中して今日の問題提起を議論したい。駆逐した方が良い考えを明示する必要がある。

(大久保)政策金融に関しては、どういう結論になっても自民党案と違わないと思った。そこで、今まで商工会議所、中小企業団体を回ってみた。そうすると、会えなかった人たちにも会え、親しくなれた。方向性が決まっているのであれば運動論として、どのように民主党の基盤を強くしていくか、あるいはこれまで自民党の支持基盤だったところにどうやって入っていくかという運動論を展開した方が良いと思っている。

(原口)政策金融の議論は終わったと思っていない。政策金融の議論が国会で始まるまでにこちらで味付けをして、運動論を展開していく。政府案は出たが、こちらはまだパラダイムが乗っていないので、パラダイムを乗せて先ほどの山崎さんのようなお話を入れ込んでいきたい。

(大久保)小泉さん独裁政権に押しつぶされたが民主党はよくやった、だから民主党をこれからは応援するという流れにこれから持って行けば良いのではないか。

(原口)山崎さんに高速道路の無料化について問題提起をお願いします。



四.道路公団民営化後の高速道路無料化実現の提案   <提案:山崎養世氏>

民営化された後に無料化をどう提案していくのかについてお話ししたい。
そもそも道路公団民営化は小泉政権誕生前にはほぼ腹案ができていて、その時の前提は道路財源を一切いじらないということだった。その上で民営化しようという話だったので、道路公団民営化法案が成立した時に古賀誠さんは満面の笑みだったことに象徴されている。国土交通省は民営化会社に建設命令を出せるし、道路の建設計画はまったく変更がない。すなわち全く変化がないので喜んだ。癒着構造も全く変わらない。官民で国民から税金や利用料を窃盗できるという構造は何も変わっていない。
小泉さんがそれを揺り動かすことを言い始めた。道路財源を一般財源化するというのがそれで、枠組みが全く変わってしまっている。高速道路の問題の根本は税であり、無料化できるのも税だからなのだが、ある意味では非常に面白い問題提起をしてくれた。道路財源の一般財源化を小泉さんが言い始めた時にトヨタの社長、会長が反対したことからも分かるとおり、この問題は非常に大きなインパクトがある。道路部会長をつとめていた村岡さんの息子さんが無所属で出馬したが、高速道路の無料化を掲げていた。後援会もすべて無料化に賛成した。なぜなら無料になれば田舎の土建業であれ、観光業であれ、水産業であれ、地方を振興するには無料化しかないから。秋田県の寺田知事は私と同じ日に参考人質疑に立って、なぜ国は高速道路を無料化してくれないのか、秋田県の交通の97%は自動車であり、高速道路無料化しなければ経済発展はあり得ないと言った。この政策は地方にとっては重要な問題である。
今後、民主党が支持基盤としてつかみ取っていくのか、小泉政権は東京党になってきているのに対して東京よりも合計すれば議席の多い地方を結集できる潜在性をこの政策が持っていることを考える必要がある。高速道路の歴史について簡単に言うと、道路財源が200億しかなかったときに名神、東名の建設費の4600億円をとてもまかなえなかったので、世界銀行から1/3の金を借り、足りないところは財政投融資から借りた。国債は発行できない、財源が不足している反面、財政需要があり高い返済能力と収益能力がある場合に財政投融資を正当化できると思う。
ところが、田中角栄さんが総理になった時に道路財源は100倍、2兆円になっているので名神、東名の借金はその時には返せた。実際には90年にすべて返しているが、高速道路の利用料は道路整備特別措置法に位置づけられており、あくまで道路財源が足りないから取っている特別措置で、プロジェクトファイナンス法だった。しかし、90年に借金を返したにもかかわらず、相変わらず利用料を8兆円も取っている。高速道路で取っている税金は高速道路には使われていない。高速道路で取っている税金3兆円は高速道路に使われず一般道路に使われている。その上で料金を2兆6千億取っている。高速道路ユーザーは現状で二重取りされている。料金をとらないで、高速道路で取っている税金を高速道路に充てて、一般道路で取っている税金を一般道路に充てるという当たり前の制度に戻すというのが高速道路無料化の提案。その手法としてデット・アサンプションという方法を使う。不良子会社などがある場合に本体がその債務を承継して、子会社を整理するというときに使う手法。
なぜこの手法が有効かというと、今回の民営化によって道路公団は2つの組織に分かれた。資産債務返済機構が高速道路資産と40兆の債務を受け継いだ。一見、国鉄の民営化と似ているが、国鉄清算事業団が受け継いだ資産は売却可能資産だったが、名神、東名の道路は売却できない資産で保守的な会計基準であれば資産計上してはいけない資産である。資産債務返済機構は債務を40兆円持っていて実質的な資産を持っていない企業で、返済プランは金利が4%以上になると破綻するプラン。しかも、事業債は年間7兆円しかないのにどうやって40兆を消化するのか。このプランは机上のプランであるのと、変動金利で5年、10年と借り換えを行っていくので試算すると4%の金利で84兆円、10%の金利だと169兆円と幾何級数的に返済コストが増えていく。
しかし、私の案はそれを国がいったん債務を引き取って国債を発行して返済することで、50兆〜60兆で債務が確定する。この案であれば金利が低くて済むことと、国の年間の国債発行額は160兆円ある。しかも、40兆の債務の貸し手の6割は財投機関、そして財投機関のお金は国債市場にほぼ戻ってくるので、ネットの国債の資金調達必要額は16兆にすぎない。2年に分ければ年間8兆円で済むので十分消化可能で唯一現実的な返済プランである。その時に9兆円の道路財源のうち1兆3千億円を償還財源に充てれば、30年で債務が完全になくなる。また債務保有返済機構は精算できるし、100人しか職員がいないので雇用問題はほぼ生じない。
さらに、今回の民営化の特徴は民間会社が高速道路の建設と管理を請け負うことができることになったこと。これまで道路は政府しか作ってはならないということ原則にしていたにもかかわらず、道路公団を民営化したということは民間企業が施行、建設、請負を行うことができるということを認めたことになる。そうであれば、1企業だけに任せる必要はないので、イギリスやアメリカで行っているように、行政が競争入札を行い他の民間企業に行わせることができるので、公共事業の効率化、ガバナンス、コンプライアンスの強化が可能になる。ただし、道路財源の一般財源化というのは財務省の懐に入って、何に使われるか分からないかたちになってしまうので、財務省から見るとこれほど嬉しい話はない。だから、自工会も話が違うと言っている。彼らも石油連盟もあのとき無料化に賛成しておけば良かったと言っている。高速道路債務返済特別会計を作り、道路財源の9兆円のうち1.3兆円から1.5兆円を返済するという仕組みであれば、今の税の仕組みをそれほど変えなくても十分捻出できる。さらに、5年債、10年債の償還が進めば、財源があまり始めるのでその分を減税することが可能になるし、環境目的の減税に充てることも可能になる。また、道路財源を地方に一括して交付することにすると、三位一体改革よりも大きい7兆円くらいの財源交付になる。それと同時に道路建設権限や国土計画権限も県に下ろすと、都道府県に財源と権限を渡すことができる。いまの三位一体改革はトータルで渡すお金は減らすが、この案であれば権限付きで増やすことができる。さらに、お金を余らせれば他の用途にも使えるようにすれば、道路に使うお金を節約するインセンティブを持たせることができる。
小泉首相が道路財源に手をつけると言ってくれた瞬間からいろんな可能性が見えるようになったし、高速道路無料化の実現性は高まっている。道路公団民営化推進委員会の委員だった川本裕子さんは政府の道路公団民営化にはまったく意味がない、民主党の無料化の方が論理的には正しいと本でも書いている。マニフェストに掲げて3回の選挙をやっているのだから、ぜひ、オープンな議論を民主党の中でやってほしいと思っている。


