「ハスミン」。 その愛称で呼ばれる一人の教師がいました。生徒からは絶大な人気を誇り、保護者や同僚からも信頼の厚い、まさに「教師の鑑」。しかし、その完璧な笑顔の裏には、底知れぬ闇が広がっていました。彼は、他人への共感能力を一切持ち合わせていない、生まれながらのサイコパスだったのです。 2012年に公開された映画『悪の教典』は、私の大好きな作家、貴志祐介さんの同名小説を、鬼才・三池崇史監督が映像化した、衝撃的なサイコ・ホラー作品です。はっきり言って、これは紛れもない問題作。血や暴力的な描写が苦手な方は、決してこの先を読み進めないでください。 この記事では、そんな『悪の教典』がなぜ多くの人々に強烈な…