最後の晩は、宿直室で寝袋にくるまりながら寝た。明日からOさんがいなくなるかと思うと、淋しかった。 ───────────── (写真素材提供 photoAC) Oさんに限らず、警備員さんにはいつもお世話になった。初任の養護学校(特別支援学校)で、私は勤務後もよく学校に残って遅くまでオルガンを弾いていた。 誰にも気兼ねなくオルガンを弾けるのが嬉しかったが、教頭に叱られた。 「お前がいつまでも学校に残っていると、警備員さんも戸締まりができない。用が無かったら早く帰れ。」 私は警備員さんに迷惑をかけているとは思いもしなかった。 警備員さんの仕事の大変さを初めて知った。 転勤した2校目では連日生徒の問…