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第八回翻訳ミステリー大賞 決定!!

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NEW! 読んでいいとも!ガイブンの輪 第50回記念特別編〈われはいかにしてガイブン者と成り果てたか〉豊崎由美×藤原義也(藤原編集室)×西崎憲(ジュンク堂 MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店)
NEW! 翻訳百景 魅惑の『世界文学大図鑑』 越前敏弥(朝日カルチャーセンター横浜教室)


2017-06-28

発端は重要、されど〜 E・C・R・ロラック『殺しのディナーにご招待』他(執筆者:ストラングル・成田)

 

 パーティなどで「ミステリをどこから書きはじめたらよいか分からない」とこぼす人がいるらしい。作家のH.R.F.キーティングは、こうした問いに、執筆を粥(ポリッジ)づくりに例え、アイデアというオート麦を、想像力という火で煮て、それと相反する理性というスプーンで外部から合理的思考を加えるようにかきまぜる、という言い方をしている(『ミステリの書き方』[早川書房])。

 「どこから書きはじめたらよいか」と問う人には、 E・C・R・ロラック『殺しのディナーにご招待』の発端は、とてもいい教材になるかもしれない。

 

 創元推理文庫のマクドナルド警部物第三弾『曲がり角の死体』で、秀作と銘打ってもいいロラック作品に当たったと思ったのだが、この作品で新訳は当面打止めのようだ。しからば、というわけでもないだろうが、論創海外ミステリで繰り出してきたのが、本書『殺しのディナーにご招待』(1948) 。

 とにかく発端がいい。

 ロンドンのソーホーにある人気レストラン「ル・ジャルダン・デ・ゾリーヴ」。その地下食堂で開催される「マルコ・ポーロ」クラブという文筆家のディナー・パーティに、新規会員として八人の文筆家が招待される。超一流の文筆家しか入会が許されない格式の高いクラブゆえ、招待された面々は胸を弾ませてパーティに集まるが、何か様子がおかしい。主宰者や正式会員が一向に現れないし、業界の問題児トローネも招待されているらしい。やがて、招待者たちはトローネのペテンにかつがれたらしいと結論を出し、料理を堪能してお開きになるが、その一時間後、地下食堂の配膳台の下から当のトローネの死体が発見される……。

 

 日本で最初にロラックが邦訳された『ウィーンの殺人』(1956/翻訳は1957) の解説で、植草甚一が本書の冒頭を紹介した上で、「発端の面白いもの」と評している(会長が死んでいた、と多少誤った紹介になっているが) 。

 本書の設定は、英国ミステリによくある特徴的な小集団内の事件なのだが、ただの文筆家ではなく、旅行家であって文筆家というかなり特殊な集団という設定も風変りだ。だから、本や出版が終始話題になるなど、一風変わったビブリオミステリの趣もある。

 珍しく、発端について長く触れたのは、いくつかのロラック作にみられるように、本書の最高潮の部分は、どうやら奇抜な発端にあったらしいからだ。

 招待者たちが探偵行為を行ったり、関係者が交通事故にあったりと物語は動いていき、マクドナルド警部の例によって地道な捜査は続くものの、登場人物の一人が200頁を過ぎて「何もかも曖昧模糊」と発言しているというとおり、トローネを殺す機会があったのは誰なのか、招待者は誰なのかといった核心に迫る部分はなかなか明らかにならない。

 結末に至れば、それなりに意外な犯人は設定されているし、アリバイトリックもあり、動機も毛色の変わったもの。それでも、モヤモヤしてしまうのは、犯人特定の決め手が薄いこともあるが、結末までに確定した事実が少なすぎて、マクドナルド警部の絵解きを聴いても、考えられうる解の一つとしか思えないところにある。謎解きに説得力をもたすためには、解決に至る過程で主要な事実のピン止めが必要だ。加えて、冒頭の奇抜な設定は何のためかという点に関して、いちおう説明があるものの、にわかには納得しがたいのも減点要素。

 冒頭のキーティングのことばを借りれば、本書に関しては、発端の奇抜さという部分への想像力が勝ちすぎた、といえるのではないか。

 

平和の玩具 (白水Uブックス)

平和の玩具 (白水Uブックス)

