フーコーの『言葉と物』はあまりにも有名かつ多くの研究者が精力的に読解してきた本なので、記事にするか迷いました。しかしブログだからこその簡潔な文章によって少しでも読者の助けになれば...と思い、あまりにも大胆であることを認識しつつもいつも通りの短さでお届けします。 本書は、副題「人文科学の考古学」が示す通り、「知」の歴史を探究する中で、私たちが世界をどう認識し、記述してきたかを批判的に考察します。フランス構造主義を代表する作品の一つとして広く知られ、オリジナルは1966年ですが、現在でも哲学、社会科学、人文科学といった分野に大きな影響を及ぼしています。 冒頭でフーコーは、ディエゴ・ベラスケスの絵…