子どもは、ときに嘘をつく。 とても自然なことだと思う。 それが、誰かを傷つける嘘であったとしても、その裏には「自分を守るための必死な理由」がある。 「死ね」と言ってしまった。でも、それをどうしても認められない。 物を隠してしまった。状況からして明らかなのに、それが言えない。 「ごめんなさい」と言えば済む——そう思えるのは、ある程度成長した側の理屈なのかもしれない。 ときに、謝った瞬間に自分という存在が崩れてしまうと感じている子もいる。 私は、そういう時、追い詰めない。 明らかにすることを、あえてしない。 そう決めている。 ただ、それは子どもにとって楽な道ではない。むしろ、見逃された方が苦しいこ…