 白水社uブックス、サキのオリジナル完訳短編集の第三弾。既刊の『クローヴィス物語』は第三短編集、『けだものと超けだもの』は第四短編集で、本書『平和の玩具』は作者没後に編纂された第五短編集に当たる。全33編収録。最近では、『四角い卵』(風濤社) で、この『平和の玩具』から5編が紹介されていのも記憶に新しいところ。

 G・K・チェスタトンの序文、編集者によるサキ追想、訳者による貴重な書簡等の紹介「親族たちが述べたサキ」(収録の資料の全文発表は商業出版では英語を含めて世界で初めてという) に加えて、エドワード・ゴーリーの挿絵を収録した充実版。

 『クローヴィス物語』『けだものと超けだもの』の統一された意匠こそないものの、奇想や機知、シニカルなユーモア、怜悧な人間観察などサキの特徴として挙げられる要素が本書収録の短編にもたっぷり盛り込まれている。とはいえ、作品から受ける印象には、思いのほか幅があり、例えば笑いの要素をとっても、チクリとした蜂のひと刺し的なものから「バターつきパンを探せ」「謝罪詣で(カノツサ)」「ヒヤシンス」といったスラプスティックに近い作品もある。

 サキの皮肉や揶揄の対象は、社交をはじめとする中・上流階級の価値観を維持するために体面をとりつくろう人々に多く向かうが(「はりねずみ」「七つのクリーマー」等)、そのいじましいまでの必死さが、読者の思い当たるところでもあり、普遍的なおかしみにもつながっている。アイデア勝負、オチの意外性が最大の眼目というわけではないから、ときに奇想を交えた話の運びや会話の妙を何度も味わえる。

 私的に三つを挙げるなら、異色の誘拐ミステリとしても読める「クリスピーナ・アムバーリーの失踪」、誤った虎猫殺しの顛末を描いた“恐るべき子供たち”物「贖罪」、ショーウィンドウに飾られた高慢な人形に子どもたちか妄想を膨らませていく「モールヴェラ」になろうか。

 

 作品の特徴から、その作家像については、狷介とか冷笑家のイメージが湧いてしまうが、本書の序文や親族の手紙からはまったく異なる像が浮かんでくる。

 「四十になっても、オックスフォード・サーカスの新年を祝う街頭で見ず知らずの人と手をつないで輪になって踊る」人(「へクター・ヒュー・マンロー追想」)であり、「実人生では明朗快活で優しく、とても我慢強い人」(従弟の手紙) であったという。一次大戦が勃発すると、四十代半ばにもかかわらず、一兵卒として志願し、過酷な歩兵隊に従軍、戦死した。サキは同性愛者であったという説が英文壇には根強いが、訳者によると、これといった確証や相手の名すら伝わっておらず、親族は手紙の中でこれを強く否定している。

 サキは、保守主義者で愛国者でありながら、上流中流の価値観には皮肉と揶揄の手を緩めなかった。そのアンビバレンツがゆえに作品には品格と毒が同居しており、今後も特異な輝きを放っていくことだろう。

 

 本書によれば、ミステリと観光は、同い年だそうである。1841年、ポー「モルグ街の殺人」をもってミステリが始まったのと同じ年、英国のトマス・クックが禁酒運動大会開催の団体ツアーを組み、これが近代観光業(ツーリズム)の端緒になったという。クリスティー作品に観光の要素が多く含まれることは周知の事実であり、本書は、観光の観点からクリスティーの作品を分析し、20世紀大英帝国の変容を明らかにする面白い切り口の論考だ。著者は、作家で都市計画史・観光史家の専門家。

 確かに、作品史をたどれば、『青列車の秘密』『オリエント急行の殺人』は、旅行と切っても切れないものだし、自身の失踪事件後、『ナイルに死す』などに反映される中東への旅は、第二の伴侶の考古学者マローワンを得るなど、作者の転機にもなっている。

 

 しかし、戦後は? 著者の分析によれば、戦中の『書斎の死体』『動く指』あたりから、作品の舞台は田園ミステリに比重が移ってくる。当時、英国政府が行っていた国土計画にもこの田園重視の姿勢が反映されているというから面白い。50年代から60年代に書かれたミス・マープルシリーズ七編のうち、マープルの暮らすセント・メアリー・ミードを舞台にしているのは一作のみというのは意外な感じがするが、著者の指摘によれば、英国のユートピアであった田園も、『予告殺人』(1950)にみられるように、「よそ者が跳梁跋扈する失楽園」へと変容していく。ミス・マープルの晩年の旅は過去への旅になる、という指摘も大いにうなずけるだろう。