○議論・ブレインストーミング

(原口)川本さんについてはCOP-Aでも話を聞きたい。民間委員Aさん何か意見等はありますか。

(民間委員A)先ほどのODAについて、私がある会社のワシントンにいたときだが、その中にバレンツというODAコンサルティングを行っているチームがあった。そこのチームの人の話を聞くと、びっくりした。ベルリンの壁が崩壊して以降、東欧、旧ソ連、中国、ベトナムなどの国に世銀やUSIADがいろんなODAをやっていて、そのコンサルティングIMFや世銀などから人材を得てそのチームが行っているが、まずは国営企業の民営化を行う。例えばベトナムなどにMinistry of Privatizationという省を作るコンサルから始めるが、そこで何百という国営企業を民営化する。その過程でそれらの企業の財務データをすべて握ってしまう。さらに、民営化した後に商法の規定がないから作ろう、証券取引法の規定がないから作ろう、証券市場がないから作ろうなどと言って知的インフラをすべて作っていく。それである程度インフラが整備された後に、アメリカ企業が進出する際に、相手国の企業の財務データを握っているので提携先を探すことができる。さらに、できあがった証券市場に上場する際にアメリカの証券会社を関わらせることができる。まさにアメリカ流の資本主義を輸出している姿をまざまざと見せつけられた。