 クリスティーをダシにして観光や大英帝国の変容を語るというのではなく、クリスティーの作品史・生涯に即して語るという筋を通しているので、クリスティーの作品に親しんでいても彼女の生涯に不案内な読者は、作品と人生の意外なほどの結びつきについても概観できる。ミステリも時代の産物である以上、同じ時代を呼吸しているものであり、二次大戦を挟んで50年以上書き継がれたクリスティー作品は、今後とも同時代史の恰好の素材を提供していくことになるのだろう。

  

ストラングル・成田(すとらんぐる・なりた)

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 ミステリ読者。北海道在住。

 ツイッターアカウントは @stranglenarita

  

ミステリの書き方

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クローヴィス物語 (白水Uブックス)

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青列車の秘密 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

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動く指 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

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予告殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

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荷風とル・コルビュジエのパリ (新潮選書)

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【毎月更新】クラシック・ミステリ玉手箱 バックナンバー

 

【毎月更新】書評七福神の今月の一冊【新刊書評】

 

【毎月更新】金の女子ミス・銀の女子ミス(大矢博子)

2017-06-27

第46回 正義感に燃えるイケメン3人組に萌えろ―クレイス『約束』(執筆者・♪akira)

  

 全国の腐女子の皆様とそうでない皆様、こんにちは!

 TVシリーズ『パーソン・オブ・インタレスト』が終わってしまって寂しい方も多いのでは。あのシリーズ、フィンチ(計画)&リース(実戦)のコンビだけで充分萌えられたのに、シーズン2の第1話で、ギャングが番犬として飼っていた凶暴なデカい犬(ベルジアン・マリノア種)をリースが瞬時に手なずけ、“犬にも好かれるナイスガイ”っぷりを見せた上、連れて帰って相棒フィンチに有無を言わせず「2人で」飼うことにして、犬好き腐女子を心肺停止させたものでした(しかも後半はウルトラ美老人悪役まで投入されてサービス良すぎなんですけど!)。

 

 というわけで今回は、全国の犬好き&これで犬好きになった方々の間で大好評を博したロバート・クレイス『容疑者』の続編、『約束』(高橋恭美子訳/創元推理文庫)をご紹介いたします!(訳者の高橋さんもお書きになっているように、原題そのままとはいえこのタイトルのそっけなさはある意味貴重)

 

 前作『容疑者』は、ともに心に傷を負ったコンビ――ロス市警の巡査スコットと、かつてアフガニスタンの戦場で軍用犬として働いていたジャーマン・シェパードのマギー――が、いかにしてお互いをいたわり、信頼し、新しい人生を築き上げたかという、それはそれは心温まる物語でした。

 ……てことは今回は犬萌えなのか、と思ったそこのあなた! 違いますよ! マギーは女の子ですから! もうねー、「お嬢さん、肉でもいかがですか?」とかナンパしたくなるくらい可愛いんです(デレデレ)。そうです、本書の腐要素は、スピンオフの『天使の護衛』から6年目、本シリーズの『サンセット大通りの疑惑』からはなんと17年目にしてやっと日本に再登場した、エルヴィス・コール、ジョー・パイク&ジョン・ストーンの豪華オールスターメンズ3人組でございます!

 

 ロスアンジェルスの住宅街で、逃亡中の殺人犯を追っていたスコットとマギーは、あたり一面を吹き飛ばせるほどの大量の爆発物を偶然発見します。同じ頃、その近所で行方不明の女性を探していた私立探偵のコールは、依頼内容を明かせないことから、殺人事件の容疑者として目をつけられてしまいます。しかしスコットとマギーは、ほんの一瞬ですが、真犯人を目撃していたのです。一方、依頼人に不審な点を感じたコールは、身の潔白を証明するとともに、依頼の裏に隠された陰謀を暴くべく、相棒のパイク(またの名を秘密兵器)と、高報酬傭兵のストーンの手を借り、本格的な調査に乗り出します。

 

 警察と容疑者という関係ながらも、捜査の過程でだんだんと心を通わせるスコット&マギーとコールたち。マギーを見たストーンが、「いいねえ、犬か」と目じりを下げたり、ぶっきらぼうなパイクがすすんで挨拶のしぐさをしたり、マギーの方もコールたちになついていくくだりは、殺伐とした事件が続く中、読んでいてほっとします。

 

 スコットとマギーの仲の良さは相変わらずですが、本書ではマギーがやきもちを焼くような人物も。相棒の警察犬を守るため自らロットワイラーに立ち向かって指を食いちぎられた過去がある、警察犬隊のレジェンド、リーランド部長刑事も再登場しますが、彼の過去の逸話がもう涙なくしては読めないという…。

 

 そして本書を彩るヤロー3人組を簡単にご紹介しますと――

 

  • 口が達者な私立探偵、エルヴィス・コール
    • 見た目は気さくで軽い印象だが、重い過去あり。料理上手。ペットは猫。 
  • おしゃれ感ゼロ(原文ママ)の傭兵あがり、ジョー・パイク
    • 185センチ、88キロの筋肉質。海兵隊員、警察官の経歴あり。無口。
  • さわやか笑顔のブロンドマッチョ、ジョン・ストーン
    • プリンストン大卒で6ヶ国語堪能。元デルタ・フォース工作員。セレブ傭兵。

 

 こんな人たちが犬を囲んでいちゃいちゃ、もとい、和気あいあいしたりカーチェイスしたりドンパチしたりしてるわけですよ! それだけでも今すぐ読みたくなったでしょ!? しかも充実の萌え要素! たとえば張り込みに行くのに、残りものを使ってコールがお弁当を作ったり、それをストーンが美味しそうに食べたりとか萌えどころ満載なのですが、なかでも自宅の豪邸で、ポルシェ並みのお値段の豪華ベッドでギャル2人と眠っていたストーンが、人の気配で起きるシーン。「ジョン、俺だ」って、それパイクなんですけどね。いくら急用とはいえ、音も立てずに他人の寝室に忍び込むなよ! しかも相手は女子含めて全員素っ裸。ストーンは多少驚いてましたが、パイク、もう少し気をつかってもいいんじゃないかと思うんですけど(笑)。それでもなおマッパで歩き回るストーン、お前はフォーグラーか!(注:ハラルト・ギルバース『ゲルマニア』参照のこと)

 

 そんなありがたいエピソードを挟みつつ、テンポよく読者をひっぱっていく本書、じゃあキャラだけで読ませる作品かと思われるかもしれませんが、そんなことはありません! コールたちが掴む事実は次第に様相を変えていき、クライマックスでは凶悪事件に隠された意外な真相が浮かび上がります。アメリカはもちろん、これからの時代、このようなやるせない事件はどこででも起きるのではないでしょうか。著者の良心が感じられるラストの後日談も深い印象を残します。西海岸の青い空の下、正義感に燃える30代イケメン3人の活躍をどうぞご堪能下さい。

 

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 さて、犬好きでキアヌ萌えの方々を筆頭に大絶賛されたアクション映画『ジョン・ウィック』の続編、『ジョン・ウィック:チャプター2』が7/7(金)に遂に公開となります! 飼い犬の復讐のため、たった一人でロシアン・マフィアの大組織を壊滅させた伝説の殺し屋ジョン・ウィック。本作は前作のラストから5日後に幕を開けます。

 

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 亡くなった妻が残した愛犬を殺され、その次に大事な愛車を取り返しに行くジョン(キアヌ・リーヴス)。愛車は取り戻したものの、悲劇から完全に立ち直れないジョンのもとに、かつての知り合いである殺し屋サンティーノ(リカルド・スカマルチョ)が訪ねてきます。彼の依頼を断り、殺し屋界の掟に背いたジョンを待っていたのは、殺し屋VS殺し屋軍団の壮絶バトル大会だったのです!

 

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 以前クリス・ホルム『殺し屋を殺せ』の時にも引き合いに出しましたが、主役も殺し屋なら敵も殺し屋という、殺し屋純度100%のこのシリーズ、殺し屋御用達ホテルや殺し屋界の非情の掟など魅力的な設定がぎっしりと詰まっていましたが、本作ではさらに、武器ソムリエや殺しのイチ推しコーデ、闇の地下組織なども登場し、まさに究極の殺し屋ファンタジーに仕上がっています。アクションシーンはもちろん言うまでもなく、スタント出身の監督が放つ神業カーチェイスのオープニングシーンから、観客は一瞬も目が離せません!