(尾立)高速道路の無料化の話を経営者にすると非常に抵抗を持たれる。タダより高いものはないとか、できるはずないと言われてしまうので、そこをクリアする分かりやすい説明はないか。

(山崎)二重取りされているということをよく話してもらうことがポイント。福岡大学太田誠一さんとディベートしたが、200人のうち160人は私に賛成して、40人が太田さんに賛成した。

(原口)佐賀県でも高速道路無料化を訴えたところは票が多かった。どういったかというと皆さんから頂いている重量税で十分なんです。タダではないんです。高速道路はタダではできないが、今頂いている税金で十分なんです。二重取りされているんです。皆さん本当にお人好しですね。

(山崎)黒岩祐治さんというキャスターが本にも書いているが、簡単に言ってください。民主党が政権をとったら高速道路が無料化される、それが一番簡単な言い方だと。それが一番インパクトがあると彼に言われた。

(尾立)例えば1/3にするというのが現実的だとよく言われる。

(山崎)そうすると道路公団が残存する。

(永田)僕がよく使う方便は、いま地方の高速道路が高すぎて誰も使わない。そうすると高速道路と平行するバイパスをつくってくれという陳情を山ほど受ける。そんなことはムダだからバイパス作るより高速道路を無料化した方が良いというもの。

(山崎)高速道路はもうあるので、それに出入り口をたくさん作って一般道路と接続すれば、日本の道路は人口比で単位面積あたり一番多い。それなのに、毎年10兆円使っている。

(原口)代表がこれから、ピンピンコロリ運動というのをやろうと言っている。民主党が出す政策はポジティブで国民の立場に立ったものにしようというものなので是非お願いしたい。次回は公務員制度改革をもう一度議論したいので、渡辺さん、市村さんお願いしたい。今心配しているのは代表が海外に行かれて、かなりバッシングなどが起きているので、こういう状況を続けていたら誰が代表になっても同じだと思うという問題提起をしたい。


五.シンクタンク設立について

(松井)シンクタンクの設立シンポジウムを土曜日に行ったので、その資料を配付した。もうすぐフル議事録ができるので、アップする。できるだけ、関係者以外の議員皆さんにも参加して頂けるようなワークショップを行っていきたいので、ご提案頂ければありがたい。

以上.
* ** データ編 2 NC閣僚会議 ***
民主党『次の内閣』は14日午前、国会内で閣僚懇談会を開催し、税制調査会からの報告や子どもの安全対策などについて出席者間で活発な議論を行った。

 中国訪問中の前原誠司ネクスト総理大臣(代表)に代わり、冒頭の挨拶に立った鳩山由紀夫ネクス国務大臣(幹事長)は、「この国をどういう思いで、野党としてリードしていくかという発想が非常に重要だ」とし、各方面の意見を十分に聞きながら、党の運営に努めてまいりたい、と述べた。

 また、「小泉首相から大連立などという言葉がしばしば出ている」ことについても、「小泉首相のやろうとしている方向とは違う、新しい道筋をしっかりつくっていくという気概をもっていただきたい」と呼びかけ、そうした話に「乗ることは全くあり得ない」とした。

 松本剛明ネクス官房長官政策調査会長)からは、民主党シンクタンク「公共政策プラットフォーム」(プラトン)が設立記念シンポジウムを開催したことなどについて、永田寿康国会対策委員会筆頭副委員長からは閉会中審査の状況などについて、それぞれ報告が行われた。

 古川元久税制調査会長からは、「行革なくして増税なし、公平なくして増税なし」とした平成18年度税制改正に対する考え方について報告。古川会長は特にメッセージ性に重点を置いたことなどを強調し、様々な観点から参加者間で活発な議論が交わされた。

 子どもの安全対策については、鈴木寛ネクス文部科学大臣小宮山洋子ネクスト子ども政策担当大臣より報告が行われた。この中では、子どもの安全合同会議(座長:鈴木・小宮山両ネクスト大臣)の設置について報告があったほか、学校安全対策基本法案(仮称、民主党議員立法)の骨子(案)についても水岡俊一参議院議員より説明が行われた。これらを踏まえて活発な議論が展開され、今後も更に精力的な取り組みを行っていくことが確認された。

 先の衆院選でのマニフェストの位置づけと政策のブラッシュアップについては、松本ネクス官房長官から説明があり、マニフェストの幾つかの項目について、選挙時点からの情勢の変化等も踏まえ、再検証を行っていくことなどについて確認・要請が行われた。