 

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 流れるような動きとともに繰り出される、手際のいい必殺技の数々。前作を上回る、めくるめくボディカウントの嵐にうっとり! しかも本作ではNYホテルオーナーのウィンストン(イアン・マクシェーン)に加え、ローマ本店オーナーとしてあのフランコ・ネロが出演し、ダブル美老人という超素敵なオマケ付き! 「犬に危害を加えようとする奴は許せない!」スタンスはもちろん変わりません。そんな『ジョン・ウィック:チャプター2』と、ロバート・クレイス『約束』、そして突然ですがボストン・テラン『その犬の歩むところ』(田口俊樹訳/文春文庫)という、犬好きに大推薦の三作品、ぜひお楽しみ下さいませ!

 

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●映画『ジョン・ウィック:チャプター2』予告篇

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タイトル:『ジョン・ウィック:チャプター2』

原題John Wick : Chapter 2

監督:チャド・スタエルスキ『ジョン・ウィック』

出演:キアヌ・リーブス、コモン、ローレンス・フィッシュバーン

公開表記:7月7日(金)TOHOシネマズ みゆき座ほか全国公開

配給:ポニーキャニオン

■2017年/アメリカ

■コピーライト:©2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

    

♪akira

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  BBC版シャーロックではレストレードのファン。『柳下毅一郎の皆殺し映画通信』でスットコ映画レビューを書かせてもらってます。トヨザキ社長の書評王ブログ『書評王の島』にて「愛としみのスットコ映画」を超不定期に連載中。

 

本の雑誌409号2017年7月号

本の雑誌409号2017年7月号

 

  

 

容疑者 (創元推理文庫)

容疑者 (創元推理文庫)

約束 (創元推理文庫)

約束 (創元推理文庫)

 

天使の護衛 (RHブックス・プラス)

天使の護衛 (RHブックス・プラス)

 

 

【偏愛レビュー】読んで、腐って、萌えつきて【毎月更新】バックナンバー

2017-06-26

NY Timesベストセラー速報20170702(執筆者・中谷友紀子)

アメリカのベストセラー・ランキング

7月2日付 The New York Times紙(ハードカバー・フィクション部門)



1. CAMINO ISLAND    Stay

John Grisham ジョン・グリシャム 

Camino Island

Camino Island

プリンストン大学の図書館で厳重に保管されていた古い原稿が盗まれた。若い女性作家のマーサーは謎めいた女性から依頼を受け、フロリダの島で人気書店を営みながら裏では稀覯本の闇取引で儲けているというブルースを、秘密裏に調査することになる。


2. THE IDENTICALS    New!

Elin Hilderbrand エリン・ヒルダーブランド

恋も仕事も長つづきしない気まぐれなハーパー。完璧主義でやかまし屋のタビサ。両親の離婚後、長年のあいだナンタケット島とマーサズ・ヴィニヤード島に別れて暮らしてきた双子の姉妹は、行きづまった人生を立て直そうと、互いの家を交換することに決める。“サマー・ノベルの女王”と呼ばれる人気作家の最新作。


3. TOM CLANCY: POINT OF CONTACT    New!

Mike Maden マイク・メイデン

ジャック・ライアン・ジュニアを主人公としたスリラー第3作。ジャックの所属する“ザ・キャンパス”ことヘンドリー・アソシエイツ社は、軍需企業社長をつとめる元上院議員から依頼を受ける。表向きは買収を検討中のシンガポール企業の財務調査だったが、ジャックとともに財務アナリストとしてシンガポールへ飛んだ元CIA職員のブラウンは、ある密命を帯びていた。


4. INTO THE WATER    Down

Paula Hawkins ポーラ・ホーキンズ

Into the Water: From the bestselling author of The Girl on the Train

Into the Water: From the bestselling author of The Girl on the Train

イギリスの小さな町を流れる川の底から、ネルという名のシングルマザーの死体が発見される。そのあたりは地元では“溺死の淵”と呼ばれ、かつての魔女狩りで魔女とされた女たちが命を絶った場所として知られていた。ネルは魔女に強い興味を持ち、淵の歴史を書き綴った手稿を遺していた。


5. DRAGON TEETH    Down

Michael Crichton マイクル・クライトン

Dragon Teeth

Dragon Teeth

1876年、未開の西部へと気軽な探検に繰り出したエール大の学生ウィリアムは、2人の古生物学者マーシュとコープによる「骨戦争」こと恐竜化石発掘の熾烈な競争に巻き込まれる。2008年に急死した著者による未発表作品で、綿密に描かれた史実の枠に『ジュラシック・パーク』を彷彿させる豊かな想像力を嵌め込んだ冒険フィクション。


6. COME SUNDOWN    Down

Nora Roberts ノーラ・ロバーツ

Come Sundown

Come Sundown

ボディーンはモンタナ州で、家族4世代でリゾート施設を備えた牧場を経営している。ある夜、家出したと聞かされていたおばのアリスが、牧場の近くで惨殺死体となって発見される。じつはアリスは家出をしたあと何者かに誘拐されており、その家から逃げ出していたのだった。この事件をきっかけに、ボディーンと彼女の家族の絆が試されることになる。


7. NO MIDDLE NAME    Down

Lee Child リー・チャイルド

ジャック・リーチャーを主人公とする、これまでに発表された短編11編に、新作中編“TOO MUCH TIME”を加えた中短編集。今年秋に本国で出版が予定されているシリーズ長編22作目の“THE MIDNIGHT LINE”は、メイン州で起きたひったくり事件を発端として展開する、前述の中編“TOO MUCH TIME”から続くストーリーとなるとのこと。


8. NIGHTHAWK    Stay

Clive Cussler and Graham Brown クライヴ・カッスラー、グレアム・ブラウン

Nighthawk (The NUMA Files)

Nighthawk (The NUMA Files)

カート・オースチンが活躍する、NUMAファイル・シリーズの14作目。最新鋭の技術でつくられた無人航空機ナイトホークが、時限爆弾を積んだまま南太平洋上で姿を消す。カートはNSAのエマ・タウンゼントとともに、爆発を止めるべく機体の所在の特定に乗りだす。一方ロシアと中国も、技術を得る目的でその行方を追っていた。やがて、ナイトホークには爆弾以外にも重大な秘密が積まれていたことが明らかになる。


9. THE FIX    Stay

David Baldacci デイヴィッド・バルダッチ

The Fix (Amos Decker series Book 3) (English Edition)

The Fix (Amos Decker series Book 3) (English Edition)

“完全記憶探偵”エイモス・デッカー・シリーズ第3弾。FBI本部近くの路上で男が女を射殺し、直後に自殺する場面を目撃したデッカー。捜査に乗りだしたところ、国防情報局に手を引けと警告される。この事件の背後には重大な国家機密がかかわっているというのだが……


10. 16TH SEDUCTION    Up

James Patterson and Maxine Paetro ジェイムズ・パタースン、マクシーン・ペトロ

女性殺人捜査クラブ・シリーズ第16作。信じていた人物に裏切られ、心に深い傷を負ったリンジー・ボクサー。立ちなおろうともがいていたところへ、爆弾テロ事件が起こり、多数の死者が出る。リンジーは犯人の逮捕に成功するが、捜査の正当性に疑問を投げかけられてしまう。


【まとめ】

先週に引きつづき、グリシャムの最新作が1位を獲得しました。新たに登場したのは2作。2位のヒルダーブランドはベストテン常連の人気ロマンス作家で、住まいのあるナンタケット島周辺を舞台とした作品を書きつづけています。3位のジャック・ライアン・ジュニア・シリーズは、第1、2作をグラント・ブラックウッドが執筆していましたが、今作はマイク・メイデンが担当しています。メイデンはテクノスリラーのドローン・シリーズで知られ、第3作の『ドローン・コマンド 尖閣激突!』が昨年2月に角川書店より邦訳刊行されています。ベストテン外の11位には、『ダイヤモンド・エイジ』(早川書房)のニール・スティーヴンスンとヒストリカル・フィクション作家ニコル・ガランドの共著による近未来スリラー、“THE RISE AND FALL OF D. O. D. O.”がランクインしています。


中谷友紀子(なかたに ゆきこ)

訳書にサムエル・ビョルク『オスロ警察殺人捜査課特別班 アイム・トラベリング・アローン』、ミシェル・ペイヴァー『神々と戦士たち IV 聖なるワニの棺』など。


The Rise and Fall of D.O.D.O.

The Rise and Fall of D.O.D.O.